$五感プロデュース研究所、-ち
2年前になるが、フジテレビ「めざましテレビ」に出演し、現代人がお寿司を食べるときにワサビを抜いて食べている人が多いことについて説明しました。そして、今回「ワサビと味覚」鼻にツーンとする刺激を改善することが出来ないかという話題で、関西テレビ「解決!!イライラ侍」という番組から取材と問い合わせがあり、ワサビの辛味成分のメカニズム、それを改善するための実験なども行いました。
番組内では、炭酸飲料、コーラ、ジュース、ビール、シャンパンを用意し、男性2名、女性2名に同時にワサビを食べて貰い、どの飲み物が鼻にツーンとくる刺激が改善されるかの実験を行いました。
ワサビは味覚、味と言うよりも辛味として感じるため、特に嗅覚刺激が強いので、味よりも臭いが強いのです。
これと似た味感覚が辛味です。特に激辛はやはり、味覚、味で感じるよりも、痛み「痛覚」舌の触覚的感覚で感じるのです。ですから、舌でピリピリする感覚になるのです。
ここで、ワサビがなぜ、鼻にツーンとする刺激になるのか、成分分析から説明致します。
ワサビはシニグリンという成分があり、ワサビをすり下ろすと、酸素にふれて、細胞内の酵素が反応し「アリルイソチオシアネート」に変化して辛味成分となるので嗅覚が刺激され、鼻にツーンとするのです。
この辛味成分はワサビの量にもよりますが、30秒から40秒ほどで弱まり消えまが口の中で辛味成分は少し残ります。
ですから、お寿司屋さんに行くと必ず熱いお茶が出されます。これらは、魚の脂身を洗い流し、辛味成分も中和させてくれます。そして、マグロの後にエビなどほ食べるときにお茶を飲むと美味しく感じるのはこれらの理由です。他にワサビは殺菌作用があるので、お寿司には欠かせない隠し味なのです。
ところが、現在の子供たちや若者たちでは、ワサビのように味覚や嗅覚に刺激が強い物は毛嫌いされます。
これらは、味覚の未発達のまま成長すると、お子様の味覚のまま大人に成長したようなものです。ワサビの刺激は鼻にツーンとする。ビールは苦味が強い、日本酒も鼻にツーンとする刺激が強い、これらは刺激が強いですから食べられない、飲めないとなるので「嫌い」となるのです。
現に、全国の小学生の半数以上に「味覚障害」の疑いが報告されております。
ですから、現在、回転寿司屋さんに行くとテーブルの横に大きな壺が置いてあります。これらはエビの尻尾を入れたりする壺ではなく、ワサビ壺なのです。
やはり、お寿司やお刺身には殺菌作用と、隠し味、生魚の風味を醸し出すのにはワサビは欠かせません。辛味成分が鼻にツーンとするだけで嫌がる味覚は、大人、日本人の味覚の変化でもあると私は指摘し、食育からワサビ、薬味、姿形が悪いからと食べず嫌いする人達が多く成ってきています。
また、好きな時に好きな物だけ、好きな量を食べる人達が急増しております。
これらの環境や食べ方では、味覚だけでなく、嗅覚、五感全体までもが未発達、異変が生じると私は警鐘を鳴らしながら、マスコミ等に出演し提唱しているのです。
ですから、お寿司にワサビを入れて、お子様なら、お茶の代わりにコーラを飲ませる。大人の人はシャンパンを飲んでワサビの辛味成分の鼻にツーンとする刺激が低減されます。
お寿司にワインより、実はシャンパンが合うということです。
日本酒が飲めない若者が多いだけでにシャンパンでお寿司を食べる。意外とおしゃれで効果的でもあるということです。
但し、シャンパンも物によっては高額なので注意も必要です。
今からでも遅くありません。ワサビの苦手な人は、少しじつでよいので、お寿司、刺身に薬味と一緒にワサビを付けて食べ、徐々になれるとワサビが美味しくなるのです。そうすれば、人の脳は快感し「美味しいと実感」するのです。この美味しいという料理の味の快感が現代人は体感していないのです。
料理に美味しさは必要ない、刺激が必要ない、お腹いっぱいに成れば満足という人達が増加しているのです。
これらこそ、食欲と脳の快感の関係です。美味しい料理を食べたら、もっと美味しい料理が食べたい、また、食べたいと思考するのが人の脳なのです。ところが、食事に快感がないと、料理に美味しさよりも、量の満足感を望のです。これらが味覚障害や味覚音痴に繋がるということを私から提言致します。
五感プロデュース研究所、研究員、荒木行彦、