こんにちは。サキの名作「開いた窓」シリーズ、引き続き楽しんでいただけていますか? 英語学習者の皆さんに、短編小説の原文を少しずつ読み進めながら、語彙や文法のポイントを解説していく企画です。サキの軽やかなユーモアと意外性を味わいつつ、自然に英語力が伸びるよう工夫しています。

これまでのパートのおさらい

パート1では、神経質なフラムトン・ナッテルが田舎のサップルトン家を訪れ、叔母を待つ間に15歳の少女ヴェラと出会いました。ヴェラの妙にしっかりした態度と、フラムトンの内面的な不安が対比され、物語の軽やかなユーモアが感じられました。

 

 

パート2では、会話が本格的に始まり、ヴェラが主導権を握り始めます。フラムトンは姉の紹介状の経緯を話しつつ、部屋の雰囲気に違和感を覚えます。ここで少しずつ緊張感が高まってきましたね。皆さんも、ヴェラの積極性が気になり始めたのではないでしょうか。

 

 

サキ(H.H. Munro)の肖像写真

サキの凛とした肖像。作品の鋭い観察眼が、この表情からも伝わってきます。

パート3: 悲劇の予告と謎の窓

今回はパート3です。ここから物語が大きく動き出します。ヴェラが突然「悲劇」を切り出し、開いた窓の謎に触れ始めます。フラムトンは戸惑いつつも引き込まれ、読者の興味も一気に高まります。原文とふきんとう版翻訳を並べてお届けします。

“Her ① great tragedy happened just three years ago,” said the child; “that would be ② since your sister’s time.”

“Her tragedy?” asked Framton; somehow in this ③ restful country spot tragedies seemed ④ out of place.

“You may wonder why we keep that window ⑤ wide open on an October afternoon,” said the niece, ⑥ indicating a large ⑦ French window that opened on to a lawn.

“It is quite warm ⑧ for the time of the year,” said Framton; “but has that window got anything to do with the tragedy?”
「叔母さんに大きな悲劇があったのよ、ちょうど3年前のこと」少女は言った。「姉さんがここにいた頃よりあとね。」

「悲劇?」フラムトンは聞き返した。どういうわけか、こののどかな田舎の場所で、悲劇なんて場違いな気がした。

「どうして10月の午後にあんなに大きく窓を開けっぱなしにしているのかって不思議に思うかもしれないけど」少女は、芝生に面して開いている大きなフレンチウィンドウを指さしながら言った。

「この時期にしてはかなり暖かいね」フラムトンは言った。「でも、その窓が悲劇と関係あるの?」
エドワード朝の田舎の家、大きなフレンチウィンドウが開いた部屋のイメージ

物語の舞台を思わせる、芝生に面した大きな開いた窓。穏やかなのに、少し不思議な雰囲気が漂います。

翻訳のポイント

ふきんとう版の翻訳では、これまでのパートの雰囲気を引き継ぎ、自然で読みやすい口語にしています。例えば、ヴェラのセリフを「大きな悲劇があったのよ」と少しドラマチックにしたり、「場違いな気がした」でフラムトンの戸惑いを強調しました。原文の軽やかな皮肉を損なわず、皆さんが物語に没入しやすいよう工夫しています。

語彙と文法の解説

このパートの重要な語句や表現をピックアップしました。番号は原文の太字部分と対応しています。高校生レベルの学習者を意識して、簡単な例やヒントを加えました。

great tragedy:大きな悲劇、という意味です。great はここでは重大な、というニュアンスで、少し大げさな響きがあります。ヴェラの作り話の予感をさせる表現です。文法ポイント:名詞句。皆さんも、急に深刻な話題を振られたら驚きますよね。

since your sister’s time:姉さんがいた頃よりあと、という意味です。since はここでは時間的な区切りを示します。文法:前置詞句。that would beは推量の助動詞で、タイミングを計算している感じが出ています。

restful country spot:のどかな田舎の場所、という意味です。restful は休息に適した、安らかな、という形容詞。田舎の静けさを描き、後々の不気味さと対比します。文法:形容詞+名詞の連語。

out of place:場違いな、似つかわしくない、というイディオムです。例:「Your joke was out of place.」(そのジョークは場違いだった)。文法:形容詞句で、seemedの補語。フラムトンの違和感を表しています。

wide open:大きく開けっぱなしに、という意味です。wide が強調で、窓の状態が物語の鍵になります。文法:副詞+形容詞で、keepの目的語を修飾します。

indicating:指さしながら、という現在分詞です。動作を伴う描写で、シーンを生き生きさせます。文法ポイント:現在分詞で、saidを補足します。

French window:フレンチウィンドウ、という意味です。床まで届く大きなガラス戸で、庭に出られるもの。イギリス田舎屋の典型的な特徴です。文法:名詞。opened on to a lawnは「芝生に面して開いている」という表現です。

for the time of the year:この時期にしては、という意味です。季節に対する比較表現です。例:「It's cold for the time of the year.」(この時期にしては寒い)。文法:前置詞句で、quite warmを修飾します。

このパートの学習Tips

このパートは会話が中心で、ヴェラの話術が光り始めます。声に出して読むと、彼女の引き込むリズムが感じられます。新しい語彙は例文を作って覚えましょう。窓の描写が伏線になっているので、次回がますます楽しみになりますよ。

まとめ:次回への期待

パート3はいかがでしたか? ヴェラの「悲劇」の話が始まり、開いた窓の謎が気になり始めてきましたね。サキの物語は、こんなさりげない会話で読者をどんどん引き込み、最後に大きな驚きをくれます。このシリーズを続けていくと、英語の読解力だけでなく、物語を楽しむ感覚も磨かれます。次回のパート4では、悲劇の詳細が明らかになります。お楽しみに!

感想や質問があれば、ぜひコメントしてください。一緒に英語学習を楽しみましょう!