こんにちは、ちえママです。

 

昨日はお店で寒気がして

これは怖い!

本格的な風邪にならないようにしたい。

今日は一日

温かくして部屋で過ごすことにする。

 

 

中沢氏のライフワークをまとめた『生命誕生』。

現代新書創刊50周年のメモリヤルイヤーの目玉作の1冊。

人生観、世界観が変わるかもしれない。.

 

生命誕生9 最終章

 

──本書の巻頭には、「地球軽元素進化系統樹」というポスターがついています。これ1枚で本書の内容が瞬時でわかる優れた概念図ですね。これについてポイントを説明していただけないでしょうか?

 

 

 

 

 

中沢:コスト上昇で嫌われるところを、カラーの図版をつけて頂いて、著者としては感謝です。

広く知られている生物進化系統樹は、仮想の“究極の祖先"から始まる生物だけの、根のない系統樹です。

しかも、バクテリアの世界にあった“細胞内共生"や“連続共生"による進化の経路は表現できていません。

本書の「地球軽元素進化系統樹は、生命誕生にいたる「分子進化」と、その後の「生物進化」を一つの系統樹で表現しています。

分子進化の機構は結合・融合ですから、細い根が融合して生命誕生にいたる系統樹の根の部分に相当します。

生物進化は反対に、幹から枝葉に分かれて多様化します。そして、分子進化は固体地球の諸事件によって自然選択された結果ですから

本図では、分子が自然選択された「地球史上の事件」、それによる「環境圧力」および「自然選択された有機分子」が書き込まれています。

見慣れた生物進化系統樹とは異なりますが、分子からヒトまで、進化の概要を読み取って頂けるものと思います。

 

──生命起源の研究は今後どのように進んでいくと考えていますか?

 

中沢:これまで生命の起源は、生物有機分子やその高分子が、どんなメカニズムで非生物的に合成することができるか、が有機化学を中心に研究されてきました。

「太古の海は生命の母」の一般的常識がありましたので、ほとんどは水溶液反応でした。

しかし、生命の発生と進化は地球が熱を放出することで生ずるさまざまな地球の変化の、有機分子版、すなわち軽元素の進化史であることが明らかになりました。

ですから、ダイナミックに流動する地球全体を反応場として、地球史に沿った多段階の化学反応や自己組織化、あるいは自然選択のメカニズムを詳しく解明することで進んで行くでしょう。

地球惑星科学の役割がますます重要になるでしょうね。

有機合成化学はもちろん、自己組織化の超分子化学、ナノテクノロジーや有機・無機複合体の物質科学、そして生命前駆体の段階では人工細胞を研究する医学・分子生物学など、諸分野の成果を総合して進歩するものと予想します。

生命起源はほんとうの総合科学の研究対象です。

──最後に読者に一言。

 

中沢:序文にも書いたことですが、本書は、生命の発生と進化の「壮大なドラマ」を、物理的必然性と全地球、46億年の時空を見渡す21世紀の新しい自然観を踏まえて解き明かした作品です。

生命誕生のシナリオは、普通で当たり前の自然現象の積み重ねであって、それ自体には夢もロマンもありません。

論述の根拠は筆者らの研究結果も含めてすべて、権威ある学術誌や学術書に発表された科学論文です。

読者の聞き知った“常識"の生命起源論とは大きく異なっていて「異説」と映るかも知れません。

しかし、RNAが“あれば"とか火星から来た“かも知れない"という大胆な仮定に基づくものではなく、日常当たり前の物理的必然性と地球史的合理性に基づいて論じますので、読み進めれば読者はむしろ納得されるでしょう。

もちろんすべてがわかった訳ではありませんので、未解明な部分はそのままです。科学は常に前説を覆したり修正して進歩するものですから、本書もまた補強されたり書き替えられたりするはずです。

科学ロマンに挑戦する新たな人たちに伝わることを期待しながら、筆者が今信ずるところを書きました。興味をもっていただければ幸いです。

 

 

 

中沢弘基(なかざわ ひろもと)
1940年長野市生まれ。物質・材料研究機構名誉フェロー。日本地球惑星科学連合フェロー。元東北大学大学院理学研究科教授、元無機材質研究所特別研究官、元日本粘土学会会長。著書:『生命の起源 地球が書いたシナリオ』(新日本出版社、2006年)。主な受賞歴:日本結晶学会賞(一九七八年)、科学技術庁長官賞(1992年)、井上春成賞(1998年)、全国発明表彰発明賞(1999年)、産学官連携功労者表彰経団連会長賞(2006年)。褒章:紫綬褒章(X線導管を用いた走査型X線分析顕微鏡の発明)(2000年)。叙勲:瑞宝中綬章(2011年)

 

 

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