丸ノ内朝大学のStoriesでインタビューを受けました!
伝統医療に出会うことで、
ボロボロになった理由が見えてきた
「薬膳」というと、敷居が高いイメージを持つ人が多いかもしれません。
自分の体質やその日の体調に合った食べ物をいつもの食事に取り入れ、身体が内側から元気になるイメージを膨らませることが、薬膳の考え方。
実は、簡単に生活の中に取り入れられる身近なものでもあるのです。
「やさしい薬膳クラス」を担当する天野賀恵子先生は、「“朝起きて何を飲みたいか”を考えることも薬膳の一つ」と言います。
「薬膳を学ぶと、“なぜいつもコーヒーを飲みたくなるのか”という理由がわかってきます。
コーヒーの香りには気を巡らす効果があって、ストレスを感じる時は香りを求めてコーヒーを選んでしまうんですね。
日々の生活の中で、自分が選択していることにはすべて理由があります。それがわかってくると、薬膳がぐっと身近になりますよ」
天野先生が中医学や漢方などの伝統医療を学び始めたのは、30歳を過ぎてから。
大学時代に発症したアトピー性皮膚炎をちゃんと治したいと思ったことが、きっかけだったそうです。
「大学4年のときに、就職活動のストレスでいきなりアトピーになったんです。顔の人相が変わるくらい腫れてしまい、たまたま内定をもらった会社が化粧品メーカーだったので、この顔で……というのがさらにストレスになりました。
ステロイドでおさえながらやり過ごす日々を送っていたのですが、“なんで私だけ?”ってずっと思い続けていましたね」
化粧品メーカーで営業職を3年間務めたのち、バックパッカーで海外を周り、帰国後は英会話スクールに転職。
7年間にわたり教室のマネジメントや人事、広告宣伝などの業務を担当し、当時は激務の日々だったと振り返ります。
「夜中2時頃まで仕事して、その後飲みに行くという生活を続けていたので、身体はもうボロボロでした。今は当時のことを“暗黒時代”と呼んでます(笑)。
やりがいはあったんですが、“倒産するかもしれない”という情報が耳に入り、これもいいタイミングかもしれないと、すぐに辞めることを決めて、そのための準備を始め、32歳の時に退職しました。
その後は自分のやりたいことをやろうと、地元の宮崎に戻り、当時流行っていたゲルマニウム温浴のサロンを始めたんです。
それと同時に、ようやく少し自分の時間ができたので、本腰を入れてアトピーを治そうと思いました。
漢方薬にはなんとなくいいイメージを持っていたので、試しに処方してもらって飲んでみたら劇的に効いたんですね。
身体の内から効くというのを初めて実感したんですが、保険外なので、値段が高くてなかなか続けられない。
でも自分で食事や生活を変えていったら、こんな感じで治るのかなとイメージができたんです。
そこから漢方や中医学、アーユルベーダなどを学び始めました。
学んでいくうちに自分の身体の傾向や不調の原因が理解できて、当時は“なんで私だけ?”と思っていたのが、“あの頃の自分なら仕方ないな”と素直に思えるようになりました。
そこからどんどんおもしろくなりましたね」

