ご来院くださった患者様には、まず問診票に記入をしていただいています。
問診票の項目の中に、好みの食品や味付けを答える欄があるのですが、日本の方に際立った特徴として、特に若い女性であれば8割ほどが、"甘いもの"を好むと回答されます。
本来、五味(酸味・苦味・甘味・辛味・塩味)をバランス良く摂取することが人体には理想的です。
五臓六腑に平均して栄養を行き届かせるためには、各臓器に相応する味を等しく取り入れなければなりません。(酸味=肝・苦味=心・甘味=脾胃・辛味=肺・塩味=腎)
飲食を通して、五味が偏った入り方をすると(これも一種の偏食と言えるでしょう)、栄養の不均衡が発生し、内蔵の一部は不必要に活性化され、それ以外では機能低下が起きます。
このように五臓の均衡が崩れ始めると、からだの抗病力すなわち免疫力が落ちていきます。
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現代人は甘味を好み、実際に頻度にしても、量にしても、甘いものを多く摂取しているようです。
間食としてパン・ケーキ・菓子・チョコレート・アイスクリーム等を食べ、極端な場合はドーナツや菓子パンを食事代わりにします。
周囲に甘いものが溢れかえっているのは、「売れる加工食品」を販売し続ける生産者の計略に、消費者が味覚の自由を奪われ、中毒となっている状態といえます。
味覚が甘味に支配されてしまうと、食事の味付けでも、甘味が感じられなければ美味しくないと結論を出す傾向があります。
その結果、特に甘党だと本人が認識していない場合にも、甘味が隠れている加工食品や甘い味つけ(丼物のつゆや煮物の出汁)を通して糖分を過剰摂取しているケースが目立ちます。
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東洋医学ではもともと、「甘味を好むようになるのは脾胃が弱まっているから」と判断しました。
五臓のどれかの機能が弱まると、その臓器が主管する味を好むようになるからです。
(ただし肝臓だけは例外で、機能が弱まると酸味を好むこともあれば、嫌うようになることもあります)
脾胃が弱くなって甘味に惹かれる場合は、甘味を多く摂取することで弱まっていた脾胃が健康をとり戻すと、徐々に甘味嗜好は減少していきます。
ところが。。。
現代人においてはそれは当てはまらないようです。
甘味中毒で、いつまでも甘味に執着します。
これは、甘味を好む理由が、虚弱に傾いた脾胃を回復させるためでなく、ほかにあるためだと考えざるをえません。
つまり、甘味に偏った摂取によって体内に毒素が発生し、その毒素によりからだの本来の反応(脾胃機能の回復に従い甘味に惹かれなくなる)が正常に働かなくなり、一層甘味への偏向をエスカレートさせる悪循環が起こっているのです。
甘いものを長期にわたって偏ってとり続けると、体内環境はどんどん悪くなり、内熱が起こって各種慢性病を育ててしまいます。
具体的には、高血圧や糖尿病、肥満、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を増加させます。
内熱を発生させるのは、甘いもののほかに、肉類─特に霜降などの高級部位─や鱗のない鮮魚などがあります。
これらも現代人の好物ですね。
現代の、多くの甘味嗜好への偏向は病的な現象です。
単に好みの問題ではなく、病的な問題なのですから、当然改善されなければなりません。
スイーツは遠ざけ、普段の食事でも甘味がちな味付けを出来るだけ控えるよう意識し、実践する努力が必要だと考えます。
椿漢方はソウルにある韓方クリニックです。
漢方薬と鍼治療で健康と美容のお手伝いをさせていただいています。
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