映画『クロッシング』 | 「映画」再訪―時間の王国を生きる

「映画」再訪―時間の王国を生きる

私は映画を見終わったあと、“時間”の王国に生きる自分を発見する。時は容赦なく、すべての人間を順繰りに運び去る地上の王である。私はかつて見た映画を見直し・感じ直し・出会い直しながら、誰も逃れることのできない時間というものの持つ諸相を引き寄せてみたい。

2010年6月30日(水)吉祥寺バウスシアター(東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-23、JR吉祥寺駅北口徒歩約5分)(cf. 本ブログ〈2016年05月03日〉)で、14:40~鑑賞。



作品データ
原題 크로싱
英題 Crossing
製作年 2008年
製作国 韓国
配給 太秦
上映時間 107分

日本公開 2010年4月17日



『オオカミの誘惑』『百万長者の初恋』のキム・テギュン監督が、北朝鮮と脱北者を巡る想像を絶する現実を描く社会派ドラマ。やむにやまれぬ事情によって脱北者となった男性と、その妻子がたどる壮絶な運命を、衝撃的かつ詩情豊かに語り明かす。過酷な現実に翻弄される主人公を『韓半島-HANBANDO-』のチャ・インピョが熱演。
本作は2002年3月、脱北者25人が北京のスペイン大使館に駆け込んで韓国亡命を果たした「北京駐在スペイン大使館侵入事件」をモチーフにしており、4年間の企画・製作期間~実際の脱北者100人余りへの入念な取材に基づく~を経て公開された。脱北者問題を取り扱った映画であるため、ロケは韓国、中国、モンゴルにて秘密裏に行なわれた。日本では、シネカノンの配給により『クロッシング 祈りの大地』の題で2009年春に公開予定だったが中止され、別会社により約1年遅れの公開となった。

ストーリー
2007年。北朝鮮の炭鉱で働く元サッカー選手のキム・ヨンス(チャ・インピョ)は、妻ヨンハ(ソ・ヨンファ)と11歳の一人息子ジュニ(シン・ミョンチョル)と共に貧しい生活ではあったが幸せに暮らしていた。父子はサッカーで遊ぶのが大好き、雨の中、ボールを蹴る。だが、ある日、妊娠中のヨンハが肺結核で倒れてしまう。風邪薬も容易に手に入らない北朝鮮では、特効薬を入手するには隣国の中国へ行くしかなかった。ヨンスは中国に渡ることを決意、決死の覚悟で国境を越え、やっとの思いでたどり着いた中国で薬を買うために、森林伐採の仕事に就く。しかし、不法労働の現場が発覚、無一文で公安に追われる身となってしまう。中国では、北朝鮮からの脱北者は発見されれば容赦なく強制的に送還される。それは、死をも意味していた。ヨンスは薬を得るまでは戻れないと身を隠していたが、北朝鮮の実情を話せばお金を得られるという話が舞い込み、インタビューに応じることにする。その頃、北朝鮮では夫の帰りを待ちわびていたヨンハがひっそりと息を引き取っていた。孤児になったジュニは、父との再会を信じ、国境の川を目指す。途中、やはり家族と引き裂かれた幼馴染の少女ミソニ(チュ・ダヨン)と出会うが、二人は脱北に失敗、無残にも強制収容所に入れられてしまう。そんな中、瀋陽のドイツ大使館を経由して、韓国のソウルにたどり着いたヨンスは、すぐに息子捜しを依頼する。その仲介者によって、ジュニは中国の国境を越え、モンゴルの平原への脱出を果たしたとの報がもたらされるのだが…。

▼予告編