2006年01月23日 18時47分49秒

通常国会開幕/最重要課題を後回しにするな

テーマ:今日の社説


 百五十日間におよぶ通常国会が開幕した。きょうから小泉純一郎首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まる。首相は演説の中で、幕末の志士・吉田松陰の言葉を引用しつつ、「改革」続行の決意を表明した。しかし、その中身は行政改革推進法案など「改革」の総仕上げ案件などにとどまっている。


松陰の志士像から程遠い



 小泉首相には最重要課題を後回しにし、花道をつくって退陣後も後継政権に影響力を行使するという野心があるように見受けられる。もしそうなら、「溝や谷に落ちて屍(しかばね)をさらしても構わない」覚悟で「志」を実現すべきだと諭した松陰の理想的志士像から最も懸け離れていよう。


 首相最後の通常国会とされるだけに、もっと「志」を高く掲げて国家の根幹と前途にかかわる重大かつ困難な憲法や教育基本法の改正問題にも真正面から取り組むべきだ。「対案・提案」路線を掲げる野党民主党にも「志」の質と高さを競う政治力を求めたい。


 小泉首相が演説で長時間費やしたのは、公務員の総人件費削減、政府系金融機関の統廃合などの基本方針を盛り込んだ行政改革推進法案の必要性だった。これは五年、十年先まで見通した諸改革であるため、後継政権に「構造改革」路線を継承させたい狙いも込められていた。


 首相はまた、「民間主導の景気回復の道を歩んでいる」と実績を強調する一方で、「消費税」に言及した。しかし、「税体系全般にわたって、見直しを行う」と抽象的に触れただけで先送りにした。


 小泉政治の特徴は、難問を後回しにする手法である。それは「改革」の目指すビジョンがないところから来ている。理想像を追求しない「改革」は、一時的に成果を上げても長続きはしないだろう。逆に、後退や破壊をもたらすことすらあり得る。


 国家の理想像と目標を明確にするためには憲法改正が不可欠だが、それを抜きにして進められる「小泉改革」は結局、表面的な改革にとどまらざるを得ない。


 首相は演説で「新しい時代の憲法の在り方について、国民とともに大いに議論を深める時期」と述べた。そのためにも、改憲のための国民投票法案の早期成立はもとより、常設の憲法委員会を国会に置くよう指導力を発揮すべきだ。


 教育基本法の改正については、初めて「速やかな改正」を目指すと一言述べた。四年九カ月前の初の所信表明演説で「米百俵の精神」の重要性を説き、教育改革に期待を持たせた。だがその後、実績は何もないに等しい。「速やかな」はよいが、他党との妥協により改悪にならないよう注意してもらいたい。


 首相はまた、皇室典範改正案を今国会に提出すると明言した。この案は「女性・女系天皇容認」「長子優先の皇位継承」を柱としているが、皇位は百二十五代にわたり男系で引き継がれている。「改革」の名の下、皇室の伝統を軽んじ正統性を揺るがすようなことを急いではならない。もっと国民に開かれた議論をすべきだ。



前原主導の党内改革を



 一方、民主党は「行革国会」と位置付ける政府・与党に対し、「安全国会」とし、米国産牛肉輸入、耐震偽装、ライブドアなどの問題で小泉政権を追及していく構えだ。それらの問題の解明と同時に、外交・安保・憲法の基本問題で党内を一本化させる、前原誠司代表主導の党内改革を早く実現させてもらいたい。そこから政権交代の芽も育つことになろう。



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2006年01月21日 17時58分04秒

中朝首脳会談/6ヵ国協議再開につなげよ

テーマ:今日の社説

 北朝鮮の核問題の平和的解決を目指す六カ国協議の再開が滞っている中で、金正日総書記が訪中し、胡錦濤国家主席と会談した。両首脳は核問題の平和的解決と同協議の推進で一致したという。政治的にも経済的にも北の最大の支援国は中国だ。金総書記の訪中が実りある六カ国協議再開につながることを期待したい。


異例ずくめの金正日訪中


 今回の訪中は公式には昨年秋の胡主席の平壌訪問の答礼ではあるが、それにしても異例づくめだった。高級車を連ねた一行の動向については中国側の情報統制は徹底した。厳戒警備でホテルから宿泊客は追い出され、道路も大渋滞した。一昨年の訪中の際、金総書記を乗せた特別列車が自国内へ入った数時間後に、大爆発事故があり、テロを極度に警戒した北側の要請があったようだ。


 今回の訪中の狙いについては、米国による対北制裁解除で中国の協力を得ることと、中国の経済改革の学習の二つが挙げられよう。北は六カ国協議再開を渋っている理由として米国による金融制裁を挙げている。ブッシュ米政権は「犯罪国家」の北が、マカオの銀行を不法に得た資金の洗浄に利用しているとして、同銀行との金融取引を禁止した。この措置で北は重要な資金調達拠点を失い、相当な痛手を受けた。


 米政府はこの問題と六カ国協議は関係ないとしているが、北京訪問中の六カ国協議・米首席代表のヒル国務次官補と北の金桂寛外務次官が中国の仲介で接触したところからみて、何らかの打開策が話し合われた可能性がある。


 金総書記は中国の社会主義に基づく開放政策に強い印象を受け「中国の改革・開放は正しかった」との最大級の賛辞を贈った。かつて、中国の改革・開放政策を社会主義路線の逸脱として批判したこともあった。相次ぐ国内経済の停滞からついに脱帽したわけだが、厳重な管理社会の同国でどれだけ中国式開放経済が受け入れられるかは疑問だろう。


 ここで考えておかねばならないのは、北にとっての中国、中国にとっての北の位置付けだ。


 北にとり中国は韓国動乱での盟友であり、食糧支援の三分の一以上、石油供給の70―90%という最大の援助国である。米国の「一極支配」に抵抗する上で、社会主義国としての連帯は頼りになる存在だ。中朝関係に北の生き残りが懸かっているともいえる。


 一方、中国にとり北の体制維持は優先課題だ。地政学的に見て北は中国東北部に接する戦略的重要性を持つ。北が崩壊すれば、数百万人の難民が中国側に流入するし、北に米国の影響力の強い政権が成立することは防衛上好ましくない。鉄鉱石、亜鉛などの豊富な鉱山資源も確保したい。


 外交カードとしても北の存在は中国にとり重要だ。胡主席は四月下旬に訪米し米中首脳会談を行うが、ブッシュ政権が北の核放棄説得で期待を寄せているのは中国だ。北の核問題は中国が世界に貢献する大国としての姿を世界にアピールする格好の道具でもある。



対北で毅然とした態度を



 中朝の蜜月ぶりが演出された。しかし、それだけではダメだ。中国は国際ルールにのっとり大国として振る舞うつもりなら、脱北者の人道的処理や外貨偽造、麻薬密輸、拉致などの国際犯罪で毅然とした態度を取るべきである。有事の際に、中国が北に軍事支援することを定めた中朝条約は今も生きている。中朝関係を建設的な方向に向けることを望みたい。

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2006年01月20日 14時22分32秒

日本だけでない、韓国拉致被害者家族の思いは・・・?

テーマ:国際―韓半島

声上げ始めた韓国の拉致被害者家族
船長の娘、南北首脳に手紙

 韓国動乱(一九五〇―五三年)以降、北朝鮮に拉致された民間人と捕虜となったまま帰還できずにいる元韓国軍兵士の家族らが最近、被害者の早期返還や賠償金などを南北の政府に求める動きが相次いでいる。生死確認など再三にわたる家族らの要請に応えきれなかった韓国政府だが、改めてこの問題に対する姿勢が問われようとしている。(ソウル・上田勇実)


 北朝鮮による民間人拉致被害や元国軍兵の長期拘束などの問題が、数十年もたった今日なお未解決であるのは、一つには長い間、南北が対立関係にあり、北は「拉致はない」と繰り返しながら拉致行為そのものを頭から否定してきたからだ。


 そして金大中政権発足で北朝鮮に対する包容政策が始まってからは、今度は「北が嫌がる」という配慮から、韓国政府の同問題に対する取り組みは消極的だった。被害者とその家族たちは、南北の政府から無視同然の扱いを受けてきたともいえる。


 しかし被害者家族の最近の動きは、社会的な関心を再度喚起している。


 一九八七年に操業中のところ北朝鮮に拉致された漁船船長の父を救出する活動を続ける拉北者家族協議会の崔祐英代表(35)は今月十五日、昨年十月に夕刊紙の広告を通じて金正日総書記あてに手紙を出したのに続き、先日は韓国の盧武鉉大統領あての手紙を青瓦台(大統領府)ホームページの掲示板に書き込んだ。


 「大統領も愛する娘さんがいらっしゃるので私の心情、そして北朝鮮で一人家族を恋慕い、痛恨の年月を生きてきた父の心情をよく理解していただけるでしょう。余命いくばくもない父のため、もつれた結び目を解いてくださるよう切に願うものです」


 「今年五月八日の父の日には十九年間、胸につけてあげることができなかったカーネーションを直接つけられる素朴な幸せを感じられるよう願っています」


 青瓦台はこの手紙について、「問題解決に向け南北対話などを通じて努力しており、今後も可能な限り積極的に努力する」(報道官)とのコメントを発表しているが、政府によって韓国に帰還を果たした被害者は一人もいない。「言葉ではなく行動が必要」(崔代表)と被害者家族らはしびれを切らしている。


 また韓国動乱の最中に拉致された民間人の家族十五人が十七日、五百―一千万ウォンの損害賠償を求める訴訟をソウル地裁に起こした。休戦後に拉致された四百八十五人の民間人や元国軍兵の家族による提訴は過去にもみられるが、戦争中に被害に遭った民間人の家族による訴訟は初めてだという。


 拉致された民間人の中には、韓国紙・東亜日報の記者、ソウル地検の部長検事、ソウル中区の区長、最高裁判所の経理課長、ソウル永登浦警察署の治安官なども含まれており、「韓国政府は北の助けがなくても可能な拉致の実態把握すらせず、拉致された公務員に名誉回復をもたらす特別法も制定しなかった」(六・二五戦争拉北者家族協議会)との批判が上がっている。


 さらに今月九日には、拉致された後に支援団体などのサポートで韓国に戻った民間人四人が、北朝鮮に対し計四億㌦(約四百六十億円)の補償金を請求する訴えを、韓国大統領の直属機関である国家人権委員会などに提出した。


 これは韓国から北朝鮮に送還された非転向長期囚が先に、韓国で拘置中に受けた非人道的待遇について「主犯の処罰と補償」を求める告訴状を、同委員会に板門店を通じて送ったことに対抗した措置の性格が強いが、「北によって拉致され、三十年間監禁と暴行、強制労役を受けた」として、金正日総書記が一人当たり一億㌦を支払うよう求めている。


 被害者や家族たちの再三にわたる願いが叶(かな)うには、韓国政府の問題解決に向けた強い意思が不可欠。しかし政府よりも市民団体が主力、しかも日本の「救う会」のような大きな組織はなく、多くの被害者家族は高齢化や貧困ゆえ救出活動どころではないという。崔代表は、こう訴えている。


 「相手は北朝鮮じゃないですか。私の限界を超えていますよ。日本の国会議員は拉致問題に積極的なのに韓国の議員は沈黙している。でも今からでも遅くないから積極的に支援してほしい。いつの日か私に代わって国が父を救ってくれるという期待は今も変わっていません」


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2006年01月18日 14時38分14秒

ライブドア捜索/現代版錬金術の実態をえぐれ

テーマ:今日の社説


 インターネットサービス会社ライブドアならびに堀江貴文同社社長宅を含む関係先十数カ所に、東京地検による捜査の手が伸びた。直接の理由は、子会社の企業買収で虚偽の情報を公表したり利益水増しの決算を発表したりした疑いで、事実とすれば、株価の公正な形成を一方的に妨げ、信義則に基づくべき売買取引を同グループに不当に有利になるよう、操作したものと断定せざるを得ない。
 これを許せば、証券市場は存在意義を失う。徹底的な実態解明と責任追及を、強く望みたい。



卑しむべき企業活動


 捜査当局によると、ライブドアの関連会社バリュークリックジャパン(社名変更でライブドアマーケティング)が出版業のマネーライフ社を株式交換の手法で買収すると公表した(二〇〇四年十月)ことにかかわる。実際には、ライブドア側が実質支配している投資組合を通じて公表より以前にマネーライフ社を勢力下に取り込んでいたので、買収するとの公表は虚偽だったことになる。


 しかも、交換に必要として発行した新株は投資組合に残り、組合はこれを有利に売却して、その利益はライブドアに還流しているのではないかとの推測も生じている。手のこんだ不自然な対応を、そこに読み取れよう。


 のみならず、本体のライブドアに関しても、別の疑惑が浮上している。二件の企業買収に絡んで、自社株の分割を繰り返しつつ株価の上昇を促し、買収先企業との株式交換に充当した以外の残存株を市場で売却処分して巨額の利益を手にしたのではないかとの指摘がそれで、目下のところ真相は不明ながら、こうした疑惑が浮上していること自体、関連会社ライブドアマーケティングの事例と照らし合わせて、ライブドアにとって重大だとみなさざるを得まい。


 ライブドアと堀江同社社長の知名度を一気に高めたのは、周知のように、昨年二月に表面化したニッポン放送株の買い集めで、ここでもライブドアは詭計(きけい)に頼っている。すなわち、堂々と公開買い付け(TOB)の手段に訴えることなく、立会時間外の市場で、いわば潜航的な方法によりニッポン放送株の大量取得を実現した。識者は、そこに、一種のうさんくささを、感じ取ったに違いない。偽計取引あるいは虚偽の風説の流布という証券取引法の禁止条項に違反する容疑を生むに至った一連の企業活動は、その延長線上の出来事にほかならぬ。


 ライブドアを中心にした企業集団の活動には、これを“虚業”とするマイナス評価が、有識者の間に広がっている。極めて自然の成り行きだろう。法の不備を探求し不備に乗ずる姑息(こそく)なやり方から一歩も二歩も踏み出した証券取引法違反容疑の事件は、許せることではない。真相の解明と責任の追及を望んでやまぬゆえんも、そこに根ざす。


 残念なことに、堀江ライブドア社長に対し、IT(情報技術)時代の風雲児だと礼賛する風潮が、一方には存在する。テレビ各社はこの風潮に便乗して堀江氏をタレントとして扱い、自民党またそれに悪乗りして、昨年の総選挙では公認こそしなかったが同氏を事実上の同党候補とかつぎ上げた。いずれも軽薄のそしりを免れ難い。



憂うべき風潮を絶て


 実態の解明と責任の所在の糾明は、ライブドア企業集団の不正の有無をただすにとどまらぬ。証券市場の存在意義を確実なものにするためにも、金もうけを至上とするかのような憂うべき風潮を封じ込むためにも、不可欠である。


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2006年01月17日 19時29分33秒

どうなる?金総書記訪中後

テーマ:国際―アジア

マカオから北朝鮮企業撤退
資金洗浄防止強化で包囲網
金正日総書記訪中の一因か

 北朝鮮の金正日総書記が十日から非公式に訪中し、中国側と懸念問題を協議した。胡錦濤中国国家主席の訪朝からわずか二カ月、前回の訪中から一年九カ月ぶりという異例の緊急訪中には米国の金融制裁により、マカオでのマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑が北朝鮮本国への資金ルートに大打撃を与えたためとの見方が出ている。(香港・深川耕治)


 マカオで事実上の北朝鮮公館や情報機関の役割を果たしてきた朝光貿易公司が昨年十二月までに事務所を撤収し、隣接する中国広東省珠海市に移転した。


 昨年九月、米財務省が朝光貿易の主取引銀行であるバンコ・デルタ・アジア(匯業銀行)を偽札、麻薬、偽たばこで集めた資金のマネーロンダリング先と名指しで公表し、同行は対北朝鮮取引を中断。マカオ政府は経営管理人を派遣し、同行は一時的に政府の管理下に入った。


 マカオ―平壌間は北朝鮮の高麗航空による不定期路線があり、匯業銀行にある朝光貿易の口座は東南アジアでの北朝鮮の重要な資金ルートとなっていた。香港駐在の北朝鮮領事館が二〇〇〇年二月に開設されて以降は、マカオが一九九九年末に中国返還されたこともあり、カジノ産業で繁栄する一国二制度下の利点を生かし、目立たない状況下で活動を持続。だが、一連の騒動で過去の偽ドル札事件が再び浮き彫りになり、米政府が同行をブラックリスト扱いにしている理由として再び疑念が深まった。


 偽ドル札事件とは九四年六月、朝光貿易が匯業銀行を通じて偽造紙幣二十五万㌦を預金しようとして朝貢貿易に勤務する北朝鮮人やマカオ人らを偽造米貨所持容疑で摘発した事件のことだ。摘発時、朝光貿易の事務所からも超精密な偽造百㌦紙幣が発見されていた。


 偽ドル札預金時、匯業銀行側が見抜いてマカオ警察に通報したのが摘発につながったとされるが、その後も、匯業銀行には北朝鮮関連の口座は残り、「(北朝鮮との取引は)銀行収益の2、3%に相当する」(匯業銀行を統括する区宗傑・マカオ匯業財経グループ主席)としているが、詳細は業務介入したマカオ当局や中国政府が把握していることになる。


 マカオでは昨年十月以降、マネーロンダリングが発覚した場合、刑事罰を重くし、監視体制を強化。中国でも監視範囲を拡大し、「血の友誼(ゆうぎ)」を結んだ中朝間といえども監視が厳しくて従来の送金活動が困難になってきた。中国当局も同事件の真相を本格的に調査しており、北朝鮮のマカオでの送金状況について新たな事実関係を詳細につかんだ可能性も高い。


 マカオでは一九七〇年代から北朝鮮との商取引が始まり、全盛期は二十数社の北朝鮮系企業が駐在したが、同事件で数社しかマカオに残れない状況に追い込まれた。中国側も地方政府幹部がマカオで公金を流用してカジノに注ぎ込む事件などが発覚し、国内でのマネーロンダリング監視強化を拡大。国民に不満がくすぶる官僚汚職を一掃する政府の姿勢を誇示するためにも、従来から存在する地下銀行の摘発も含め、北朝鮮の不透明な中国での資金ルートにもメスが入る環境が整備されつつある。


 韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮は米国の金融制裁でマカオの銀行との取引は困難と判断、取引銀行をオーストリアなどにシフトして急場をしのいでいるという。朝光貿易が珠海に移転しても、マカオ駐在時代よりも規制が厳しく、金正日総書記としては何とか中国指導部と直接協議して打開策を探りたいのではないかとみられている。


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2006年01月16日 15時51分10秒

尖閣諸島問題ー中国の本当の狙いとは?

テーマ:国際―米国・中南米

尖閣諸島問題 中国が日米分断に利用
米政府は明確な日本支持を
タシク元米国務省中国分析部長が指摘



 【ワシントン15日早川俊行】米大手シンクタンク、ヘリテージ財団の上級研究員を務めるジョン・タシク元米国務省情報調査局中国分析部長はこのほど、世界日報社とのインタビューに応じ、日中間の懸案事項の一つである尖閣諸島の領有権問題について、中国は日米を分断するために同問題を利用しており、「米政府は同盟関係を維持するために、中国の不当な主張に対抗して、日本を支持しなければならない」と強調した。


 クリントン前民主党政権は、日米安保条約が尖閣諸島にも適用されることを明示しなかったが、タシク氏は「米政府のあいまいな態度が、日本と中国の主張はともに妥当性があるというメッセージを中国政府に送っている」と、同政権時代の“あいまい戦略”を強く批判した。


 現在のブッシュ共和党政権では、国務省が二〇〇四年三月に「尖閣諸島は日本政府の管理下にあり、日米安保条約は尖閣諸島に適用される」との公式見解を発表している。タシク氏はこの対応に一定の評価を与えた上で、「将来の政権が民主党であろうと、共和党であろうと、それに関係がないとは言えないだろう」と述べ、今後、民主党政権が誕生しても、この公式見解は堅持されるとの見通しを示した。


 ただ、「中国は今も、米国が本当に尖閣諸島にコミットするのか、確かめたがっている」として、日米離間を狙った中国の挑発的行為は今後も続くと予想。このため、「日米両国は尖閣諸島を含む東シナ海での中国の挑戦に対応できるように、緊密に協議しなければならない」と指摘した。


 また、中国が尖閣諸島の領有権を強く主張するのは、天然資源の獲得以外に、①地域で卓越したパワーであることを喧伝(けんでん)する②尖閣諸島に対潜水艦戦システムが配備されるのを防ぐ――狙いがあると分析した。


尖閣諸島に日米安保適用は当然―ジョン・タシク氏との一問一答
現政権の公式見解、今後も堅持
中国の主張の背景に潜水艦戦略


 ジョン・タシク元米国務省情報調査局中国分析部長との一問一答は以下の通り。

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プロフィール

 ジョン・タシク ジョージタウン大学卒業、ハーバード大学大学院修了。米国務省入省後、台湾、中国、香港で勤務したほか、同省情報調査局中国分析部長を務める。現在、米シンクタンク「ヘリテージ財団」アジア研究センターの上級研究員。専門は中国、台湾、モンゴル問題。著書に『本当に「中国は一つ」なのか』など。
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 ――中国は尖閣諸島の領有権問題をどのようにとらえているのか。


 中国も台湾も一九六〇年代終わりまで、尖閣諸島に全く関心を持っていなかった。国連の報告書によってこの地域に天然資源があることが判明してから、まず台湾が領有権を主張し、その後、中国が主張し始めた。


 ただ、当時の中国と台湾は資源開発を考えていただろうが、自らの政府の正統性を主張することの方が大切な要素だったと思う。台北は「亡命政府」、北京は「革命政府」であり、六〇年代は両者とも国内外で正統性を高めようとしていたからだ。台湾に続いて、中国が領有権を主張しだしたという順序もそのことを表している。


 現在も中国が尖閣諸島の領有権を主張するのは、資源目的のほかに二つの理由がある。一つは、中国がこの地域で卓越したパワーであることを喧伝(けんでん)するためだ。つまり、プロパガンダ目的だ。

 第二に、中国は戦略的な目的から尖閣諸島の領有権を確立したいと考えている。日本は琉球列島はじめ日本中に非常に強力な対潜水艦戦能力を保持している。中国は尖閣諸島周辺地域におけるいかなるプレゼンスをも排除し、同諸島に対潜水艦戦システムが配備されるのを防ぎたいのだ。



 ――尖閣諸島は法的にも歴史的にも日本固有の領土であることは明らかだ。



 尖閣諸島の地位ははっきりしている。「先占」という国際法の原則に基づき、一八九五年に日本が最初に領有権を主張した。その時から第二次世界大戦の終わりまで、沖縄県の一部として管理され、日本の降伏後は米国の施政権下に置かれた。


 一九七二年に米国が日本政府に沖縄を返還した際、尖閣諸島はその中に含まれている。米国が尖閣諸島を常に日本領とみなしてきたことは疑いがない。

 

――中国は日米を分断するために、尖閣諸島問題を利用できると考えているのでは。


 そうだと思う。中国はフィリピンが領有権を主張する南シナ海の島や岩礁を奪ったとき、同盟関係にくさびを打つのはたやすいことが分かったはずだ。


 米国とフィリピンの条約は十九世紀後半にスペイン政府によって作られた地図に基づいていた。われわれはその地図で定義されたフィリピン領土の防衛を引き受けていたが、無人島や岩礁などは規定されていなかった。その結果、米国は係争中の岩礁や島に対する防衛義務やコミットメントを拒否してしまった。


 ただ、尖閣諸島は違う。尖閣諸島は日米安保条約によってカバーされている。日米安保条約の交渉が行われた時も、尖閣諸島の問題が扱われ、条約の範囲内であることがひそかに合意された、と私は理解している。


 しかし、誰もそのことを声高に言わない。リチャード・アーミテージ氏はブッシュ元政権で国防次官補を務めていた時、尖閣諸島問題を数回取り上げたが、クリントン政権は駐日大使の発言によってあいまいさを示してしまった。


 米政府のあいまいな態度が、日本と中国の主張はともに妥当性があるというメッセージを中国政府に送っている。中国はクリントン政権時代以来、この問題で日米同盟の間を裂く方法があるかどうか、模索してきた。米政府は日本との同盟関係を維持するために、中国の不当な主張に対抗して、日本を支持しなければならない。


 現在のブッシュ政権も二〇〇二、〇三年ごろは、あいまいな態度を示していたが、〇四年三月に国務省が初めて尖閣諸島は日米安保条約によってカバーされていることを明確にした。


 ただ、中国は今も、米国が本当に尖閣諸島にコミットするのか、確かめたがっている。昨年九月、中国海軍の軍艦が東シナ海で、海上自衛隊のP3C哨戒機に砲身を向けるという出来事があった。これは非常に挑発的な行為だ。米政府は「挑発的なことはやめろ」と表明すべきだった。


 日米両国は尖閣諸島を含む東シナ海での中国の挑戦に対応できるように、緊密に協議しなければならない。そうしないと、中国はこの問題を日米同盟に摩擦を引き起こす「ウェッジ・イシュー(分断争点)」として利用してくるだろう。

 ――ブッシュ共和党政権は尖閣諸島に日米安保条約が適用されるとの立場を明確にしているが、今後、民主党政権が誕生した場合、米政府の政策に変化が生じる可能性はあるか。


 ブッシュ政権が国務省を通じて、尖閣諸島は日本の管理下にあり、日米安保条約の範囲内であるという公式見解を発表した事実は大きい。将来の政権が民主党であろうと、共和党であろうと、それに関係がないとは言えないだろう。そもそもこれは真実なのだから。

 また、二〇〇八年大統領選挙の民主党候補は、同盟を重視する人物になるだろう。民主党はヒラリー・ク

リントン上院議員をはじめ、誰が候補になっても労働組合の熱烈な支持が必要になる。善かれあしかれ、労働組合は中国に対する反感を強めている。米国の雇用や工場が中国に移転していることに、強い懸念を抱いているためだ。従って、将来の民主党政権は中国問題に対してあまりシンパシーを抱かないだろう。


 

――離島地域への対応能力を含め、日本の防衛力をどう見るか。



 日本は対潜水艦戦能力は非常に高いし、ミサイル防衛もそうだ。だが、日本の防衛費全体を見ると、多くのお金が対潜水艦戦とミサイル防衛につぎ込まれている。このため、その他のために残るお金が少ない。日本はアジアの大国として、現実的な防衛予算とはどういうものかという観点で考えるべきだ。


 日本がまずしなければならないのは、平和憲法の下で半世紀続いてきた一国平和主義から脱却することだ。集団的自衛権の考え方を一般大衆や有権者に広げていく時だと思う。日本人は集団的自衛権の重要性や法的、哲学的な側面を説明したり、特に若者の間にアイデンティティー感覚を高めていく指導者を必要としているのではないだろうか。



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日本の軟弱外交をどうする!?
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2006年01月14日 21時25分42秒

イラン核開発/危険な挑戦を断固拒否する

テーマ:今日の社説


 イランが核燃料技術の「研究活動」を再開した。ウラン濃縮施設など核関連施設への国際原子力機関(IAEA)の封印の一部を解除したものだ。欧米などは核兵器技術の獲得につながると強く反発している。イランのいっそうの孤立化は必至だ。



疑惑を晴らす説明がない

 イランは、昨年八月の強硬派アハマディネジャド大統領就任の前後から、核開発推進への野心をあらわにしてきた。イランとの交渉に当たってきた英仏独三国とは、ウラン転換・濃縮など核関連活動の停止で二〇〇四年十一月に合意していたが、昨年八月、国際社会の非難を押し切ってウラン転換作業を開始した。

 イランの核開発問題が表面化したのは、二十年近くにわたって極秘に核開発を進めていたことを、反政府勢力が明らかにしてからだ。以後イランは、発電など平和利用のためのものであり、核兵器の開発・保有の意思のないことを強調してきた。


 しかし、極秘に核兵器開発を進めていたのではないかとの国際社会の疑念は解消されていない。平和利用を目指すのならば、これらの疑惑を晴らすための納得のいく説明が必要だ。


 イランは、核開発は核拡散防止条約(NPT)加盟国の当然の権利と主張するが、核兵器開発の意図が疑われる限り、欧米諸国が同国の核開発を容認することはあり得まい。


 また、NPT加盟国には、IAEAの査察の受け入れ、核開発情報の開示などの義務が課されている。イランは、核開発の透明性を高め、NPT加盟国としてのこれらの義務を加盟国の納得する形で果たすべきだ。


 アハマディネジャド大統領は就任後、強硬な発言を繰り返してきた。ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)否定発言には、ドイツなど欧米諸国が強く反発、また「イスラエルを地図上から消す」よう求める発言は、国際社会から強く非難された。


 ところが、イスラエル・ユダヤ問題、核開発については国内からの支持が強い。「欧米など反イラン勢力に対抗する強い指導者」のイメージをつくり出すには、格好の材料だ。現に大統領への支持は、保守派を中心に高まっていることが伝えられている。


 また、イランが強気の姿勢を取る背景には、ロシア、中国が国連安保理への付託、制裁に否定的な点が挙げられよう。両国は拒否権を持つ常任理事国だ。


 しかし、研究活動の再開には、ロシアも不快感をあらわにした。ラブロフ外相は「いかなる選択肢も排除しない」と安保理付託に反対しない意向を明らかにした。


 北朝鮮が、国際社会からの逆風を押し切って核兵器を保有したとみられていることも、イランにとっては追い風だ。イスラエルの保有も確実とされる。イラン指導部が、核開発疑惑への国連の制裁は限定的で、恐れるに足らないと考えていることはあり得る。


安保理付託の可能性大に

 だが、イランの核兵器保有が周辺アラブ諸国への核拡散の弾みとなることも考えられ、この点からもイランの核開発推進を容認することは困難だ。

 英仏独は十二日、緊急外相会談を開き、イランの核開発問題を安保理に付託するようIAEAに求めることで合意した。これにより付託の可能性は高まった。


 国際社会は、疑惑の残るイランの核開発推進という重大な挑戦に対し断固拒否する姿勢をいっそう明確にしていくことが必要だ。



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2006年01月13日 21時45分59秒

金総書記は今どこに?欧州に亡命説!?

テーマ:国際―韓半島

この時期に北朝鮮の金正日総書記が、中国に極秘入国したのではないか?という報道がされている。
世界日報の報道によれば、二人の特派員から興味深いリポートがある。

香港の深川特派員からのリポートは以下のとおり。

-------------引用開始------------------------

金正日総書記、広州入りか―中国

 【香港12日深川耕治】10日から極秘訪中している北朝鮮の金正日総書記は11日深夜、上海から広東省広州入りしたもようだ。12日午後、金総書記は広州市西部・沙面にある白天鵝酒店(ホワイトスワンホテル)で広東省政府幹部と会談し、経済協議を行ったとの情報もある。

 広東省トップの張徳江広東省党委書記は延辺大学朝鮮語学部卒業後、金日成総合大学経済学部への留学経験のある江沢民派のニューリーダー。ハングルも流暢(りゅうちょう)に操る異色の親北朝鮮派でもある。


 香港誌「開放」最新号(1月号)によると、張徳江氏は次期党中央政治局常務委員の有力候補に内定している。


 金総書記は広州での一連の活動のほか、深セン経済特区の発展状況も視察しているという。経済協議が行われた白天鵝酒店は警備が強化され、12日正午(日本時間同午後1時)ごろにはホテル周辺の沙面一帯は車両の駐停車が厳重に禁止され、同日午後は車両通行禁止となった。ホテル側によると、重要賓客の接待で12日から15日までは一般客の宿泊予約を受け付けないとしている。


セン=土ヘンに川

------------引用ここまで-------------------

一方ウィーンの小川特派員のリポートによれば、金総書記は欧州某国に亡命するのではないか?との憶測もある。

-------------引用ここから-------------------------------

金総書記は西側に政治亡命?

 【ウィーン12日小川敏】北朝鮮最高指導者の金正日労働党総書記の訪中に関する報道が中国と北朝鮮両国政府の厳重な情報統制もあって錯綜しているが、地理的に朝鮮半島から遠い欧州の外交筋は「一国の首脳が他国を訪問するのにあのような情報管制は前代未聞だ。金総書記はひょっとしたら訪中を装った政治亡命ではないか」と斬新な亡命説を主張している。

 金総書記の亡命説はけっして初めてではない。金総書記の高英姫夫人が昨年五月にパリで死去、実妹(金敬姫)も病気といわれ、その夫(張成沢)は一昨年の同国北西部の竜川駅で発生した大爆発に関わっていたとして現在は政治収容所暮らし、といった具合で、同総書記を取り巻く家庭環境は決して良好ではない。そればかりか、米国が昨年九月以来、北朝鮮が不法資金の受け皿として開いてきたマカオの銀行口座を閉鎖に追い込むと共に、北朝鮮の麻薬、偽造犯罪を暴露。同国への国際評価はこれ以上落ちることが出来ないほど急落している。同総書記が厭世観に囚われ、亡命を考えても不思議ではないわけだ。


 同外交筋は「金総書記が数年前に大金を払って購入したスイス・ジュネーブ郊外の大邸宅に落ち着く可能性が考えられる」と推測している。欧州には亡命した金ファミリーのメンバーが久しく暮らし、スイスは金総書記の息子たちが留学していた国だ。縁がないわけではない。


 いずれにしても、金総書記の訪中を終わり、中国側が報道管制を解除したら、同総書記の訪中内容が明らかになるが、金総書記の亡命説は今後も機会がある度に燻りくつづけることが予想される。


-------------引用ここまで-------------------------------

さまざまな面で追い込まれているのは、事実だろう。金総書記の今後の動向が注目される。


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2006年01月11日 17時18分55秒

米軍普天間移設/SACO合意の原点に戻ろう

テーマ:今日の社説

 在日米軍基地の再編問題で、沖縄の米軍普天間基地の移転案をめぐり、政府と県および移転先の名護市の間で対立が続いている。移転案は昨年、日米両政府間で合意したもので、米側は事実上の最終案とみている。名護市では十五日告示の市長選が行われるが、候補者すべてが同案に反対だ。


危険の軽減が目的だった


 現状が続けば、三月末にまとめられる米軍再編に関する「最終報告」は、地元の反対を押し切る形で“決着”するしかないだろう。普天間基地移設の原点である、十年前の日米特別行動委員会(SACO)の合意に戻って、整理し直すことが今こそ必要ではないか。


 日米両政府は昨年十月、激論の末、名護市米軍キャンプ・シュワブ兵舎地区と海上を使って滑走路を建設するという案で合意し、中間報告をまとめた。米国側が大幅に譲った形だが、その背景には日本側が「速やかに完全に履行する」と約束したことがある。


 ところが、その合意はすでに辺野古沖合に移転することを決定していた沖縄県および名護市が外された形でなされた。そのため、稲嶺恵一知事は県案が受け入れられないなら、県外移転を求めることが県の基本的考え方であると述べ、日米両政府案を批判した。


 ここで考えたいのは、十年前にSACOが最終合意された際の原点ともいえる背景だ。それは、同基地が市街地の真ん中に位置しているため、住民の危険を除去することにあったはずだ。市街地の中に基地を造ったのでなく、基地の周囲に住宅が集まり、危険と騒音の中に県民自ら飛び込んだ歴史も思い起こしたい。同合意はまた、普天間基地の代替施設を「沖縄本島の東海岸沖に建設する」とした。県外移転ではなかった。


 確かにこれまで、今回の合意案に近い案も含め、さまざまな案が出され消えていった。だが、そうした経緯にこだわらず、危険を軽減するために一刻も早く移転することこそ、県民が求めていることではないか。移転案が「十戸の民家の上空を通過するから危険なので反対」といった今の反対運動は、反対のための反対にすぎない。


 また、同案を実行すると、那覇軍港や牧港補給地区などの基地千五百㌶分を北部に移転できる。しかも統合するので三分の一の面積で代替でき、基地の整理縮小という県の方針に合致している。在沖海兵隊約七千人の移転も実現できる。逆に、移設が暗礁に乗り上げれば、二〇〇〇年度から十年間で千億円を支出する北部振興策がストップする可能性がある。


 さらに、日米同盟関係が良好に維持され、東アジアの安定を確保し続けられよう。昨年、中国は反国家分裂法を成立させ、台湾の独立阻止に武力行使も辞さないとする台湾政策を明確にしたが、台湾海峡に有事が起きれば、日本への原油運搬がストップしてしまう。沖縄の基地はわが国の命運を握っているとも言えるのだ。


 政府・与党は「最終報告」を念頭に置きつつ、関係自治体への財政措置を柱とする在日米軍再編推進法案の策定作業に入っている。


 その中に、公有水面の埋め立てに関する知事の承認権限を国に移管する特別措置を含める意見も出ている。そうなると、国と県との感情的なしこりが決定的なものになってしまう。



地元も柔軟性が必要


 米国は飛行ルート変更などの微調整に応じるべきだ。また、政府は一層の振興策を示し、地元もまず反対ありきの姿勢ではなく、柔軟性をもって政府と解決策を練るべきである。


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2006年01月11日 08時49分09秒

成人の日/個性化時代に旅立つ君たちへ

テーマ:今日の社説


 きょうは成人の日。今年は百四十三万人が成人として旅立つが、一九八七年の百三十六万人に次いで少ない数という。昨年は戦後六十年の年で、一つの大きな時代を画した。新しい時代の希望を託し、その象徴としての新たな成人を祝福したい。


大志を抱き目標掲げよ


 一世代を三十年と数え、親から子、子から孫へと二回の世代替わりを経ると一区切り、つまり時代の一スパンが終わるという歴史や自然に対する考え方が昔からある。六十年という期間は、その時代の政治、経済、思想、科学技術などの実績を収拾するのに要する時間だ。今年の新成人は、前時代の果実でもあり、また新しい時代を拓(ひら)く種でもある。


 国家百年の計と言われるこの間の教育行政を見ても、試行錯誤の中で、一つの結実を見ているような気がする。豊かな経済事情も反映して、善くも悪しくも個性化教育が盛んである。スポーツの世界を見ても、二十歳前後の若者がそれぞれの分野で主役に躍り出ているのはその成果だろう。


 一人の天才が生みだされるには、良き指導者、同僚との切磋琢磨(せっさたくま)が要るが、そうした教育環境、教育システムは公立、私立にかかわらず模索されつつある。また個性化を実現するには、より規範的な学びの場、人格形成の場が必要だが、それを理解する若者も多くいると思う。


 こうした機運の下に育った新成人は、実力と、より協調性を備え、例えば企業に入ってもさまざまな分野で活躍したり、発明、発見をする人材に育っていく可能性がある。大企業に勤めるもよし、また中小企業を背負って立つもよし。中小企業も、専門性が深化し、自らの技術力を高め、技術開発力を確保し、親企業ないし顧客との共同開発のための力や提案力を持たなければやっていけない時代になっている。


 いかなる立場でも、迅速な意思決定と責任の明確化が求められる。より責任ある地位に就くよう、大志を抱き目標を掲げてほしい。


 しかし一方で、いや応なく、時代の負の遺産も背負わなければならない。米国発の「ジェネレーションY(Y世代)」という新語が日本のマスコミでも見られる。主に一九七五年以降に生まれた若者たちで、団塊ジュニア世代(七一―七四年誕生)の後の世代を指す。日本では、今や百五十万人前後といわれる若者の“自発的失業者”たちの群れと重なっている。就業したものの職場になじめず、さっさと離脱してしまう。


 少子化問題が先鋭化した世代が団塊ジュニア世代であるとすれば、就業問題ではY世代が問題を孕(はら)んでいる。新成人たちはその次の世代に当たる。また今、国会で議論の対象となっている年金や医療、福祉問題などは、政治の最重要課題の一つだ。新成人にとっては“過去の問題”かもしれないが、このような重なる難問を克服していく重要な役割を引き受け、一歩を踏み出していかなければならない。



国家の将来を双肩に担う


 また、自民党は昨年、新憲法草案を公表し、そこに「自衛軍」の任務として日本防衛だけでなく、「国際社会の平和及び安全の確保」を明示した。しかし日本の伝統や文化の継承については無頓着で、粗雑な点も目立っている。憲法改正や、国の安全保障についても大人の一人として真剣に考えてほしい。日本国の将来はまさに君たちの双肩に掛かっている。月並みなはなむけながら、しかし実感としてそう思わざるを得ない。

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