専門調査員の悩み | 外務省専門調査員のブログ

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外務省の在外公館専門調査員として共有できる情報をこちらのブログに綴っていきたいと思います。外務省専門職を目指す方もどうぞ!

こんにちは。

 

秋募集の日程が発表されていましたね。ちょうど今2日が募集締切のようで、第一次試験が10/29(日)、第二次試験が11月27日(月)~12月1日(金)となっているようです。応募者数の如何によっては追加募集されることもあるかもしれませんが、準備にもある程度時間がかかるかと思います。あまり気負いせず、うまく自分の全力を出し切れるよう頑張ってほしいと思います。

 

さて、専門調査員を目指されている方はやはり、専門調査員が普段どんな業務をして、他の館員の方たちと過ごす中でどんな悩みを持っているんだろうというのも気になりますよね。公式発表の中ではなかなか出てこない話題です。今日は私の知り合いの専門調査員仲間から見聞きしたことも含めながら、専門調査員ながらの悩みや、それを皆どううまくマネージしているのかということを綴りたいと思います。

 

1 人間関係

どこで仕事をするにしても、結局はこれに尽きると思います。ましてや、在外での生活はその国に滞在する邦人コミュニティの中で過ごすことになるため、周りの人との関わりが密になることは確かです。

 

仕事においても、館内外問わず、他の多くの方たちとのやり取りが大事になってきます。大使館や総領事館といった公館は特殊な組織でもあるため、仕事やプライベートを問わず、常に襟を正しておく必要があると思います。そんな堅苦しいものでもありませんが、そういった自らを律する気持ちは常に持っておくことが必要かなと思います。

 

業務における人間関係での悩みで一番よく聞くのは、他の同僚たちとの仕事の割り振り。つまり、専門調査員はどこまで業務を請け負うのかということです。館によってもまちまちかと思いますが、基本、在外公館は限られた少人数で仕事をこなしているため、多忙のあまり、猫の手も借りたい!と思うこともしばしばあります。人によっては遅くまで残業したり、それでもうまく回らない時は休日に出てきたりする人もいます。専門調査員はそこまで要求されることはないのが普通かと思いますが、それでもやはり、自分がやれる仕事をスケジューリングしながらうまくマネージしていくことが大切になってきます。逆にどうしても、自分の上司にあたる人からの依頼などが積み上がっていき、精神的にきつくなったり、それによって関係がこじれたりと負の悪循環に陥ってしまうなんて方もいらっしゃるようです。そうならないためにも、やはり、組織の中である程度うまく立ち振る舞っていくことや、なんでも相談できる仲間を1人でも多く作っておくことが得策かなと私は思います。

 

専門調査員は、常に上司がいて、常に仕事が与えられるのではなく、自分の裁量が発揮しながら、自分のやるべきタスクをこなした上で、自分のやりたい研究や業務をプラスアルファでこなしていくことができます。つまり、この専門調査員としての制度を、その後の自分にプラスになるようにうまく使いこなしていけるのがベストかと思います。

 

2 業務

専門調査員がその役割を発揮していくには、やはり、与えられたタスク業務が円滑に遂行していけることが重要になってきます。専門調査員試験でも語学と専門知識とが測られるだけあって、実際の業務においてもそれらの知識や能力が活かせることが求められています。外交官のなかにも総合職や専門職などでその能力の範囲は異なってきますが、専門調査員は専門職の方たちと並んで(もしくはそれ以上に)その地域の専門家としてアドバイスや言語能力が買われる立場にあります。外交官畑でやってきた人たちとは別の視点から、またその現地の人脈などを活用しながら、自分の強みを活かしていけると、組織の中でも重宝されるような感じがします。

 

以上、専門調査員が普段抱えている悩みを取り上げながら、皆がそれにどう対応しているかなどを綴ってみました。具体的な個別のケースは特に取り上げていませんが、いずれにせよ、組織の一員として働くという意味では他の仕事ともそう変わらないのかなとも思いました。ただ、日本の会社などでの社会人経験がないと、会社組織の中での他の人たちとの距離のとり方なんかが取りづらく、人間関係にこじれをきたしてしまうケースなんかもあるかと思います。そこはなんとかうまく乗り越えて、なるべく業務に専念できる良い環境を作っていけるのがベストですね。