リアウインカーにテールとブレーキランプ機能搭載
テール&ブレーキランプ化
フロントウインカーをポジション化したときに、リアも手をつけようと思いつつ見送っていて、
更にストップランプ機能を加えるとなると切替も複雑になることもあり、
最近になってそろそろ機は熟してきたかな~ってことで、チャレンジしてみることにした。
<効果>
ブレーキ発光面積が増えて後車の追突防止にも大いに有効になる。
テールウインカーを遊ばせておくのはもったいない(笑)
優先順位の原則
ひとつのウインカーケースの枠内では同時の点灯があってはならない。
ウインカー(橙色)
ブレーキ(赤色)
テール(赤色)
ウインカースイッチ
<本来のウインカーの仕組み>
ICウインカーリレーから、スイッチ操作に関わらず絶えずパルスのウインカー信号が
発生していて、それをハンドルスイッチにより左右、
そして合わせたハザードを切り替えてLED・電球を光らせている。
<ウインカー信号をすげ換える>
断続したウインカー信号をそのまま扱うことは面倒なので
ハンドルのウインカースイッチを切り離し、増設したリレー回路を挟んでやる。
ハンドルのスイッチに、ウインカーリレー信号の代わりに、
R/BLなどの12V信号を流してやり、
これをスイッチ操作して、優先順位の原則に沿って組んだリレー回路を切り替えてやる。
ハンドルバースイッチにつながるハーネス
スイッチ変更で変換ケーブルがついている。
今回はこの部分に回路を加える。
変換ケーブル完成
ビニールテープで巻かれた部分は
以前作った右ハンドルバースイッチ連動リレー
その下のケースが今回加えた回路
ケースから伸びるのがリアLEDへつながる。
内部基板
このリレー個で、優先順にしたがって切り替わる
そしてテール/ストップ用の電流ドライバ2個収めた。
実は3回基板を作り直した(笑)
ウインカーLEDの直前にはさむケーブル
電流モジュールを収めたケース
ウインカーLED用の電流モジュール左右それぞれ分と
共通するブレーキ/テール用LEDを直列接続配線。
パワーLED
<配置>
奥底にパワーLEDを設置することで、
レンズまでの距離を稼いで、
レンズ全体に発光があたるようにした。
大胆にケース背面を加工して、
ヒートシンク(3×3×2cm)を取り付け放熱対策。
<役割分担>
片側ひとつあたり
ストップ、テール兼用赤色3WパワーLED「OSR5XME3C1E」×1
ウインカー黄色(橙色)3WパワーLED「OSY5XME3C1E」×1
<ドライバ>
定電流LEDドライバモジュール
ストップ3W用、テール1W用減光改造を切り替える。
左右2個のLEDを直列接続して1つのドライバで駆動させる。
念のため入力の交流用のブリッジダイオードを撤去してロスをなくす。
ウインカー3W用
こちらは左右それぞれにノーマルなドライバをあてがった。
共用のストップとテールは、
ブレーキの3Wドライバに対して、テールを電流半分程度の1Wドライバで
減光効果が期待できるかと思ったが、実際はかなり明るくなってしまって差がわからないので、
調光調整が可変できるように改造した。
ドライバの改造
1W1個用「OSMR16-P1211」と、1W3個用「OSMR16-P1231」の見た目の違いが
判らなかった(笑)。
3W用の「OSMR16-W1213」ドライバの調光改造は探すと見つかるので、参考にした。
特に最近の3W用では、ICに「PT4211」「PT4205」が使われているのが多い様子で、
1W用がこの改造記事のように、ICに「CL6807」が使われていて、
5kΩ多回転トリマ、510Ω抵抗、3.3Vツェナダイオードを追加して動いた。
1W用モジュールには、
IC「CL6807」が使われていた。
仮配線して、調光改造動作チェック
モジュールの入力ダイオード撤去して部品を配置
小型化してみた。
ウインカーレンズ
<レンズの塗装>
発光色が指定の色になれば、レンズは何色でも構わないらしい。
とりあえず、以前使用したドレスアップスプレーの赤色で表面をスプレーして、
無発光時の基本色をテールランプの赤色にする。
今後はレンズ染め液タイプの方が
「塗った感」が無いと思うので
そちらにもトライしたい。
<気になるレンズ越しの発色>
パワーLEDの強力な橙色、赤色の元となる色ならば、
レンズ色の影響少なくきれいな発色となり、
今回のウインカー色で、オレンジ色になってひと安心。これが要ポイントだった。
いよいよ実装
4月27日
<ケーブル類の接続>
カウルに装着
リアフレームと干渉する部分があったので、
フィンを1本づつニッパでちょん切った。
ディスクグラインダーの必要はなかった(笑)
タンク下の変換ケーブル回路
リヤ側のウインカー電流モジュールケーブル
<点灯チェック>
テールランプとして
光量は十分だが、
今度は中央のテールの赤色の薄さが気になる
ハザード&テール
折角のウインカーのオレンジが、
テールの赤色の薄さで引き立たない
中央のテールランプには白色3チップLEDを使用しているため、
こうして赤色LEDと並べてみると発色が薄いことがわかってしまう。
メリハリが感じられないので、この部分も考慮する必要がでてきた。
今度はブレーキランプLEDレッド化
やはりテール&ストップランプの赤色が薄くて統一感、一体感がないために、
構成としてはウインカーでの作業要領を踏襲してLED化を実施することにした。
4月28日、GWはじめの日曜日の秋葉原歩行者天国
赤色パワーLEDを調達のため買い出し。
秋月などの電子部品店のある裏通りも人はいっぱいで
こういう電気好きな
恐らく関連職に従事している人たちがいるからこそ
日本のエレクトロニクス産業は
成立しているんだなといつも思う
<パワーLED>
これまでは白色3チップLEDを多段に重ねたソケット式を製作していたが、
今度はウインカーの改造要領と同様にソケットを取っ払い、
ウインカーと同じく赤色パワーLEDを使用する。
円盤状の放熱基板にLEDを設置して、
ちょうどソケット撤去の穴にはまる。
そして背面のヒートシンクに接着した。
写真では放熱基板の上に
シリコンシーラントでたっぷり盛って接着後。
この放熱基板のいいところは、裏面がLEDと電気的に絶縁されている点にある。
パワーLEDのアノード(プラス側)が放熱面になっているために
ヒートシンクに直接接着させると、ショートなどの接触トラブルの恐れがあるため、
放熱シートなどで絶縁してから接着させる必要がある。
特にウインカーの時のように2個LEDを並べたときは必ず絶縁しないと面倒なことになる。
なので放熱基板はその必要がなく、更にヒートシンクに貼りつけると効果的になると思う。
ナンバープレートは白色3チップLED
「OSW543Z4E1P」1個を
1mm厚のアルミ板をコの次に折り曲げて設置。
レンズカバーを被せると赤色を遮り、
下部中央から白色LEDが見える。
<回路>
ここもウインカー部と同じく、ブレーキ時は3Wの定電流モジュール、
テール時は1Wの調光改造モージュールをリレーで切り替えるようにした。
この回路部分はケースに入れる事も考えたが、
大きなスペースを利用して配線。
これならば接続コネクタだけでスッキリ。
これだけそのまま既存の無改造ZZRに差し替えても
回路が搭載されているので
パワーLED対応のテール/ブレーキランプになる。
実用性大(笑)
動作チェックが済んでから、
配線を黒系のシリコンシーラントで固めた。
多回転トリマの調整ねじ部分だけ出した。
装着でトリマーは上側だと覗き込まないといけないので
下側にあった方がよかった。
一度調整したら動かすことはないと思うが。
やってよかったレッド統一
<赤色のLED発色は綺麗>4月29日
高出力のパワーLED恩恵で放熱処理と電流制限用抵抗の問題をクリヤすれば、
これまでの電球に代わるものになると思う。
LEDを沢山並べる手間がなくなるが、
逆にデザインとしての粒々のLEDらしさがないかもしれないが(笑)
特に今回も定電流モジュールの調光改造は、
大幅に発熱も抑えられて、大いに有効なことがわかった。
ウインカーでもテールランプでも、これでもかなり調光を絞っていて、
なんといっても発熱が非常に少なくなるメリットあり!
イグニッションオフ
日没時や夜間のテストでは明るさの意味がないので、
日中に実施。
テールランプ点灯
まずはテールの目的の赤の発色確認!
これでも大分明るさ抑えめにしてある。
加えて両サイドの兼テールもオン
やっぱり統一されて一体感が漂う。
2倍も3倍にも視認性があがって
存在感アピール効果ありそう。
ハザード
色の区別がはっきりしてメリハリが出た!
右ウインカー
左ウインカー
ブレーキ
あざやか!
これなら後車にも確実に認識されるでしょう。
肉眼では平均化した発光に見えます。
レンズ下部のナンバープレート用の白色LED
夜間だけ見えればいいので
角型3チップLED「OSWX4EZ4E1P」
1個で十分明るい。
以上、ウインカースイッチの回路を、ウインカーリレー信号を12V信号にすげ換えて
リレー制御、そしてパワーLEDを使うアイデアはすんなり発想できたが、
具体化に際してみると結構大変だった。
①スイッチ回路、②パワーLED、③定電流ドライバ、各ブロックで工夫が必要になったが、
甲斐あってやってよかったと思える改造になった
<12/19追記>
ブログの文字サイズのフォーマット変更に際しての修正のついでに、
記事内の記載で「ポジション」「テール」に変更修正。
リヤ側のウインカーについては、
「ポジション化」よりも「テールランプ化」の呼称の方が適している。
12月現在も全くメンテフリーで、あの尋常なかった暑い夏も乗り越えて異常なし。
ZZRのカウル一体のウインカーが埋蔵されたデザインらなではのテールランプ化は、
見た目だけでなく、背後からの追突防止効果にも有効な実用性も兼ねた改造になったと思う