2006年01月17日 19時29分33秒

どうなる?金総書記訪中後

テーマ:国際―アジア

マカオから北朝鮮企業撤退
資金洗浄防止強化で包囲網
金正日総書記訪中の一因か

 北朝鮮の金正日総書記が十日から非公式に訪中し、中国側と懸念問題を協議した。胡錦濤中国国家主席の訪朝からわずか二カ月、前回の訪中から一年九カ月ぶりという異例の緊急訪中には米国の金融制裁により、マカオでのマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑が北朝鮮本国への資金ルートに大打撃を与えたためとの見方が出ている。(香港・深川耕治)


 マカオで事実上の北朝鮮公館や情報機関の役割を果たしてきた朝光貿易公司が昨年十二月までに事務所を撤収し、隣接する中国広東省珠海市に移転した。


 昨年九月、米財務省が朝光貿易の主取引銀行であるバンコ・デルタ・アジア(匯業銀行)を偽札、麻薬、偽たばこで集めた資金のマネーロンダリング先と名指しで公表し、同行は対北朝鮮取引を中断。マカオ政府は経営管理人を派遣し、同行は一時的に政府の管理下に入った。


 マカオ―平壌間は北朝鮮の高麗航空による不定期路線があり、匯業銀行にある朝光貿易の口座は東南アジアでの北朝鮮の重要な資金ルートとなっていた。香港駐在の北朝鮮領事館が二〇〇〇年二月に開設されて以降は、マカオが一九九九年末に中国返還されたこともあり、カジノ産業で繁栄する一国二制度下の利点を生かし、目立たない状況下で活動を持続。だが、一連の騒動で過去の偽ドル札事件が再び浮き彫りになり、米政府が同行をブラックリスト扱いにしている理由として再び疑念が深まった。


 偽ドル札事件とは九四年六月、朝光貿易が匯業銀行を通じて偽造紙幣二十五万㌦を預金しようとして朝貢貿易に勤務する北朝鮮人やマカオ人らを偽造米貨所持容疑で摘発した事件のことだ。摘発時、朝光貿易の事務所からも超精密な偽造百㌦紙幣が発見されていた。


 偽ドル札預金時、匯業銀行側が見抜いてマカオ警察に通報したのが摘発につながったとされるが、その後も、匯業銀行には北朝鮮関連の口座は残り、「(北朝鮮との取引は)銀行収益の2、3%に相当する」(匯業銀行を統括する区宗傑・マカオ匯業財経グループ主席)としているが、詳細は業務介入したマカオ当局や中国政府が把握していることになる。


 マカオでは昨年十月以降、マネーロンダリングが発覚した場合、刑事罰を重くし、監視体制を強化。中国でも監視範囲を拡大し、「血の友誼(ゆうぎ)」を結んだ中朝間といえども監視が厳しくて従来の送金活動が困難になってきた。中国当局も同事件の真相を本格的に調査しており、北朝鮮のマカオでの送金状況について新たな事実関係を詳細につかんだ可能性も高い。


 マカオでは一九七〇年代から北朝鮮との商取引が始まり、全盛期は二十数社の北朝鮮系企業が駐在したが、同事件で数社しかマカオに残れない状況に追い込まれた。中国側も地方政府幹部がマカオで公金を流用してカジノに注ぎ込む事件などが発覚し、国内でのマネーロンダリング監視強化を拡大。国民に不満がくすぶる官僚汚職を一掃する政府の姿勢を誇示するためにも、従来から存在する地下銀行の摘発も含め、北朝鮮の不透明な中国での資金ルートにもメスが入る環境が整備されつつある。


 韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮は米国の金融制裁でマカオの銀行との取引は困難と判断、取引銀行をオーストリアなどにシフトして急場をしのいでいるという。朝光貿易が珠海に移転しても、マカオ駐在時代よりも規制が厳しく、金正日総書記としては何とか中国指導部と直接協議して打開策を探りたいのではないかとみられている。


★ この記事は参考になった!という方、ご協力お願いします。 ⇒ 人気Blogランキング



ダメな日本を建て直せ
日本再建のための新聞だ
世界日報・電子新聞
AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)
2005年12月27日 14時58分07秒

中国―地方官僚の腐敗の実態とは?発電所建設をめぐる住民と警察の衝突事件

テーマ:国際―アジア

土地徴用めぐる住民闘争続く―中国
元凶は地方官僚の腐敗

 中国広東省汕尾(さんび)市で六日発生した発電所建設をめぐる住民と警察の衝突事件は村民に多数の死傷者が出たことで国際的にも政府による弾圧事件として注目を集めている。今回のような土地徴用をめぐる地方政府と住民の確執は地方官僚の不正・腐敗構造が元凶で氷山の一角とみられており、中国全土に巣くう深刻な難題だ。(香港・深川耕治)

 中国では電力供給不足に伴い、広東省では二〇二〇年までに新たに三基(陽江、韶関、汕尾)の原子力発電所の建設が計画され、汕尾市東洲村にも風力発電所の建設が予定されていた。発電所建設をめぐり、地元村民と武装警察隊が衝突して死傷者を出した同事件では建設計画が出されて以降、一貫して反対していた地元住民が、発電所建設用地として徴用された土地の補償額が少なすぎると反発し、折り合いがつかず紛糾。


 未解決のまま、地元政府によって強制着工しようとしたことに、住民側が徹底阻止しようとして武装警察隊とにらみ合いとなり、住民らが武装警官の銃撃で死傷した。

 衝突での死傷者数は広東省政府の情報では死者三人、重軽傷者八人だが、香港誌「亜洲週刊」(十二月二十五日号)が現地村民の話として伝える情報では、少なくとも死者十四人、重軽傷者五十人超となっている。


 建設予定の大型風力発電所は広東省の十大建設プロジェクトの一つで七億㌦を投じて汕尾市中心部から南へ二十㌔に位置する東洲村(人口一万人)に建設する計画。建設予定地は村民の耕作地、山地、湖のエリアで約四千人の農民が地元政府による強制的な土地買収によって「失地農民」になってしまう計算だ。


 村民らの主張では、少なくとも二億元(一元=十四円)の耕地補償費が村民に支払われず、地元政府の官僚らが着服・横領しており、発電所建設以外にも発電所職員用宿舎の建設投資費三千九百三十六万元についても、土地を提供した村民への利益還元が必要でありながら補償費として支給されないままだという。


 村民らは代表を立てて昨年から地元政府幹部に不公正を直訴し続けたが無回答。今年六月以降は建設予定地に竹のバリケードを張り巡らし、毎日、監視して建設開始を阻止してきた。十二月六日午後、武装警察隊を含む警官約五百人が建設予定地に強制的に乗り込み、阻止しようとした村民三人を逮捕。七十代の老人を含む十数人の村民を殴打した。その後も、約千人に増員された武装警察隊と村民らはにらみ合いを続け、武装警察隊は催涙弾を投げ込んだり、約三時間にわたって自動小銃を乱射し続け、村民十四人以上が死亡、五十人以上が重軽傷を負った。


 海外メディアから「天安門事件以降、初めて武装警察が国民に銃口を向け、大量銃殺した事件」と非難されたこともあり、現場の武装警察隊を指揮していた公安副局長が検察当局に拘束され、政府は現場への出入り規制を強化し、報道を封殺するため火消しに必死。だが、天安門事件の再評価を求める知識人らがネット上で抗議活動を行い、公民権の徹底調査を求めている。


 農村部の土地徴用をめぐる村民と地元政府の補償費をめぐる衝突事件は、地元政府官僚が土地買収費の着服・横領が主要因で、官僚腐敗は深刻。汕尾での事件は海外メディアにまで報道された氷山の一角にすぎない。地方住民による同様の抗争事件は〇三年で五万八千件、〇四年で七万四千件と年々増加しており、〇四年七月に発生した河南省鄭州市師家河村の流血事件、〇五年には安徽省池州の大規模騒乱事件、広東省広州市番禺区太石村の役人罷免による衝突事件など続発し続けている

★ この記事は、参考になった!という方、ご協力お願いします。 ⇒ 人気Blogランキング


★世界日報は10日間の試読ができます。まずはお試しにどうぞ。


日本の良識派が読む新聞
随時受付!世界日報10日間試読できるよ!

年末特別企画!世界日報・電子新聞
新規申し込みで
年越しそばをゲットしよう!
AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)
2005年10月04日 14時30分13秒

最高指導部にも韓流ブーム―中国

テーマ:国際―アジア


「大長今」が高視聴率


 韓国のテレビドラマ「チャングムの誓い(中国語題・大長今)」が日本、香港、台湾だけでなく中国でも放映され、韓流ブームが新たに広がり始めている。中国の胡錦濤国家主席や呉邦国全国人民代表大会常務委員長も熱心に視聴しており、最高指導部から庶民までチャングムの魅力に取りつかれている。(香港・深川耕治)


 「大長今」は九月初め、湖南テレビで放映開始以来、視聴率は放映回数が増えるに伴い、着実に上昇。中国国民の約14%に当たる一億八千万人が視聴した。同ドラマの放映権は三千五百万元(一元=十四円)で湖南テレビが中国中央テレビを抑えて獲得。放送開始以降、上海や湖南省などの女性は整形外科へ出向き、「ヒロイン役の李英愛(イ・ヨンエ)そっくりにしてほしい」との要望が急増しているという。


 韓国紙「朝鮮日報」によると、胡錦濤国家主席は九月二十三日、北京で韓国与党・開かれたウリ党の文喜相(ムン・ヒサン)議長と会談した際、ドラマ「大長今」を楽しみに視聴していることを伝え、「非常に多忙なので毎回見ることはできないのが残念」とも述べ、「大長今」ファンであることを明らかにしたという。


 また、呉邦国全人代委員長も非公式に「妻が毎回韓国ドラマを見ているので、私も一緒に見ないわけにはいかない。最近見ている『大長今』は非常に面白い」と述べており、やはり大長今ファン。


 湖南テレビは毎回、ドラマ「大長今」の放映権を一回当たり一万㌦で買い上げ、九月一日の放送開始後、視聴率は既に14%を突破。最近は中国内で夫が妻の視聴を阻止して妻の投身自殺未遂事件まで発生する熱狂ぶりだ。


 中国共産主義青年団の機関紙「中国青年報」は「中国人は誰も大長今が大好き。ロマンチックな人間関係とラブストーリー、意志堅固な理想への努力や美食など、中国人の自己理想を大長今に見いだしている」と高評価。


 湖南テレビで放映開始以来、同CM広告費は十五秒間当たりで五万元に上り、すでに四千万元の広告費を獲得。さらに広告費は上昇している。湖南テレビでは十一月初め、ヒロイン役の李英愛さんの訪中を招請し、主題歌の共同演歌会などを計画。「大長今」は中国での韓流ブームの新たな火付け役になりそうだ。

★ この記事は面白かった!という方、ご協力お願いします。 → 人気Blogランキング


試しに読んでみない?↓↓


AD
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2005年07月28日 15時31分15秒

鳥の次は豚?-中国・四川省豚連鎖球菌の人感染が脅威

テーマ:国際―アジア

豚の連鎖球菌が人に感染―中国四川省

家畜業者を襲う奇病
自家製ワクチン乱用で感染助長か
貧農の衛生管理 行き届かず

 中国四川省資陽市周辺で豚の連鎖球菌が人に感染して発病したとされる奇病が養豚農家の間で広がり、死者や重体を含む感染者数がじわじわと増えて深刻化している。発病者はいずれも病気を患った豚を処分する際、直接、豚と接触しており、地方農村の家畜飼育や食肉処理に関する衛生管理の不備が浮き彫りになった。新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)騒ぎと同様、中国人特有の食用動物に対する扱い方が、貧農問題とも重なり、国境を超える「食」のリスクを改めて問い直している。

(香港・深川耕治)


 豚の連鎖球菌が人に感染して発病したのは、病死した豚・羊の処理や原因不明の病気を患った豚と接したり、豚肉を扱った低所得層の農夫らだ。四川省の省都・成都市から南東約五十㌔に位置する四川省資陽市や隣接する内江市周辺の農村で、六月末以降、次々と発生し、嘔吐(おうと)や発熱、皮下出血によるショック状態から死亡するケースもあり、原因不明の奇病として二十三日以降、香港メディアで一斉に報じられ始めた。


 当初、四川省衛生庁は死者十七人、重体十二人を含む五十八人が原因不明の疾病に感染したと公表。「感染が広がる気配はない」としていたが、中国衛生省は二十六日正午(日本時間同午後一時)現在、死者が二十四人、感染者数は疑い例を含めて百十七人に達したことを明らかにし、事態が深刻化していることを示唆した。


 香港で同問題が大きく報じられているのは、資陽市最大の冷凍肉販売会社が冷凍豚肉を香港に輸出しており、SARS同様、飛沫(ひまつ)感染の可能性があれば深刻な事態に発展しかねないと憂慮したためだ。


 すでに香港の大手スーパー、パークンショップ(百佳)やウェルカム(恵康)では四川省産冷凍豚肉の輸入販売一時停止に踏み切り、中国当局も後手ながら資陽市や内江市の輸出用豚肉の輸出一時停止措置を取った。香港政府は、同問題を注視しつつも、豚肉の総売り上げ激減を憂慮し、四川省産の豚肉輸入禁止措置は行っていない。


 原因不明の疾病に頭を抱えていた四川省政府は、専門家チームを現地で派遣して原因を究明。衛生省と農業省は二十五日、原因不明の奇病を豚の連鎖球菌に人が感染したために発病したとする調査結果を発表した。病気にかかった豚を処理したり、生の豚肉を扱った農民が発病していることから、家畜の飼育方法や食肉処理の衛生管理に不備があったことが徐々に浮き彫りになってきた。


 この豚の連鎖球菌は、正確には家畜伝染病の病原体の一つ、ストレプトコッカス・スイスⅡ型。死亡率は10―50%で毒性が強いが、人と人の感染はないとされる。香港衛生防護センターによると、昨年五月から今年七月までに香港人九人が豚や豚肉を扱って豚の連鎖球菌に感染し、そのうち一人が死亡。治癒しても合併症を併発したり、聴力を失うなどの後遺症に悩まされるケースも多い。


 四川省当局によると、同省内の四十三の郷鎮のうち七十三の村で飼育した豚四百六十九匹が何らかの病気を引き起こして発病しており、世界保健機関(WHO)は「豚の連鎖球菌による感染例としては、史上最大規模」と警告。ただ、二〇〇二年のSARS騒ぎに比べて中国政府の対応が迅速であることをWHOは評価している。


 香港の養豚業者らは中国農村部で飼育された豚について「輸出用を含め、低コストを優先するあまり、豚に安価な自家製ワクチンを乱用投与することで病死する豚の割合が15%前後まで増えた。その影響で他の健康な豚の死亡率も高まり、いったん、伝染病が発生すると手の付けようがなくなる」と指摘する。


 中国産豚肉は他国の価格より安いことで国際競争力を付けようとしてきたが、飼育する豚の飼料に問題があったり、伝染病防止のためのワクチンを安い自家製で投与するなど、養豚業者だけでなく、消費者側のリスクも高い。


 食肉を含め、国内農産物は外国産に比べて国際競争力が劣るため、低コスト最優先の弊害として違法な農薬問題、飼料問題を引き起こして「食」を脅かしていることは国内メディアも頻繁に取り上げて警告している。人民元の切り上げ決定も国際競争力がない低所得層の地方農民には不利に働き、貧農の苦しい台所事情から見れば、衛生管理を度外視しても安価な農産物を出荷しようとの心理が一層強く働きかねない状況だ。


 華僑向け通信社・中国新聞社の二十四日電によると、広東省広州市郊外にある天鹿湖森林公園では高温が続く今月下旬、白鷺(しらさぎ)三百羽以上が突然死亡。近くの地元住民は死因不明の白鷺を自宅に持ち帰り、煮たり、焼いたりして食べたが、広州市政府は白鷺の死因調査すら行っていない。地元農民にはこれらの白鷺を市場に売りさばこうとの動きがあったという。


 SARSの原因であるコロナウイルスは香港や広東省の専門家らの調査では、ジャコウネコ科のハクビシンから人に感染した疑いが強いとの説が有力になっているにもかかわらず、広東省ではハクビシンなど野生動物を食用に捕獲・販売し、「野味(野生動物の美味)」料理として専門店で出している。


 SARS騒ぎでは、一時的に広東省当局が流通販売を全面禁止したが、ここ数年は完全復活しており、死因不明の動物でも平気で調理したり、食する中国人特有の衛生管理欠如は伝染病発生を潜在的に温存させる要因となっている。


 国内総生産(GDP)伸び率が毎年8―9%前後の中国は沿海部の大都市を中心に富裕層が増え続け、内陸部の農村低所得層との格差は広がる一方だ。地方政府官僚と不動産業者が結託して農民の土地を違法転売し、失地農民が暴動を起こすケースが頻発。胡錦濤政権の目指す三農(農業振興、農村経済成長、農民所得増・負担減)問題の解決には程遠い現実が横たわる。


 四川省の奇病発生は、貧富の格差で苦しめられる貧農の難題を改めて浮き彫りにしたもので、氷山の一角にすぎない。第二、第三の奇病発生は貧農問題や衛生管理の根本解決なしには引き続き起こり得る中国特有の深刻な問題だ。


★ この記事は、参考になった!という方、ご協力お願いします。 ⇒ 人気Blogランキング

★ 世界日報は、国際記事満載の総合日刊紙!只今10日間の試読受付中!

  ⇒世界日報試読受付センター

いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)
2005年07月22日 15時19分25秒

人民元切り上げを予測?オーストリアの中国経済専門家

テーマ:国際―アジア

WIIWの中国経済専門家、バルトラウツ・ウルバン氏に聞く
経済成長にスローダウンの兆し
税改革の行方見守る外資
中国リスク-社会の不安定化/疫病の集団発生


 今年上半期の中国の貿易黒字額が三百九十六億㌦と前年度同期比で約八十億㌦増加したことが判明、対中貿易で巨額の赤字を抱える欧米諸国から市場開放を求める声や人民元の対米ドルへのペッグ制の変更要求が強まってきた。そこで旧東欧共産圏経済の分析で世界的に有名なウィーン国際比較経済研究所(WIIW)の中国経済専門家のバルトラウツ・ウルバン氏に欧州から見た中国経済の見通し、課題などについて聞いた。

(聞き手=ウィーン・小川 敏)


――中国経済の本年度経済成長率をどの程度と予測しているのか。


 今年第一・四半期の国内総生産(GDP)の伸び率は9・4%と前年度同期の9・8%より微減したが、通年では8・5%と予測している。対外貿易や国内消費は依然、好調だが、経済成長のテンポはわずかだがスローダウンの兆候が見られる。その主要な理由としては、①世界経済の景気が予想に反して依然伸び悩んでいる②中国政府が景気の引き締めのため投資を抑えている③原油価格の高騰――などが挙げられる。それらの影響は下半期に入って出てくるだろう。しかし、中国経済の予測には不確性が常に含まれている。実際、二、三の自動車関連分野で五月、六月、生産性が伸びているからだ。



 ――今年上半期の中国貿易黒字額は三百九十六億㌦と前年同期比で約八十億㌦増加している。対中貿易で大きな赤字を抱える欧米諸国から中国通貨人民元に対する切り上げ要求がさらに強まるのではないか。


 長期的観点からいえば、為替制度の柔軟な政策は不可欠だ。中国政府もその点は認識しているが、急速な変更には難色を示している。経済的観点からいえば、まず資本取引の自由化、資本の流出入の市場経済の枠組み構築が必要だ。その後に通貨を市場に委ねることができるからだ。資本の流出入が管理されている限り、市場原理に基づいた通貨制とはいえない。だから、中国政府は通貨を操作しているのではないか、といった議論が出てくるわけだ。中国銀行の自由化は世界貿易機関(WTO)との協定に基づき、来年度から始まる。銀行の競争力がついた後、人民元の対米ドルへのペッグ制を市場の判定に委ねるフロート制に変更することになるが、その移行プロセスは二年から三年の時間が必要となろう。



 ――外国直接投資(FDI)はどうか。


 本年度のFDIは昨年度より微減、約五百五十億㌦と予測している。計画投資の伸びは依然プラスだが、その伸びは小さい。その理由は、外国の大企業が既に中国市場に進出済みであり、国際企業の大投資はあまり期待できないからだ。しかし、長期的観点からいえば、問題がない。なぜならば、新しい分野の投資が生まれてくるからだ。例えば、サービス業だ。これまではサービス業分野への投資は活発ではなかった。保険業界への投資も過去、成功していない。保険会社は中国市場の実情を過小評価していたからだ。外国企業は今日、投資に慎重となってきた面がある。税改革への不確かさがあるからだ。中国は遅くとも二〇〇七年までに国内企業と外国企業の税体系を均衡化する計画だ。外国投資家は税改革の行方を慎重に見守っている段階だろう。



 ――日本政府が発表した通商白書では中国への投資リスクが高まったと指摘している。


 世界の企業は中国市場に殺到している。その結果、中国企業間だけの競争だけではなく、中国に進出した外国企業間の競争も強まってきた。例えば、携帯電話企業だ。ノキアや他の企業は生き残るために価格の過当競争化に置かれる。中国のインフレ率は約3%だが、その詳細な動向を分析すると、価格が上昇したのは主に食料品だ。工業製品価格はむしろ低下している。工業品は過剰生産だ。これは外国投資にとってマイナスだ。また、貿易紛争がある。例えば、イタリアの衣服メーカーが中国で合弁工場を建設、その後、対中貿易制限が決定されたならばどうなるか。イタリア企業はその製品を売れなくなる。二、三の外国企業が将来のリスクを考えて中国に一つの工場だけを建て、他の工場をインドや他の国に建設したという話を聞いたことがある。



 ――中国では反日デモが多発、それを受け、日本企業の中国投資を控える動きも出てきている。欧州連合(EU)が中国の人権問題を厳しく追及すれば、中国からの反発も予想される。中国での潜在的政治リスクをどうみているか。


 私は中国には二つの大きなリスクがあると見ている。一つは社会問題が社会の安定を脅かす場合だ。もう一つは世界保健機関(WHO)が強調している点だが、新型肺炎(SARS)の再来、鳥インフルエンザが大規模に発生した場合だ。人口過密の中国で起きた場合、カタストロフィーだ。中国当局は反体制派運動を厳重に監視しているから、反政府運動、野党勢力の活動といった政治リスクは目下、あまり大きくない。むしろ、先述したような社会リスクの方が現実的だ。



 ――知的財産権の侵害や偽造製品の拡大も投資リスクではないか。


 その通りだ。欧米企業が最先端技術を中国に移転させない理由の一つだ。移転する技術をあくまで中級の技術にとどめるわけだ。半導体メーカーのAT&Sは上海工場で生産を始めたが、デザインはオーストリアで行っている。知的財産権の保護の一環だ。興味を引く点は、中国の大手企業がここにきて知的財産権の保護を政府に要求するといった新しい状況が生まれてきていることだ。それらの大手は世界市場に進出するためには技術開発をしなければならないことを熟知している。そのため、研究開発分野に投資するが、技術開発した製品が国内のライバル企業に偽造されればたまったものではないからだ。いずれにしても、中国が知的財産権を完全に順守するまでにはもう少し時間がかかる。



 ――東欧諸国は冷戦時代、経済改革だけでは持続的な経済発展は期待できないという教訓を得て、最終的に民主改革へと移行していった経緯がある。中国は依然、共産党一党独裁政権だが、中国経済が持続発展するためには政治改革は避けられないのではないか。


 欧州諸国とアジア諸国ではメンタリティーに少々相違がある。アジア諸国でも独裁制や軍事政権から平和裏に民主政権に移行した例が少なくない。だから、中国の場合でも大きな政変が生じなくても徐々に民主政権に移行できる可能性があると考える。民間企業家が中国共産党や全国人民代表大会に入るなどは十年前では考えられなかったことではないか。ただし、政治家の汚職や腐敗は目下、中間指導層や地方指導者に限定されているが、腐敗問題が中国共産党のトップに及んだ場合、中国の体制は大きく揺れ動く危険性がある。



 ――最後に、中国経済を取り巻く社会問題について聞きたい。


 まず、①環境問題がある。単にグローバルな視点からだけではなく、中国の国民経済の発展にかかわる。水不足が恒常的で、至る所が汚染されている。土壌の汚染はひどい。人間だけではなく、農業生産物に大きな影響がある。②資源の浪費だ。政府は鉄鋼、アルミニウムなど高エネルギー消費製品の輸出を制限しだした。産業各分野で省エネルギー、エネルギー消費の効率化などが叫ばれだされてきた。③地方と都市部の経済格差問題だ。昨年と今年に入り、初めて農村部の所得の伸びが都市部を超え、格差が少し縮小した。なぜならば、収穫が良かった上、農業品の価格が上昇したからだ。農村部には約六億から七億人が住んでいる。この問題は深刻だ。④社会の高齢化問題だ。インドやブラジルなど開発途上国は一般的に若年層が支配的だが、中国の場合、一人っ子政策の結果と医療の発展の結果、高齢者が急増してきた。


【ウルバン氏 略歴】

 WIIWでは1995年から中国経済の分析を開始。そのパイオニアとして選ばれた。その前までは「オーストリア国際政治研究所」に勤務していたため、政治分野にも明るい。年に1、2回、中国を訪問、実地視察を重ねてきた。欧州の中国経済エキスパートとして注目されている。


★ この記事は参考になった!という方、ご協力お願いします。 ⇒ 人気Blogランキング


★ 国際ニュース豊富な世界日報!只今10日間の試読受付中!⇒ 世日試読受付センター

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2005年07月21日 18時49分31秒

どうなる?中国の軍事力増強の行き先

テーマ:国際―アジア

台湾対岸にミサイル最大730基―米国防総省報告

軍事バランス、中国有利に

 【ワシントン19日早川俊行】米国防総省は十九日、「二〇〇五年版中国の軍事力に関する年次報告書」を公表した。報告書は、現在の軍拡ペースが今後も続けば、中国は「地域の確実な脅威になる」と警告するなど、米政府や議会内で強まる「対中警戒感」を色濃く反映したものになっている。

 中国は短期的には台湾の独立阻止に重点を置いており、台湾対岸に短距離弾道ミサイル六百五十―七百三十基を配備していると指摘。年間百基程度ミサイルの数を増やしているほか、射程距離や精度の向上も進めているとしている。


 こうした急速な軍拡や持続的な経済発展によって、「台湾海峡の軍事バランスは中国側に傾いている」と警鐘を鳴らしている。


 報告書はさらに、中国軍近代化の狙いは「台湾の向こうにある」と強調。台湾を支配下に置くことによって、海軍の防衛ラインを広げ、影響力の拡大を目指していると分析している。


 一方、不透明さが指摘されている中国の国防費に関しては、ロシアからの装備購入費など表に出ていない支出を加えると、実際の国防費は公表額の二―三倍、最大九百億㌦(約十兆円)に達すると推計。中国の国防費は「米国、ロシアに次いで世界第三位、アジアでは最大」としている。


 報告書はまた、近年著しく向上した中国軍の能力や装備を個条書きで列記しており、弾道ミサイルについては、今後数年以内に移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「東風(DF)31号」と「東風31号A」、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「巨浪(JL)2号」を配備する見通しを示した。報告書の地図では、フロリダ州を除いて米本土全体が「東風31号A」の射程範囲に入っている。



★ この記事は、参考になった!という方、ご協力お願いします。 ⇒ 人気Blogランキング


★ 世界日報では10日間の試読受付中! ⇒ 世界日報試読受付センター

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2005年06月30日 16時57分24秒

香港・返還記念日に同性愛者がデモ

テーマ:国際―アジア

同性愛の権利拡大 是か非か/返還8周年で揺れる香港
同性婚合法化へ意気込む-同性愛団体/民主派分裂-今年のデモは大幅縮小に

ジレンマに陥る中国共産党

 七月一日、香港は英国領から中国に返還されて八周年を迎える。二〇〇三年と〇四年の返還記念日には五十万人を超える市民が民主化デモに参加。だが今年は景気が上昇し、新行政長官に高支持率の曽蔭権(ドナルド・ツァン)氏が就任したことで、デモのテーマが不鮮明となった。その中で同性愛団体が今回もデモ参加を表明。同性愛に反対する各宗教団体は猛反発している。(香港・深川耕治)


 英領だった香港は中国返還前までは同性愛行為を違法として厳しく処罰していた。一九九六年から同性愛を「差別問題」として調査する機関が発足。返還後の現行法では二十一歳以上の同性愛行為は違法とされないが、戸籍上の同性婚は一切認められていない。


 同性愛の権利拡大を狙う香港の同性愛者らは二〇〇二年、同性愛者の男性同士、女性同士のカップル各一組が互いに相手を交換して結婚式を挙げ、異性同士の夫婦にしか認められていない公共住宅の入居資格を偽って取得した。同性同士で生活し始めたため、当局は、最終的に偽装婚姻手続きだったとして公共住宅の入居資格を剥奪(はくだつ)した。


 偽装工作に関与したのは、香港の急進的な同性愛者団体「彩虹行動」。七月一日の民主化デモに〇三年以降、毎年参加。今年も民主化要求とは別に「同性婚を認める立法制定を目指して訴え掛ける」としている。


 彩虹行動は〇一年八月、香港中区警察署前で同性愛の権利を主張する抗議行動を行った。同署内に侵入して公務執行妨害で罰金刑に処せられた。〇二年五月、同性愛者の献血を拒否したことを不服とし、香港赤十字会が主催した献血活動で抗議活動を展開、保安要員ともみ合いになった。さらには、同性婚に反対する香港カトリック教区の広報紙評論に猛反発し、〇三年八月、同教区礼拝堂に乱入。礼拝堂内で同性愛者同士がキスをして抗議した。


 海外では、同性愛者を「性的少数者」と解釈し、オランダ、ベルギー、カナダなどで同性婚を認めたり、男女間の婚姻と同等の権利を与えるドメスティック・パートナーシップ法や登録パートナー法がフランス、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、米国の一部の州などで制定されている。養子縁組まで認める同法制定に対し、欧米の保守的なキリスト教団体などが強く抗議し、米国では同性婚を禁止する州も出てきている。


 今年に入り、香港政府は、国際的な同性愛者の権利拡大の趨勢(すうせい)と同性愛組織の再三の催促を受け、性的志向による差別を禁止する「性傾向岐視条例(SODO)」の制定準備に入った。今年末までに意見聴取を行い、過半数が同条例案の立法化を支持した場合、同性婚や同性愛者の差別禁止を認めるSODOの立法化を本格的に進める構えだ。


 この動きに対し、キリスト教団体は、SODO制定は「民主化に逆行、家庭崩壊を助長する」と猛反発している。毎年、デモに参加していた民間団体「香港教会刷新運動」の志偉牧事務総長は「今年のテーマと運動イメージのままでは参加できない」と語る。香港人のモラル維持を求めるキリスト教系民間団体「明光社」の蔡志強事務総長も「参加者が誤解されるだけだ」としてデモ参加の取りやめを表明した。


 複数の同性愛団体は七月一日の民主化デモに毎年参加しており、今回が三回目。「デモはどんな団体でも参加できるはず。同性愛者の人権を認めない人がいるならば、われわれは反対の旗を高く掲げる」(同志連席の邵国華広報官)と主張している。


 同性愛者の法的な権利拡大に警鐘を鳴らす民間団体「維護家庭連盟」は、同性愛者の法的権利拡大に反対する一万人余の署名と二万人余の上申書を民政事務局に提出。香港紙「明報」にも同内容を全面意見広告の形で掲載し、同性愛団体の活動と真っ向から対立している。


 一方で、民間団体の青年公社、青年連合社、キリスト教学生運動などの青年組織は今年のデモへの参加を表明。今年は若年層の主張が前面に出てくるような様相だ。


 動向が注目されるのは香港カトリック教区。新行政長官の曽蔭権氏夫妻は篤信なカトリック信徒であり、同教区に所属する。曽氏は「(民主化)デモ参加の権利を誰もが有する」と寛容さを強調。同教区代表の陳日君司教も同性愛に否定的な見方ながら「デモ前の祈祷会は続ける」としている。


 七月一日の民主化デモを主催する民主派団体「民間人権陣線」招集人の荘耀洸氏は「デモに社会的弱者の組織が出てくるのは、人権と平等の情報を強調するためだ。(同性愛団体がデモに参加しても)今年のテーマに大きな影響を受けない」と話す。民主派勢力の大連合を目的として結成された民間人権陣線としては、同性愛問題だけで事を荒立てたくないのが本音。しかし、分裂を想定し警察当局に届けるデモ参加予定者数を、昨年までの十分の一に満たない五万人とした。


 民主派勢力の分裂機運に危機感を抱く民間人権陣線は七月一日、デモのスタート地点となる香港島ビクトリア公園で、デモ参加者による模擬住民投票を行う。投票内容は〇七年の行政長官選挙を完全直接選挙にすべきか、〇八年の立法会議員選挙を完全直接選挙にすべきか、を問う。投票締め切り後、すぐに開票結果を公表する。


 中国政府は昨年三月、台湾で行われた初めての住民投票実施に猛反発した経緯があるだけに、「模擬」とはいえ香港で住民投票を行うことに、親中派や中央政府は厳しい非難を浴びせることが予想される。


 香港の同性愛運動のために、民主化デモが大幅に縮小されるなら、中国当局にとっては悪いことではない。しかし香港の同性愛運動の過激化は、必然的に大陸にも浸透していく。中国共産党にとっては、目が離せない事態なのだ。


★ この記事は参考になった!という方、ご協力お願いします。 ⇒ 人気Blogランキング


★ 世界日報は、国際情報満載! ⇒ 世界日報試読受付センター

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2005年06月06日 17時59分24秒

けしからん!中国人企業家、天皇の肖像を商標登録!?

テーマ:国際―アジア

なんともけしからん話である。中国人はどこまで日本を馬鹿にすれば気が済むのか?現段階では、確かに北京の商工当局も「 不適切 」としているようだが、万が一これが許可されるようなことになれば、大問題だ。日中関係は、今以上に冷え込む・・・いや、戦争勃発かもしれない。


天皇の肖像を商標登録申請
中国人企業家


 【香港5日深川耕治】


 四日付の中国紙「新京報」によると、北京で酒造販売業を営む中国人経営者が一月に、中国国家商工総局に昭和天皇、天皇陛下、皇太子殿下に酷似した顔写真をグラフィック合成したデザインを、靴類販売で使用する目的で商標登録申請し受理された、認可待ちの状態という。

 商標登録申請したデザインは昭和天皇の肖像に酷似した顔を頂点に左下に天皇陛下、右下に皇太子殿下の肖像に酷似したトライアングル構造のグラフィック合成デザインとなっている。


 同商標登録申請について、北京の商工当局関係者は「外国要人の肖像権侵害の疑いがあり、商標には不適切。外交問題を引き起こしかねない」と懸念を示した。


★ この記事は参考になった!という方、ご協力お願いします。⇒ 人気Blogランキング


★ 世界日報では、10日間の試読受付中!⇒ 世界日報試読受付センター

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2005年06月05日 14時43分40秒

★緊急インタビュー 中国反体制派活動家 魏京生氏に聞く

テーマ:国際―アジア

国内問題から目をそらさせる反日デモ/背後に中国共産党政権
天安門事件から16年/再び政治悲劇起きないように
 ウィーンを訪問した中国の代表的反体制派活動家、魏京生氏は三日、本紙との単独会見に応じ、四月に発生した反日暴動デモの背景、天安門広場事件十六周年目を迎えた同国の民主化問題などについて答えた。中国共産党政権下で十八年間、強制収容所生活を強いられた後、米国に政治亡命した同氏は「反日デモの背後には中国共産党政権の手が伸びている。反日運動は歴史問題ではなく、共産党政権の政策だ」と主張した。

(聞き手=ウィーン・小川 敏)

 

中国当局は「若者たちがインターネットを通じて自発的にデモを行使した」と説明している。――四月に中国各地で反日暴動デモが発生、日本大使館公館や日本レストランが投石を受け、被害を出した。


 反日デモの背後には中国共産党政権の手が伸びていることは確実だ。中国当局は反日デモが起きる前に日本を批判する声明を発表、国民の愛国心を鼓舞、反日機運を高揚させ、国民を路上へと駆り立てたのだ。若者たちがインターネットを通じて自然に反日デモを行うことはあり得ない。中国では、インターネット使用の完全な自由は存在しない。共産党政権がインターネットを管理しているのだ。インターネットで流すことができる情報は共産党政権が認めたものしかない。


 ――中国当局が扇動する反日運動をどのように受け止めているか。


 日中間の歴史問題は久しく過去に属するテーマだが、中国共産党政権は国内問題をそらすために反日政策を利用、日本人への憎しみを醸成、国民の心に反日感情を植え付けてきた。反日は(歴史問題とはあまり関係のない)、中国共産党の国策なのだ。日本政府が中国の人権問題、民主主義の欠如などを批判しないように、共産党政権は国内で反日運動を扇動しているのだ。例えば、中国人民解放軍が台湾を武力攻勢した場合、日本がそれを阻止しないように牽制(けんせい)しているわけだ。


 日本の政治家は、中国政府と良好な関係を構築すれば、中国当局が国内の反日運動を抑えてくれるという淡い期待を抱かないことだ。事実はその逆だ。中国共産党指導者は歴史問題を持ち出して日本政府を牽制する目的で反日運動を主導しているのだ。日本の政治家は賢明でなければならない。


 ――日本の政治家の中には、人権と民主化が欠如する中国・北京の二〇〇八年夏季五輪大会をボイコットすべきだという強硬意見が聞かれる。


 国際社会にとって北京五輪開催はいい機会だ。人権や民主化が欠如する中国に対して抗議すべきだ。それは、中国国民の利益となることだ。国際社会が中国共産党政権と良好な関係を模索すれば、中国国民は引き続き弾圧されることを意味する。


 ――バチカン法王庁(ローマ・カトリック教会総本山)のローマ法王ベネディクト十六世は中国との関係正常化を求めている。


 バチカンが中国共産党政権に宗教の自由を要求して圧力を行使し続けば、中国側もその圧力を無視できなくなるが、バチカンが中国共産党政権との関係改善を求めれば、政権が支援する官製聖職者組織「愛国教会」が地下教会を弾圧することがたやすくなる。中国には真のカトリック信仰を有している国民が増加している。彼らはローマ法王を精神的に、さらにモラルの支えとして頑張っているが、そのバチカンが中国共産党政権と関係改善に乗り出すならば、カトリック信者は精神的支えを失ってしまう危険が出てくる。


 ――北京の天安門広場の民主化運動とその武力鎮圧事件が発生して今月四日で十六周年を迎えたが、国際社会の関心が中国の飛躍的経済発展に注がれ、事件の記憶が風化してきた感がする。


 事件の生々しい記憶が風化していくのはある意味で当然なことだ。大切なことは、中国の現状を厳密に監視しなければならない。新しい政治悲劇が起きないように注意しなければならない。過去を追悼するよりも、中国内で静かであるが進行している変化に注意を注ぐべきだ。



 1950年、北京生まれ。78年に民主化運動に参加。翌年に逮捕され、政治犯として強制収容所に。93年に仮釈放、95年に再逮捕、97年に仮釈放後、米国に亡命。通算18年間の収容所生活を体験した中国の代表的反体制派活動家。サハロフ平和賞受賞者。毎年ノーベル平和賞候補者の一人に挙げられてきた。



☆この記事は参考になった!という方、ご協力お願いします。 ⇒ 人気Blogランキング


☆ この記事にピンッときたら、すぐ試読! ⇒ 世界日報試読受付センター

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2005年05月26日 16時38分02秒

手詰まりの「内憂外患」策―中国

テーマ:国際―アジア


靖国問題で主導権握れず会談中止―呉儀副首相
胡錦濤氏が指示、党求心力を最優先に
中国政府への「弱腰」批判、未然に封じる

 中国の呉儀副首相が二十三日の小泉純一郎首相との会談を突然キャンセルして帰国した外交上の「非礼」行為が日中関係の冷え込みに拍車を掛けている。中国外務省は当初、帰国理由について「緊急の公務」としていたが、二十四日、小泉首相の靖国問題での発言に対する不満が理由であることを認めた。胡錦濤指導部は江沢民時代の「反日愛国」教育で培われた国内世論から「弱腰」と見られないことを政権維持の最優先順位に置くしかない。従来の「内憂外患」策の手詰まり感は、国際世論の批判にさらされるリスクを冒し、脱「江沢民」の急激な対日方針転換が困難であるとの重苦しい閉塞(へいそく)感として表れている。(香港・深川耕治)


 北京筋によると、呉副首相の土壇場での会談キャンセルは、胡錦濤国家主席からの直接指示によるもので、対日外交を強化したいと考えていた胡主席にとっては靖国問題で従来の中国の立場を一歩でも引く妥協は国内世論上、許されない。会談で靖国参拝継続を曲げない小泉首相の発言が飛び出せば「弱腰」批判にさらされることになり、土壇場でのキャンセルは靖国問題で主導権が握れない会談を見通し、「弱腰」批判を未然に防ぐぎりぎりの選択だったという。


 呉副首相の小泉首相との会談キャンセルについて、中国側は当初「国内の緊急公務のため」と説明していたが、呉副首相の帰国先が北京ではなく、大連だったことや大連の各メディアが緊急公務について一切触れず、翌二十四日に予定通り、モンゴル訪問に出発したことが逆に不自然との疑念が高まった。


 そこで、中国外務省の孔泉報道局長は二十三日夜、一日早い呉副首相の帰国理由について小泉首相が靖国参拝継続の意向を国会で答弁したことや自民党の武部勤幹事長の訪中発言などが理由であることを示唆。


 呉副首相が訪日する前日の十六日、小泉首相は衆院予算委で靖国参拝について「どのような追悼がいいのか他の国が干渉すべきではない」「いつ行くか適切に判断する」と述べ、四月二十三日のジャカルタでの日中首脳会談で胡国家主席が靖国参拝にクギを刺して小泉首相も受け入れたかのような中国メディアの報道とは食い違う結果となった。胡錦濤政権の威信は一連の反日デモによる国内世論を敵に回し、「弱腰」と受け取られかねない状況に追い込まれた。


 さらに、二十二日、訪中した武部自民党幹事長が胡国家主席と会談した際、「戦後、日本は反省の上に平和国家の道を歩み続けたと自負している。そのことを評価してもらいたい」と小泉首相の靖国参拝に理解を求める発言を繰り返し、参拝中止を工作する中国側の意を介さない態度に変わりがないことがはっきりし始めた。


 小泉首相と武部幹事長が靖国参拝非難を「内政干渉」と断じたことが呉副首相の会談キャンセルの決定につながったとみられる。特に二十一日に武部幹事長が王家瑞中国共産党対外連絡部長との会談で「内政干渉」を強調し、王部長が激しく反発したことが引き金となった。その激しいやりとりは中国内のメディアでは報じられず、武部幹事長が胡国家主席と会談した際も胡主席が小泉首相の靖国参拝を批判する発言をしたことすら一切報じないという報道規制が敷かれた。反日世論の暴走が政権批判につながることを恐れた中国政府が、従来の「内憂外患」策に手詰まりを感じている神経質な側面がにじみ出た形だ。


 中国内での反日デモが激化し始めた四月八日、中国政府は非常設の対日工作小組(羅幹組長)を新設し、反政府デモへの転化を防止・コントロールする動きを加速させた。同時期に開かれた中央政治局常務委員会の会議では、胡錦濤氏、温家宝首相、羅幹氏、呉官正氏らが日本軍国主義の復活に反対する民意を支持。日本の歴史教科書による侵略史改竄(かいざん)、小泉首相の靖国参拝、尖閣諸島や東シナ海の資源開発問題、台湾主権問題で「(日本側が)強く出れば強く、弱く出れば弱く」対応するとの立場を示し、反日デモを奨励・鼓舞した。これが上海での反日デモの過激化を阻止できない事態の遠因となったとされる。


 逆に同会議で江沢民前国家主席を中心とする上海グループは、日本の政界とのパイプが太い曽慶紅国家副主席を中心に「過去二十数年の対日戦略を損ないかねない」と自己利権の損失を懸念して規制強化を主張し、江沢民路線を脱したい胡錦濤―温家宝体制と上海グループの暗闘が浮き彫りになっていた。


 胡国家主席が直接指示したとされる今回の呉副首相の会談キャンセルも胡国家主席の同判断の延長線上にあり、独自カラーの対日融和路線への転換をやめ、江沢民路線を強く踏襲するスタンスを示すことで結果的に上海グループへの揺さぶりを掛ける形になったとみられる。


 反日教育を奨励した江沢民氏や李鵬氏ら第三革命世代の指導者は、ほとんどが抗日戦争で家族などを失い、理性では抑え難い個人体験からの筋金入りの「反日」。江沢民時代は抗日記念館が各地で建設され、国定教科書の抗日戦争での犠牲者数も改訂ごとに水増しされる一方、毛沢東の提唱で行われた「大躍進」や文化大革命で数千万人規模の死者が出たことや一九八九年の天安門事件の死者について記述しないなど、意図的歪曲(わいきょく)が目立つ。南京の抗日記念館を世界遺産に登録する運動も広がりを見せており、反日をあおる動きは胡錦濤時代に入っても脈々と続いている。


 だが一方で、第四革命世代の胡錦濤国家主席は、祖父の代からお茶の販売を行っている資産家の実家が日本軍の手で営業停止になる辛酸をなめつつも、抗日戦争で家族に死者が出た経験はない。むしろ、日本軍が江蘇省に進軍し、胡錦濤氏の父・胡増”氏の営む茶販売ができなくなって資本家から極貧生活に没落したことで文革時代に「資本家成分」との汚名を受けずに済んで「不幸中の幸いだった」(馬玲・李銘共著「彼はどこから来た 胡錦濤」)との指摘もあるほどだ。


 胡錦濤政権は第三革命世代と違い、対日融和策に特別な嫌悪感はなく、むしろ、自身の政権基盤安定のために対日融和カードを切って、反日を装う体制批判の芽を早期に摘み取る実利優先策を積極的に行いたいのが本音だ。しかし、対日政策の急転換は政権の足元をすくいかねず、当分は国内世論と国際世論の温度差の中で手詰まり感を見せつつ、政権安定最優先の対日政策を継続することになりそうだ。

☆ この記事は、参考になった!という方、ご協力お願いします。 ⇒ 人気Blogランキング


☆ この記事に ピン!ときたら、即試読!⇒世界日報試読受付センター

いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。