専門調査員の立ち位置 | 外務省専門調査員のブログ

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外務省の在外公館専門調査員として共有できる情報をこちらのブログに綴っていきたいと思います。外務省専門職を目指す方もどうぞ!

あけましておめでとうございます。

しばらくぶりの更新となります。

 

平成30年度秋募集の結果も公表されておりました。(リンク

合格者の皆さん,おめでとうございます。赴任準備に向け忙しくされている頃かと察します。

有意義で実り多き専門調査員業務を務められるよう,自分自身の目標を振り返って挑んでください。

そして,あえなく願いが叶わなかった皆さん,失敗は成功の母,チャンスはまだまだあります。

募集追加を含め,次に向けて頑張ってください。

 

今日は専門調査員の立ち位置と題して,在外公館における他業種との関係について簡単に紹介します。

まず,外務省から在外公館への出向者は,総合職,専門職,一般職の3業種に分けられます。

単純に旧Ⅰ種,Ⅱ種,Ⅲ種と呼ぶ人もいます(厳密にいえば専門職は2種ではありません)。

総合職は全体俯瞰型のキャリア,専門職は地域・言語特化型の専門家,一般職は庶務といった感じです。

ここでざっくりといえば,専門調査員は専門職,派遣員は一般職に相当するといえます。

 

ここで,外務省の人事に関する資料を見てみます。

外務省の専門調査員・派遣員に対する現状認識は次のとおりです。

待遇の悪化を反映して専門調査員・派遣員の応募者数は減少傾向にあり,将来的に人材の「質」の低下が懸念されるのみならず,公館によっては既に応募者がないため欠員ポストが生じており,「量」の確保にも支障が生じている。業務量増大と人員不足の状況の中,在外公館における情報収集,情報分析の機能を補強・拡充するため,特定分野で研究実績のある 専門調査員を大使館に配置することは非常に有益であり,また,派遣員は高い語学力 を活かして便宜供与や官房業務,さらに領事窓口業務や広報業務において大きな戦力となっているところ,欠員は大使館にとって大きな業務上の支障となっている。(平成29年9月外務人事審議会録「在勤手当を含む「質」・「量」両面における 外交実施体制の強化に関する勧告」より抜粋(リンク))

つまり,在外公館では人手が不足しており,それを別枠で補おうとするのが専門調査員・派遣員とも言えそうです。専門調査員は書記官(一般の大使館職員)とは切り離された,研究・分析に没頭するポストではないか?とも思えますが,実際には書記官業務を補佐することも多く,業務内容も似通っていたりします。ただそれもそのポストによるのかもしれませんが。いずれにせよ,専門調査員は,自分の専門言語とその地域に関する専門知識を生かして働くという点でも外務省の専門職の方々と立ち位置は似ているということが容易に想像できるかと思います。

 

専門調査員と派遣員は同じく国際交流サービス協会から募集がかけられますが,その募集資格や業務内容から見ても,役割が大きく異なることはわかるかと思います。専門調査員が書記官らと肩を並べて外交業務そのもの(及び側面的補佐)に従事する一方,派遣員は庶務的・事務的作業が業務の中心になるかと思います。

 

以上,専門調査員の立ち位置についてざっくりと説明してみました。

専門調査員業務は,国連JPOや研究者,外務省専門職を目指す方のキャリアアップのワンステップとしても大変役立つものかと思います。専門調査員を目指されている方は,専門調査員のその先のステップをを見据えてキャリアデザインを構築しておけば,専門調査員としての業務をより有意義に過ごせるのではないかと思います。また,専門調査員試験でもそうした展望をしっかりと説明できれば,合格への道がより開けてくるのではないかと思います。