もう随分古いドラマの中の、武田鉄矢さんの台詞。
今日はアメリカから古い友人が帰国して久しぶりを会食をしました。
積もる話がありすぎて、弾丸トークを繰り広げる中で、家族の話題になりました。
夫と結婚する事が決まって結婚するまでの婚約期間中、私はなぜが
「この人が死んでしまったらどうするのだろう?」
と常に不安がっていたのです。
待ち合わせの時間に5分でも遅れると
心配で心配でのんきな顔押して10分くらい後れてきた婚約者である夫に、
ものすごい剣幕で怒っていました。
結婚してから、携帯電話がちまたに出回り始めると、
帰宅が遅くなると、相手の迷惑も考えず、電話をかけまくっていたのです。
夫から
「おまえちょっとおかしんじゃない?」
と言われ、
「だって、どっかで車にでもひかれて死んじゃってるかもしれないと思って・・・」
夫はあっけにとられて、暫く黙り込んだ後
「ぼくは死にましぇん!」
なぜそんなに不安がっていたのか、今となっては自分でもよくわからないのですが
以前アメリカの学会で「悲しみは世代を超えて伝わっていく」というテーマで講演をされていた先生のことを思い出しました。
その後もいくつか読み物を読んで、強い悲しみや苦しみを体験すると、それが遺伝子レベルで伝わるのか、
意識的か、無意識的かはともかく、何気ない言動から世代から世代へと伝わっていくのかまだわからないけど、
とにかく、自分の会ったことのない自分の祖先の悲しみを自分が引き継ぐ場合があるらしいのです。
私は会ったことのない祖父は、祖母と結婚する前に初恋の人と死別してしまったと言う話しを、
祖母からも、母からも聞かされていたことを、最近思い出しました。
これは真実なのかどうかはわかりませんが、顔も見たことのない祖父の強い悲しみを、私が遺伝子レベルで引き継いでしまっているのかもしれません。
自分ではどうすることもできない、湧き出てくる、悲しみや苦しみ。
これに似たような経験を、ひょっとしたら誰しもがしたことがあるかもしれませんが、
私たちはその悲しみや苦しみに、いつまでも縛られていてはいけないと思います。
生きていれば、自分の予想できない大変なことに遭遇することもあるでしょうが、起きてもいないことに怯えることはない。
世代を超えた悲しみを引きずって生きていくことはない、いえ、引きずっていてはいけないんだとと思います。
強い意志を持って、その鎖を断ち切って、「自分の人生」を歩んでいくことが大切なのではないでしょうか。。。
そんな話しを友人に聞いてもらい、有意義な一日を過ごしたのでした。