米牛肉輸入禁止/信用回復へ米は誠実な対応を | 世界日報サポートセンター
2006年01月26日 16時36分03秒

米牛肉輸入禁止/信用回復へ米は誠実な対応を

テーマ:今日の社説


 米国産の輸入牛肉にBSE(牛海綿状脳症)の危険部位が混入していた問題で、日米両国政府は局長級会合を開き、ペン米農務次官が謝罪した。米側は、原因と再発防止策に関する最終的な報告を取りまとめる方針を示した。


条件守る意思があったか


 米側が日米の合意事項を順守できなかったことは遺憾だが、日本の消費者の信頼を回復できるよう早急に原因を究明し、再発防止策を徹底するなど誠実な対応を示さねばならない。日本側もその報告を受けた上で輸入再開の是非を判断すべきで、いたずらな感情的反発は避ける必要がある。


 米牛肉の輸入禁止は二〇〇三年末、米国で初めてBSE感染牛が確認されたことによる。日米両政府は、一年半に及ぶ協議の末、昨年十二月に①生後二十カ月以下の牛に限定②病原体の異常プリオンが蓄積しやすい脳や脊髄(せきずい)など危険部位の適切な除去――の二条件を満たせばBSE検査なしで輸入することを認めた。


 これは食品安全委員会で科学的議論が尽くされた結果を踏まえた判断で評価できる。しかし、今回、輸入肉の中に、特定危険部位が混入していたことが発覚した。米側が条件を守らなかった以上、輸入禁止は当然だが、新たな教訓も得られたはずだ。これを機に、より効果的な再発防止策を日米双方で考える必要がある。


 確かに「ボールは米側にある」(中川昭一農水相)が、「政府は最も守るべき国民の生命と健康をないがしろにした」という前原誠司・民主党代表の代表質問での指摘は的を射ている。


 問題の牛肉に輸出証明書を出した米農務省検察官が、危険部位の除去義務を知らなかったという。また、検察官が出荷段階だけでなく、牛を解体する段階でも混入を見逃していたことが明らかになった。米側はどこまで二条件を守る意思があったのか。


 米国は、少なくとも検査官および日本向けの食肉処理をしている全施設の担当者に対して、義務の周知を徹底させるべきだ。また、検査態勢の見直しも必要である。


 日本政府の代表が施設を訪れ、その確認を行うことも消費者を安心させることにつながろう。先月、輸入再開直前、農水、厚生労働両省の調査団が米コロラド州の食肉処理場を訪れ、安全性を確認した。今回は米政府の対応を踏まえ、約四十の全施設の立ち入り検査を実施したらどうか。また、食肉処理作業員の技術レベルに疑問が出ている。米側が危険部位の除去を確実に行うために、どう取り組むのか注目したい。


 一方、今回の問題の牛肉は、通関で一部位につき一箱以上を抜き出して検査して発見されたが、もっと検査数を増やす方向で検疫体制を強化する必要があろう。また、安倍晋三官房長官は、国内の輸入業者に既に輸入された牛肉に危険部位が混入していないかどうか自主的に調査し、報告するよう求めたが、当然の措置である。


 ただ、家畜の安全基準を定める国際獣疫事務局(OIE)は、生後三十カ月未満の牛は「BSEが見つかる可能性が少ない」として、各国に検査を求めてはいない。日本だけが全頭検査を行っている。従って、輸入再開に当たり食品安全委員会による米国産牛肉の危険度の再評価をするには及ぶまい。



米の改善策に冷静な判断を


 米側が当初の再開条件とした二条件を守るよう、どう改善したかを冷静に判断することが求められよう。日米両国の信頼関係を高める方向での米側の緊急対策と追加対応策を求めたい。



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