4千人を割った地方議員数―日本共産党 | 世界日報サポートセンター

4千人を割った地方議員数―日本共産党


さらなる柔軟戦術で集票に“狂奔”か

 日本共産党の地方議員数が4000議席台を割った。同党はホームページで議員数を公開しているが、昨年12月までの地方議員数は4018議席だったのが、今年1月27日現在は3975議席になった。3000議席台への後退は7年9カ月ぶり。
 同党中央機関紙「しんぶん赤旗」を見ると、同党の大健闘ぶりが伝えられている。1月31日付1面には「10人全員が当選 北九州市議選で日本共産党」との見出しが当選者らの万歳の写真とともに報じられた。また、2月7日付1面には「長崎市議選 定数1の2選挙区で当選」と、これまた当選者らの万歳の写真入りで載せた。だが、実際は地方選でもじりじりと退潮傾向が続いたことを示している。

 共産党地方議員数が4000人台を超えたのは同党の躍進期だった1997年4月27日で、4001議席になった。当時の不破哲三委員長は、同年9月21日の地方選で4051議席になったことから、翌日の中央委員会報告の中で4000議席台までの50議席増が8年かかったのに対し、4001から4051の50議席増は5カ月もかからなかったと強調したのである。98年4月には全国地方議員会議を開き、「しんぶん赤旗」紙上で「史上初、4千人の地方議員が一堂に」との大見出しで、1面トップで大々的に宣伝もした(同年4月28日付)。

 その後も同党は勢いがあり、99年から2000年にかけては4400議席台になったが、01年の都議選敗北、参院選敗北で退潮傾向が顕著になると地方議員数も減じていった。

 昨年7月2日に東京・新宿での衆院総選挙の応援演説の中で不破議長は、共産党の地方議員数を「4140人」と2003年末の総務省の統計を元に第一党ぶりを強調していたが、昨年1年間で大台の“貯金”140議席は選挙の敗退ですべて使い果たし、今年1月の3975議席への後退となったといえる。

 共産党にとって国政選挙での凋落(ちょうらく)も深刻だが、50万の党員を目指す党勢拡大運動の中で地方議員の後退は党基盤の弱体化を意味する。

 従来の共産党シンパ以外にも支持を増やすことを意識してか、共産党はインド洋大津波被災地域への自衛隊派遣の容認、「天皇制」との当面の共存、2月7日の北方領土返還要求全国大会での志位和夫委員長による千島列島全党返還要求など保守層受けをも狙う柔軟戦術を繰り返している。

 また、政党の中で最大規模で最新施設の党本部ビル建設で党勢をアピールするなど、「共産党らしからぬ」イメージを演出している。共産党の主義に照らせば狂奔と写るが、選挙の集票のためにウィングを広げようとの切実な事情がありそうだ。

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