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お弁当の猫きのこのkairuです🐾
『ミステリと言う勿れ』でここぞと言うときに流れて、涙を誘っていたKing Gnu の カメレオンのMVを見て、また新たなる感動を覚えました。
何というか・・・美しく切ない・・・![]()
3人の人形達には設定と名前があるようです。
レオン…頭が割れた少し気弱な性格
テレス…気高くひたすらに美しい
ザックス…勇敢で優しさに溢れている
とくにこの鼻を垂らしたようなレオンが本当に愛おしい。
この中にはKing Gnuとしての設定があるようですが、『ミステリと言う勿れ』の主題歌であるところから、私は勝手にレオンとテレスを母子認定して感情移入して見ていたところ・・・
このMVを見た時と同じような気持ちになったことを思い出しました。
以前に書きましたが、私の母は、世間一般の母としてなんら劣ったところの無い人でした。
こどもの承認欲求を徹底的に満たさず、こどもの存在をすべて母の承認欲求を満たす事に使った以外は、むしろよく出来た人でした。
たったそれだけの事でここまでひねくれた大人に育つとは思ってもみなかったに違いありません。
そんな私が自分と重ね合わせていたのが、例えば太宰治であり、例えばアルチュール・ランボーでした。
そして、私の母によく似た臭いのする人がいました。
全く接点のない、テレビで見ることしか無い女優でした。
良妻賢母、女優としての才能、子育て、何もかも完璧で、なぜ、こんなにもすべてにおいて完璧であるかと言う趣旨の(結局、周囲の協力と、周りに対しての感謝の賜であるとか言う)子育ての本まで出していました。
なぜ、この女優が私の母と似た感じがするのか私は不思議でしたが、その後の色々な事件のたびにやっぱりそっくりだと納得しました。
その女優のこどもが薬物パーティをやっていて逮捕され、その時、女優は友達の影響のせいで自分の子どもがこんな目にあった、自分が女優のせいで子どもがマスコミの餌食になっていると反論して、世間からバッシングを受けました。
私はその時、違うんだな、この子がして欲しかったことは・・・
化粧もせずに、ボロボロになり、泣きながら、自分のそばにいられなかったことを謝罪して、「頼むから薬なんてしないで。体も心も壊れてしまう。」と女優業をやめて自分に張り付いて、素晴らしい母としての顔や、ペットではなく、彼をこどもとして命がけで愛しているという言葉の裏付けをして貰う事だったんだろう
と思いました。
その後も息子は薬物をやめずに何度も逮捕され、女優は最終的には、成人しているのだからと息子を突き放しました。
この女優は自分が信じて来た素晴らしい母であると言う虚像を捨てる事が出来ず、結局は、息子のせいにして自分を守ったのだと思います。
確かにこの息子は甘えているし、世間をなめていると思いますが、きっと彼は幼い頃から壮絶な母へ愛情と母の言動の矛盾、その葛藤で苦しんで来たのではないかと思い、なんとも言えない哀しみを感じます。
虚像をこどもに信じ込ませて来た母へ、自分を傷める事によって試し、裏切った母に復讐をしてきたのではないでしょうか。
薬物で幻想を見た時のみ、かれは母と共にいられたのかも知れません。
そんな風な思い出した話を勝手にMVに重ねて想像しながら、母の理想に近づけなかった彼の哀しみを思い、カメレオンの不思議な世界観に静かに浸ることが出来たのでした。
『ミステリと言う勿れ』の最終回で流れるこの曲が感動を生むであろうと期待してやみません。





