「このお方」のやる事は我々の予想の「斜め上」を行く様だ。
アメリカ・トランプ大統領は「リアルニュース」と称して自身の実績をメディアを通さずに直接発信する事を始めた。トランプに言わせればメディアは「フェイクニュース」で自分の批判ばかりしているので真実は「自身の手で発信」と言うことか。
6日に早速第一弾が発信され、以降週1ペースでニュースを発信していく模様だ。また、キャスターを務める
カイリー・マッキーナニーはトランプ支持で有名な元CNNのコメンテーター、との事だそうだ。
勿論アメリカのメディアはコレを
「トランプに都合の良い事ばかり発信する『プロパガンダ』」
と批判しているが、トランプに言わせればメディアの報道も
「フェイクニュースでトランプ批判ばかりの『プロパガンダ』」
と言う事になるのだろうからその意味ではお互い様、とも言える。
と、当然の成り行きではあるがトランプを持ち上げている。こういう事をするからにはアメリカのメディアも日本のメディア同様、
「トランプの実績を印象操作でウヤムヤにする」
とか、
「『報道しない自由』の濫用」
と言った手口は日常茶飯事なのだろう。また、「アメリカ国民の雇用を守るため」として移民を規制する法案を発表したことやベトナム戦争の功労者らを表彰したことなどを伝えた上で
と、している。日本のメディアも報道してはいるものの、総じて
「トランプに不都合な事実を取り上げていない」
事を挙げて批判的に報じている。
…それはそうだろう。日本のメディアも安倍首相に都合の良い事実は殆ど報道しないし、安倍首相に不利になるような印象操作ばかりしているのが現状だ。トランプのこういうやり方を支持出来る筈もない。
…とは言え、「政権とメディア」の関係を考える上で政権側としては
「一考の価値」
があるのではないだろうか?メディアとしては報道されたニュースについて
「何処をどの様に編集して視聴者にどういう印象を与えるよう意図したのか」
「メディアが『報道したくない』ニュースとは一体『何』で、その理由は何故か」
と言う点は「最も触れられたくない」部分である事に間違いなかろう。その点を政権側が先にオープンにしてしまえばメディアとしてもこれまでの様な「印象操作」はやりづらくなるのではないだろうか?要は
「手品のタネを先に明かしてしまう」
事に等しいのだから。
…勿論話はアメリカだけでなく日本でも同様であろう。偏向報道、印象操作の「最大の被害者」と言える安倍首相がトランプに倣って同様の手段に出ればメディアも「変わらざるを得ない」事になるかも知れない。
「事実」を「客観的に」報道する事は「偏向」ではないし、「メディアへの圧力」にもならない。YouTubeやFacebook等への「投稿」であれば放送法は関係ないし、投稿するニュースやその内容は「投稿者の裁量」の問題にしかならない。と、なればメリットは大きい、と考えられる。しかもマスコミはその殆どが「反安倍」と判りやすいので対策も一律に等しく、手の内も読みやすいだろう。
メディア側にしてもそういう方法が確立されれば「タネの割れた手品」には誰も振り向かなくなる。改善するなら「今のうち」であることは間違いないが、メディアにそれが出来るかどうか?トランプの作戦は意図してかどうかはさておき、「急所を突いていた」のではないかと思えるのである。