解任を迫るテープまで公開されてしまった富士通お家騒動。こういうことをすると経済人としての先行きがなくなることは承知していても、敢えてするに至った野副氏の悔しさがよく分かります。これで勝てるかどうかは分からないけれど。


 本件では、反社会勢力といわれたファンドの方々が富士通役員3名に対し名誉を毀損されたとして損害賠償を求める訴訟を起こしている。これもファンドの方々の立場からすると当然の反撃なのだが、勝てるでしょうか?と考え直しています。


 富士通側は「このファンドは反社会勢力とつながりがあるよ~」とおおっぴらに発言したわけではなく、文字通り密室のやり取りを行っただけ。これに類似した会話は、取引先選別をする際に、「あそこは与信がないなぁ」とか「この輸入財、違法労働がかかわってるという噂もあるからやめとこう」といった感じで、普通に企業内では交わされていますよね。ただ、外部に向かって発信するなんてことは絶対にしないから、特段問題にはならないというのが現場の状況です。富士通役員側の防衛がどのように行われるのか関心があります。


 また、社長から追い落とした野副氏と結んだ顧問契約。顧問として利用する気はなくてもお金を支出するのはどうだろう?という指摘が既に出ています。まぁ、企業の顧問というのは知恵をもらいたいためにいるというよりはうるさくされないためにいる、というのが実態で、これまではそれでよかったのですが、今後はどうなるでしょう。役所OBとか審議会常連メンバーといった人種は、顧問契約でなかなかのお金を労せずして取っていましたが、やはり漸減傾向を辿るでしょうか。個人的にはそうあってほしいと思います。


※私は以前、自分の子どもがいる国にばかり出張したがる「顧問」のお世話をさせられたことがあります。