梟山伏 | murmure ♪ みゅるみゅ〜る

murmure ♪ みゅるみゅ〜る

フルーティスト宮川悦子の日記。
みゅるみゅーる!はフランス語でささやき・つぶやき・・・

いやぁ、急遽時間が空いたので

お昼に観世能楽堂に行ってみました!


全然行けるつもりではなかったので全くチケットなども持っていないし

内容もお勉強しておらずでしたが

あ、いけそう・・と思い、

あさ、千葉でひと仕事したあと、渋谷まで行ってみてチケット取れなかったら仕方がないから

どこかで楽器をさーらおと思い電車に乗り、


久々の渋谷へ。松濤エリアはすごいですね~。

急に高級住宅街が現れて毎度、違う国か?と思ってしまいます。


杜の會主催の能&仕舞&狂言の会


1時開演でしたが間に合わず

1時半過ぎに入りました。

能って本番中でも入ってもいいのね、、

どうぞどうぞと言われて、え!いいんですか!と聞き返しました。

クラシックのコンサートでは演奏中は絶対出入り禁止ですよねーー

能の1曲が長いからか??


追記!いや、やっぱりイイわけないですね。堂々と書く事ではないですね、、

確実に他の方にご迷惑だし、

逆の立場で自分が演奏中に客席のドアが開いたりしたら集中力がかけてしまうかもしれないです。

お能は途中でもOKみたいな誤解を招く書き方はいけないですね。ごめんなさい。

係りの方が良いとおっしゃったらば、本当に見所の皆さんのご迷惑にならないように

最善の注意をしてこっそーり入るべきですよね~





で、本当に能に関しては全く知識がない上に予習も全くしていかなかった為、

なんのことやらさっぱり。(すみません)

ドアを開けたら小袖曽我をやっておりましたが

今、どこの部分なのか、なんの話なのかもわからず、

手元の短い解説を読んで分かった振りして見ていました。

(分かった振りなので全く分かっていない)

ホントに失礼きわまり無いです。はい。


初めて聴く、アリアも知らない、字幕もないオペラを見ているような気分でした。

能は音楽的な流れでセリフを言うのでとっても心地よくて!

内容がわからないだけに

浮かんでくるのは音楽的な疑問点ばかり!


地謡の方たちって音程が揃っていてすごい!ドレミの譜面があるわけではないのに

出だしの音程など、この音で行きましょうって、口伝で伝わっているのでしょうか??


そして今日の能管の方(一噌庸二さん)の笛の音がすっごく綺麗でした。

割と能の笛ってオーバーブローしたようなヒューーって音が多めなのかと勝手に思っていましたが

今日の笛はオーバーブローしていない音の割合が多いように思い、

旋律がよくわかって美しいな~と思いました。それが良いことなのか、この曲だからこの音にしているのかそのへんの知識がなくてわからないのですが、、。

まず最初に笛の音にハッとして聞き惚れました。

自由席だったのでありがたいことに正面の後ろに座れたのですが、場所のせいもあるのかわかりませんがとっても美しく響いていてますます能管への興味が湧きました!


それにしても、和の音程って、、

西洋の音階で言うと例えばきっと4度跳躍したいんだろうなと思うところも

半音の半分低かったり高かったりする音を奏でてるのを聴くと

ふっとした時にもももうちょい下下、とか上上とか思ってしまう自分を発見しました(笑)

普段西洋のドレミの世界にいるからでしょうかねぇー

ということは、いつも能の笛を吹いていらっしゃる方は、西洋のドレミを聴いた時どんな風に思うのかしら~~と思いました!

(決して能の笛の音程が気持ち悪いと言っているわけではないんですよ~

この音程の素敵さ、心地よさ。う~~ん日本人でよかったーと思います)


周りの皆さんはちゃんと能の台本をお持ちになっていて

字を追いながら聴いていらっしゃいましたので、

てぶら~な私はそんなところに目(耳?)が行ったのでしょうね。。。

お能はまだまだ未知の世界です。


そして狂言の始まり~

梟山伏をやったのですが

こちらもぜーんぜんお勉強してきませんでしたし、解説も無しでしたので

ドキドキでしたが、とってもわかりやすくて面白かったです。


岡さん演じる兄が飯田さん演じる弟の様子がおかしいからと、

萬斎さん演じる山伏に診てもらうお話です。


長身の岡さんが最初に出てくるので、山伏の萬斎さんが一瞬とってもミニサイズに見えてしまいましたが

洗練されたミニサイズで、細かいところまで繊細に作られた隙の無いガンダムのよう!(ガンダムは良い方の表現ですよ、念のため!)

でも目がすぐに慣れてきて、ガンダムは3秒くらいね。。(失礼しました)


山伏キャラにはもったいない程の気品とヒーロー感の漂うお姿でした。

最初の出だしは茸の時とほぼ同じ感じでいきなり兄がいてびっくり驚く所作から始まり、、


 兄が弟を連れてくるのですが、その間、山伏萬斎さんが微動だにせず立っていらっしゃるところがまた、

神々しく不思議な色気をビリビリと漂わせて、兄&弟が出てくる所作をうっかり半分見逃してしまいました!

弟は兄につかまりながらフ~ラフラで連れてこられて、座るのですが、

山伏萬斎さんが、まず脈をとりましょう

弟の頭を乱暴にがつ っと掴み、さらに頭をぐーるぐる回して乱暴に離します!

兄がそんな脈の取り方、、と言うと山伏萬斎さんは

平然と頭にもののけが付くからねぇ的なことをおっしゃいます。


ぼーろん、ぼーろん、とお祈りを始めたら 

急に、ほーーーっと弟に取り付いている梟が姿を現し始め、、


横で座っている兄が

山で梟の巣にいたずらをしたと、弟は言っておりました、、、

と。


あーーみなまで言うな~と山伏萬斎さん、

梟が取り付いているからカラスの印で追い払おう!

と、ぼーろんぼーろんやっても、

全然治らず、どころかさらに激しく、ほーほーっと梟に変身してしまう弟。


山伏萬斎さんがお数珠をじゃりじゃりじゃり~と勢いよくすり合わせるのですが

その所作もまた面白くって!!

じゃりじゃり、、の一拍目からじゃり~じゃなくて、16分休符が1つ入る感じ!!

ん。じゃりじゃりじゃり~~と ん。が入るのが面白さ倍増のひみつでしょうかねぇ。


いろはの呪文を唱え~ちりぬるをわか~とインチキそうなおまじないをしても

ますます激しく梟が現れ~

さらにはとなりで座って見ていた兄までも、がくっと頭が下がって、、、

なんと、

ほーーーーっと梟にとりつかれてしまいます(笑)


そして、山伏萬斎さんの前と後ろで交互にほーほーーと!

ぼーーろんボーーロン ほーーーほーーーー

ぼーーーろん ぼーーろん ほーーーほーー

とテンポアップして

もうどうにもならなくなって


山伏萬斎さんが倒れ込んでしまいます。

(この所作が色っぽい!なんじゃラホイ!

マクベスを彷彿させるような精神的ボロボロさを表現されていたように思い、ブルっとしました!)

そして、

兄&弟の梟は、バサバサ~バサバサーほーーほーーーと狂いながら

橋掛かりから幕へとはけてしまいます。


全然予習していない私は最後、どうなるんだろうと

うちの子供なみのワクワク感で見ていましたら、、、


山伏萬斎さんがボロボロになりつつお顔をあげるが、、

自分まで梟が乗り移ってしまい、、、


ホーホー言い、苦悩の顔で狂いながら橋掛かりの向こうへはけていきます、、




兄&弟の梟よりも一段とキレのある山伏梟さんは、それはそれは美しい所作で

ひとり別の格式高いもののけに変身されているような、不思議な存在感でした。


これはハッピーエンドなのか?

いや、そんなわけない。不気味な、、、

そのあとみんなどうしたんだろう、、


山伏さんて

室町時代には相当力のある位置にいらしたんでしょうかねぇ

だからこんなふうに狂言の題材になるのでしょうかね、、

ちょっと山伏の存在を皮肉ったような、、

表面的ブランド感はあるが、実は、、みたいなキャラクターの

狂言の山伏さんを生み出した時代背景を想像するだけで

ワクワクしてきます。


そして、現代社会にもこういう人、いそう。あ、いるいる。

そういうことを考えるのもまた面白いです。


ぼーろん

ぼーろん

と頭にずっと残りつつ、


次は仕舞や能が残っていましたが



間が高野さんだったし、みたかったんですが、

早く帰らないと家に小学生生徒さんたちが来てしまう~とダッシュで渋谷をあとにしました。


観世能楽堂の入口の梅の木には

いい感じに熟した梅の実が沢山なっておりました。

いい季節!






帰り道ダッシュしつつもBunkamuraでチラシをもらってこようと

思ったんですが、見つからず時間もほんとになかったので

諦めて帰りました、、

楽器を持っていたのでダッシュと言っても走るわけにいかず

怪しげな早足で、、、、、


なんでこんなに古典にとりつかれているのでしょうか?

私も祈祷してもらおうかしら。ぼーろん。

いや、ほんとに面白いので祈祷しなくていいや。


あーおもしろいおもしろい