専門調査員選抜試験② | 外務省専門調査員のブログ

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前回は専門調査員の選抜試験の一次試験(筆記)について書きました。今回は二次試験である面接試験について、私の受験を例に、他のネット上にある情報などとも照らし合わせながら試験の形式や内容の傾向についてご紹介したいと思います。

 

▼二次試験

二次試験には日本語面接と外国語会話の2つがあります。募集要項では「人物面接15~20分程度・外国語会話10~12 分程度」とあり、どちらが先になるかはわかりません。二次試験の案内に目安時間は掲載されているものの、当日のスケジュールの空き具合でそれが前後することもあります。私の場合もそうでした。日本語面接が先の予定で、外国語会話はその1時間後程の予定でした。しかし実際には外国語会話が先で、それに続いてすぐに日本語面接がありました。どちらも準備は会場に到着するまでに仕上げておく必要がありそうです。

 

【人物面接】

それではまず、日本語面接について。募集要項には「人物面接15〜20分」とありますが、私はざっと15分程度だったかと思います。短いほうでした。時間の長短と合否は関係ないと思います。長ければそれだけ面接官が興味を持ってくれているということだから合格に違いない、という意見をたまに目にしますが、それは単に受験者が話が冗長だけで、面接官は飽き飽きしながら聞いているかもしれないからです。面接官は、多くの受験生の資料の束を目の前に、次から次へとさばいていかなければなりません。そしてその中で、手元に用意された評価表をその面接の間に埋めなければなりません。質問は、それを埋めるだけに用意されているわけです。いかに面接官の期待値に近い、あるいはそれを凌駕するような回答ができるかが、キーとなってきます。

 

脱線しました。試験の形式に戻ります。私の場合、面接官3人、受験者1人でした。面接官は3人とも一般社団法人・国際交流サービス協会の方のように感じられました。事前の説明会や一次試験の時に見かけた方もいたので、おそらく協会の方だと思います。質問内容からしても、その中に外務官僚がいるとは思えませんでした。

 

その日本語面接の質問内容についてですが、募集要項にあるとおり、「人物面接」という言葉そのものでした。専門知識を問うものは一つもなく、人物をみるための質問ばかりでした。その内容は、①志望動機、②専門調査員制度についてどこで知ったか、誰に聞いたか、③(履歴書を見ながら)海外の経験はどうだったか、何を学んだか、④家族や兄弟は何をしていて、関係はどうか、⑤(履歴書の趣味欄を見ながら)どうしてこの趣味を始めようと思ったのか、などでした。

 

私はてっきり、専門知識を問う口頭試問のようなものを想像していたため、どの質問も簡単なものだったために、呆気にとられる気分で、聞かれたことを淡々と答え続けました。後半あたりの家族の話などは軽く冗談を言って面接官の笑いを取れるくらいにリラックスできていました。

 

試験を終えて募集要項を改めて見直して「人物面接」と書いてあることに納得しました。今になって振り返ってみると、最初、鋭い質問に肩がすくんでいただけに、質問の平易さに一気にリラックスでき、こうしてお互いが笑顔になれるくらいの雰囲気を作れたのが功を奏したのかもしれないとも感じられます。あくまでその人を見る「人物面接」であるので、自分がいかに専門調査員に向いているのか(客観的な洞察力、他人との協調性、海外でも支障なく業務に当たれるストレス耐性など)をアピールできれば、面接官も安心して高評価をつけられるかと思います。

 

【外国語会話】

次に外国語会話について。こちらは試験官1人、受験者1人でした。試験官はおそらく語学学校の先生かと思われます。マンツーマンの語学レッスンのような形式で、着席するとまず「あなたの専門も含め、3分間で自己紹介をしてください」と言われました。この3分間というのはあくまでも目安であって、実際には厳密に時間は測っていないようでした(喋りすぎる人がいるから目安を作っているのかもしれません)。そして、残りの時間は、この自己紹介の中で話した内容から派生する質問を中心に、一問一答の形式で答えていく感じでした。

 

試験官は私の話に耳を傾けながら、評価のためのメモを取り続けていました。話していく中で、難しい表現や単語を用いて的確に話せた時などは、それをメモに取っているように見えました。もちろん、話しながら、いかに質問に的確に答えているか、話を論理的に組み立てるか、なども見ているのだと思います。あまり冗長に話しても相手が退屈したり、事件時間を無駄遣いして自分のPRを十分にできなくなってしまうだけです。外国語会話の時間は「10〜12分」ですが、あっという間に過ぎてしまいます。なるべく端的に、明確な答えを示すことが高評価に繋がるのではないかと思います。

 

以上、二次試験の日本語面接と外国語会話について説明してきました。より詳しい内容などは別稿に譲りたいと思います。