海洋ゴミ問題/国際協力体制の強化が急務 | 世界日報サポートセンター
2006年01月06日 16時48分22秒

海洋ゴミ問題/国際協力体制の強化が急務

テーマ:今日の社説

 今年は海洋環境の保護を義務付けた「国連海洋法条約」を日本が批准して十周年を迎える。海上保安庁は日本全国の海岸に漂着する海洋ゴミ対策を重視しているが、毎年のゴミの量は、五万㌧から十五万㌧に上り、減る傾向にないという。国際間の協力体制の強化を急ぐべきである。


日韓中ロが対策推進合意



 対馬上県町で平成十五年に回収した漂着ゴミは、二百五十八㌧に加えてポリ容器千個。処理費用に千三百四十万円を要した。北海道の知床でも、ユネスコの世界遺産に登録される際に地元の人々が頭を痛めたのは、海岸に打ち寄せられる海洋ゴミだった。地元では事前にクリーン作戦を実施。羅臼で百人が二時間の作業で集めたゴミは百五十袋。斜里では七十人が二時間かけて一㌔の海岸を清掃したところ、集めたゴミは四㌧トラック二台分だった。


 深刻なのは、年々増えているというオホーツク海に漂うプラスチック・ゴミだ。一九七〇年代に北太平洋上で一平方㌔当たり回収したプラスチック片は数千個だったが、八〇年代には数万個となり、九〇年代には数十万個に上った。


 五月に南太平洋からやってくる小さな海鳥が、魚類を捕食しようとして、プラスチック片を飲み込んでしまう例も増えている。


 ゴミが海洋生物に与える影響は深刻で、漁網が首に絡まったアシカ、ウミガメの胃から見つかった大量のプラスチック、くちばしにテグスをぶら下げているアホウドリなどが報告されている。プラスチックを食べたりして死んでいく鳥は、年間百万羽、ウミガメは十万匹にも上るという。


 島嶼(とうしょ)ではさらに深刻だ。包装紙、缶詰、ペットボトルなどの生活用品、網、ロープなどの漁業資材、さらに工業用のポリ容器などが漂着する。そのため、「島ゴミサミット」が平成十五年に山形県飛島で、十六年に長崎県対馬で、十七年に島根県隠岐で開かれてきた。今年は具体的に「海洋ゴミ対策のためのプラットホーム」を策定すべく準備している。


 また、離島では、外国からの漂着ゴミの多いことも特徴の一つだ。日本のゴミは5%から20%だが、外国のゴミは10%から30%を占めている。国籍不明のものも多いが、日本海の隠岐では韓国からが七割、中国・台湾から三割。逆に太平洋の新島では韓国からが三割、中国・台湾からが七割。飛島ではロシアのゴミも加わる。これは海流や風によるものだ。


 漂着ゴミを少なくするためには、ゴミそのものの排出を抑制する必要がある。罰則を含めた法的な整備も必要であり、国際間の協力も不可欠である。


 昨年十一月、富山市で北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)の政府間会合が開かれ、日本、韓国、中国、ロシアの四カ国で、海洋ゴミ問題に関するプロジェクトを推進することが合意された。


 計画内容はワークショップの開催や、モニタリングの体制づくり、クリーンアップ・キャンペーンで、第一歩を踏み出したところ。排出を抑制する具体策はこれからの重大な課題だ。



海上保安庁の指導強化を


 海上保安庁では海事漁業関係者向けの講習会を開催し、廃棄物不法投棄の取り締まりにも力を入れている。また、昨年の「海洋環境保全推進週間」には、小中学生を対象とした海洋環境保全教室を二百三十七回開催した。


 海洋ゴミ対策には、国際協力とともに、海上保安庁のリーダーシップを強め、漁業関係者や若者の意識を高めることも重要である。


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