郵政民営化―マスコミの反応あれこれ | 世界日報サポートセンター

郵政民営化―マスコミの反応あれこれ

渦中の郵政民営化法案の骨子決定でも政府の安易な姿勢を批判できぬ日経、東京など各紙

「骨抜き」限界と日経

 さる四日、今月中に政府が提出予定の郵政民営化法案の骨子が決定した。竹中平蔵郵政民営化担当相と麻生太郎総務相との間で調整が付かず、小泉純一郎首相の裁定という形での決定である。各紙はこのニュースを翌五日付一面で報道、社説だけでなく他面で関連記事を載せ大きく扱っている。
 まず、郵政民営化を社説で連載するほど民営化推進論を強烈に展開する日経。同紙は一面で事実報道のほかに、「骨抜き」はもう限界、とする編集委員の署名記事を掲載。社説でも「改革の原点がかすんだ郵政民営化」との見出しで、民営化に慎重な自民党に譲歩した政府の姿勢を批判、「今後の国会審議を通じてまっとうな民営化に軌道修正すべきである」と断じる。

 

 東京社説「どこまで妥協するのか」、産経社説「首相の郵政決断 それでも評価はできない」、毎日社説「小泉裁定 身内の対立劇はもう食傷」「郵政民営化骨格 改革の方向がずれている」も、日経とほぼ同様の論調である。

 

 読売は、三月二十八日付社説で「小泉『改革』 政策の優先順位が違わないか」を出し、「郵政民営化が果たして最優先すべき政策課題なのだろうか」と小泉改革に疑問を呈し、それまでの郵政民営化に対する論調が変わったのかと期待させたが、五日付のそれは「看板の掛け替えに終わらせるな」との見出し。「この内容では改革の趣旨が貫徹されるかどうか疑問が残る」と、日経などと同じ民営化には疑義を挟まぬ、相変わらずの論調だ。

冷めた朝日にも疑問

 

 各紙が言う「民営化の原点」「民営化の趣旨」とは、特に資金面で郵貯や簡保を通じて集められた多額の資金が財政投融資として公団などに流れ、無駄遣いの原因を招いている状況を変え、それを民間で有効に生かそうということである。しかし、小欄や本紙社説などで既に何回も指摘しているように、その認識は民間に資金需要がない現状を全く理解しない空虚な論理である。

 

 その点、朝日の社説は、昨年九月にまとめた「基本方針からの後退が目につく」と指摘するものの、先述の五紙より冷静というか一歩引いた感じである。

 

 「全国の郵便局網を残す」「雇用は守る」といったバラ色の夢を描きながら、民営化という大手術が本当にできるのか。この政府案で、何より気になる点だ--朝日社説はこう指摘し、政府の姿勢に「?」を感じ始めているようだ。同社説は後半の方でも、「(政府側の)『どこにも痛みがない』と装う民営化議論の矛盾は、いずれ噴き出す」として、自民への妥協というより、民営化に対する政府の楽観的スタンスを批判する。

 

 その朝日も、どうかという点がある。確かに朝日が指摘するように、郵便も、郵貯や簡保も実際には「じり貧」の状態。しかし、そうした業務に活力を取り戻すのに、なぜ「民営化が欠かせない」となるのか。「民営化」は自民党と政府の調整過程にみられたように複雑な問題を引き起こす。民営化でない、公社形態を維持しての改革案ではなぜいけないのか。

 

 また、朝日を含めて、民営化に伴う変化、それがもたらす影響に対して危機意識が希薄である。その点では、手前味噌になるが、本紙社説が民営化の問題点、政府の民営化に対する楽観というより無責任さを厳しく糾(ただ)している。

 

///////////////////////////////////////////////////////
☆ 大変申し訳ありません。この記事は、世界日報社との取り
  決めにより全文掲載することができません。どうしても全
  文が読みたい!という方は、迷わず こちら をクリック!

 

☆ こちらもご協力お願いします。
 ⇒人気ブログランキング!
///////////////////////////////////////////////////////