まずはリーフレット・2 | 地方選挙を制するためのミニ講座

地方選挙を制するためのミニ講座

勝負の世界には、後悔も情けも同情もない。あるのは結果、それしかない。 (村山聖/将棋棋士)


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選挙ではたくさんの印刷物を使います。

私は選挙そのものを指導することを職業にしていますが、

印刷物を企画制作するプロでもあります。

以前にも「まずはリーフレット」 という題目で記事を上げましたが、

今回はその続きになります。



その前にちょっとだけおさらいをしますが、
リーフレットというのは、言うなれば候補者のカタログですね。
持ち運びのしやすさから、A4三つ折りで作るのが一般的です。
その表紙、まずデザインが目に飛び込み(表紙の候補者の写真と名前)、
裏表紙には性能・スペックが明記され(プロフィール欄・連絡先)、
一枚めくると開発ストーリー(あいさつ文)が書かれており、
全開した中面に汎用性や諸機能(政治信条)が箇条書きされている…。
つまり、候補者のセールスポイントが簡潔にまとめられたもの。
これがリーフレットです。

市区町村の議員選挙で一般的に使われる印刷物の中では、
もっとも情報量の多い、かつ制作に手間がかかる商品でもあります。



選挙までまだ時間がある場合は、候補者と支持者の皆さんで、
じっくりと内容を考え検討し、これをみんなの力で完成させることが即ち
陣営の営業戦略会議であると以前の記事でお話ししましたが、
今回はその内容について、述べたいと思います。



私がリーフレットに求める最大のパフォーマンスは「質感」です。
一部を手渡された時の感じ、持たされた時の感触…。
この時に(これは大切なものだという)重量感が伝わることが、
リーフレットを企画制作する上でもっとも気を遣うところです。



モナカという菓子は持った瞬間、優劣がはっきりと伝わりますよね。
スーパーの袋菓子売り場のそれは、呆気ないくらい軽くて
中身は餡よりも隙間の方が多いくらいですが、
老舗菓子屋の一流品はズシッと重い。
適度に水分を含み、しっとりとした餡の「質感」を感じることができます。



モナカははっきりとわかる例ですが、
CDなんかでも感じたことがないでしょうか。

例えば温泉宿やカラオケスナックで、
酔狂のどさくさに買ってしまった巡業歌手のCD…。
メジャーの歌手のそれとは比べ物にならないくらい「軽い」ですよね。
重さ(目方)は、メジャーのそれもマイナーのそれも変わらないはずですが、
収録されているものの価値がまったく違う。
然るに差が出るわけです。



話をリーフレットに戻しますが、質感を演出するためには、
まずきちっとデザインされていることが、なんだかんだ言って重要です。
表紙と裏表紙をチラチラと見ただけで、
「これはきちっと作ってあるものだな…。」
「(候補者の)魂が吹き込まれたものだ。」と直感させなければなりません。



私の場合、周到にデザインすることはもちろん、
紙も一般的なものより1ランク厚いものを使いますし、
現在取引している印刷屋と信頼が築かれる前までは、
印刷現場に顔を出して、インクの調整にも口出ししていました。
そして何より、CDの場合と同じように、
中身(テキスト)を充実したものにしなければ、
独特の質感は醸し出されません。



さてその中身ですが…。
はっきりと書いてしまいますが、
リーフレットに書かれた政策欄なんて真剣に読んでくれる人は滅多にいません。
調査をしたことも統計を聞いたこともありませんが、
私の感覚で、こんなものを隅々まで熟読する人は1割くらいかな、って感じです。
でもモナカの例のように、
「ビッシリ情報が詰まっているな」という印象を演出しなくてはなりません。
このときに大事なのが、文字の大きさと文字数と配列です。



私の経験談になりますが、
30代の若い候補者とリーフレットを創り上げ、
さてそろそろ校了かというときに、候補者の両親から
「文字数が多すぎるし、小さいのではないか。これでは年寄りは読んでくれない」と、
指摘を受けたことがあります。
ご両親の心配は最もだと思われるでしょうが、
文字を大きくしたところで、読まない人は読みません。
これはお年寄りに限らず、視力が健常な若い人でも同じです。
逆に読む人は、新聞や本を読むのと同様に、ルーペを使ってでも読んでくれます。



普段新聞も本も読まない人、
つまり活字を読む習慣が無い人に照準を合わせると、
中身が薄くというより軽薄になりやすくなります。
いや間違いなく軽薄になります。
その分を気の利いたデザインでカバーできればまだいいですが、
ふつうの印刷屋の仕事は、文字の大きさと文字間行間の調整で余白を埋めるので、
「スカスカ」という印象のものになります。
袋菓子売り場の安いモナカに例えられるものになってしまいます。
実際にそういうものを選挙の現場で見ることはよくあることです。
手間ひま掛けたよくできたものと比較されると、
「人をバカにしているのか」という印象を与えかねません。




リーフレットを車に例えると表紙が外装で、裏表紙が内装です。
そして1枚開いたページに掲載される決意(あいさつ)文がエンジンであり、
政策や人柄の紹介が、その他のパーツになります。
そして「隅々まで読んでくれる人」を例えるならば、車に精通した人です。
車に精通した人がエンジンや性能を評価してくれると、どうなるでしょうか。
言うまでもないですよね。



さらにリーフレットだけではありません。
政策ビラや首長選のマニフェスト等の読み物を企画する際、
普段、新聞や本を読まない人を意識するといいものになりません。
口コミや噂話、特に良いウワサは、高い所から低い所へと伝わります。
そのことを決して忘れないように、
重要な情報はまず高いところに届けるということを実践してください。



くれぐれも「隅々まで読んでくれる人」は1割くらいしかいません。
しかしその1割の人は、口コミの源になる重要な論客です。
ですから、この人たちに訴求できるテキストを書くことが重要であり、
この努力が餡の詰まった「質感」のある重いモナカになるわけです。
あいさつ文も政策も、丁寧かつ正しい日本語で書くことが大事。
「わかりやすく、伝わりやすく」という工夫は、
書く内容のレベルを下げることとは違います。

なので、リーフレットを含む選挙の印刷物の企画は、
「これはきちっと作ってあるものだな…。」と直感させるデザインが最重要で、
「隅々まで読んでくれる人」を対象にテキストを組み立てることです。


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