昨日、マラソンから帰宅して、NHK杯戦を観戦。

 角換わり同形→先手4筋へ飛車展開のよくある形かと思いきや、いきなり後手木村八段が3筋から開戦。いくら引っ張り込む受けが得意といっても、先手玉が8八に入っている状況では、一目無理な感じだ。

 無理はさらに拍車がかかり、1図の△3六歩には驚く。わざわざ一歩渡して、敵の金を前線に出させてやるとは・・・先手は少々駒損しても手を作りさえすれば、一人終盤に持ち込めそうな気配がプンプン漂ってくる。

せんすぶろぐ

 私が感心したのは2図の▲3七金。2六角を防ぐためとはいえ、遊び銀に当たりをかけるのがいかにも非効率に思え、私は▲3四金△2六角▲4七飛で十分ではないかと考えていた。実際に指されてみると、△2六歩と泣けるような手しかなく、手番を維持し続けてそのまま圧勝。

せんすぶろぐ

 以前、この二人が竜王戦挑戦を争った時があった。その時の準決勝は森内-木村、三浦-中村だったのだが、その直前にプロ棋士達の話しを聞く機会があり、森内-木村しか眼中にないのに、相当に驚かされたことをよく覚えている。既に三浦八段はA級に定着しかけていた頃、木村七段はB1に上がったばかりで、にもかかわらず、評価が木村>>>三浦だったのである。そして3番勝負は初戦は乱闘の末、木村勝利。二戦目は木村圧勝。

 ところが今となっては、三浦八段は今期のA級残留も決まり連続13期ともう大棋士の一角になりかけているのに対し、木村八段はB1級で苦戦モード。

 どこでどうなったというより、三浦八段の持続的な成長が尋常ではないのだろう。