あけましておめでとうございます。小島です。
同窓会で8期のFUNもますます活況を呈しそうで、今週からのFUNゼミが楽しみですね。
皆さん、今年もどうぞよろしくお願いします。
さて、11月に富田君、佐藤さんを中心に集めてもらったセルビアの友人への質問に回答が来たので、ここに翻訳して転載しておきます。英文を見たい方は後日個別に言って下さい。
フルーツチームのメンバー(まだまだ募集中)はぜひ英語で一緒にメッセージビデオを作りましょう。これが夏のアジア使節団につながりますよ。
では、以下ご覧下さい。
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日本の皆さん、こんばんは。皆さんが小島先生に手渡した質問のうち幾つかのものに回答してみました。本回答が皆さんの知りたい事柄についてより良い像を結ぶ手がかりとなれば幸いです。 ラシャド・メキッチ
①なぜあなたは新たな人生の舞台としてマレーシアを選んだのですか?
マレーシアを私の人生の次の舞台に選んだのには、いくつかの理由があります。世界的に、国際的に最も話されている言語である英語を学び、また、私が続けてきた英語の勉強を継続したかったことが一つ。また、文化の多様性を持ち、世界のそれ以外の地域に多大な影響を及ぼす最大の大陸であるアジアはいつも私を魅了してきました。金銭的にも都合が良く、マレーシアはイギリスやアメリカやオーストラリアといった英語圏の国で学ぶよりずっと費用が安かったこともあります。また、マレーシアではセルビアの大学で学ぶ以上に学部の選択肢が多く、特に現代的な学科についてそうでした。
②あなたにとって、イスラムとは何ですか?
イスラムとは生き方です。イスラムは人がいかに振る舞うべきかを教え導くために与えられた指針です。私たちムスリムが信じ、また歴史が私たちに証明してきたように、人間は行動において、他人との関わりにおいて、神との関わりにおいて、そして何より我々自身との付き合いにおいて、未だかつて最高の生き方を発見したことはありません。
私たちは自分たちがその中に暮らす文化や国家によって異なる法や指針を持っています。ムスリムは、完璧な指針は人類に対する慈悲としてただアッラーのみによって示されるものだと信じています。私たち人間は、その心が不完全であるために決して完璧な法や指針を生み出すことはできません。だからこそ、権力や利益の影響の中にある政府に従って日々変化する現在の法を人間は作りました。アッラーのお導きは人生のあらゆる分野を覆うものであり、私たちにどう振る舞い、そしてどうそれを実践に移すかをお示し下さるものです。
③セルビアの人たちは、日本と日本人についてどんなイメージを持っていますか?
私たちセルビア人は日本という国に対して、特に豊かで高い価値を持った文化を持つ国であるという点でとても高い評価をしています。なぜか。あなたはそう尋ねるでしょう。豊かで高い価値を持つ文化という意味で、日本人は私たちセルビア人に次のように認識されています。
◆伝統を非常に重んじる
私にとって、文化とは過去の世代が発見し、世の中に対して利益をもたらすか、日常生活のあらゆる分野において価値を発揮するかどうかを試され、未来の世代を通じて大切に守り伝えられるべき一個の生き方のことです。
◆知識を重んじ、よく働く
日本人は世界の中で最もよく働き、知識を重んじ生産的だというのはまだよく知られていない事実です。知識と勤労は個人の生き方の基礎的な価値であり、日本人はそれについて語らず、身を以て示します。
◆自己に対する規律を非常に重んじる
私はどの社会も個の規律を重んじるように訓練されるべきだと信じます。それは最も実現可能な方法の中でいかに自己を管理するかを知り、一方で他人との交際から起こりうる障害を未然に防ぐ、という意味においてです。
◆とても創造的である
創造的であるとは、この世において完璧なものは何もなく、同時に全ては発展の余地を持っているという事実です。それは特定の事柄やそれに対する考察の基礎が、物事が継続されるに当たってよく検討されたという意味でもあります。
今、あなたは自分の国をとても誇りに思っていることでしょう。そして私の国ではこう言います。「自分の文化を尊敬しえない者は、他者の文化を尊敬することもできない」と。
④大学では何を勉強しましたか?なぜその専攻を選んだのですか?
高校で人間科学を専攻していたことから、それに関する専攻を選ぶこともできましたが、大学では人生の基礎を成すものと考えるようになったコミュニケーション学を専攻すると決意しました。社会的存在である我々は、異なる国や文化の相違を学び、人間相互が影響を与え合い、受け合う上でコミュニケーションを基礎的な道具としています。私は、当時(1993-1997)最新の手法であったPRを専攻しました。
私はこの専攻を通じ、国家、人種、宗教、大衆、知的エリート、教育を受けられなかった人々など、異なる階層の人々とより適切に意思を通じさせる知識を得られたと確信しています。それに加え、仕事において、自身を異なる考えを持つ人々の集団といかに適合させ、接近するかについて学ぶところがありました。
⑤セルビアと日本がビジネスで協力するとすれば、何が可能になると思いますか?
セルビアと日本はビジネスの分野において多くの協力が可能だと信じています。しかし私が特に焦点を当てたいのは以下の二点です。
セルビアは日本に豊富な天然資源と熟練した労働力を背景として協力を行い、一方日本はセルビアにその高度な技術と知識、そして組織運営技術を提供するというものです。地理的にはセルビアはヨーロッパの一部で、もし日本の新興企業や大企業が欧州市場に戦略的な足がかりを作りたければ、セルビアは欧州市場進出の入り口としての役割を果たすでしょう。
また、セルビアの天然資源はまだほとんどといっていいほど開発されていません。私の意見では、セルビアはまだ経済制度を社会主義から資本主義に移行させる上でさらなる時間を要することと考えています。この分野において、日本企業はセルビアで主導的な役割を果たせることでしょう。
⑥ここ日本ではキリスト教徒はしばしばイスラム教は危険な宗教だと言います。しかし私たち日本人は両者の区別があまり分かりません。イスラム教とキリスト教は唯一絶対神を持つ点では同じだと思います。イスラム教とキリスト教の違いは何ですか?
キリスト教徒がイスラムを危険だと言うのは、イスラムが発展しているからです。イスラム教は現在世界で最も急速に拡大している宗教です。なぜイスラムが危険というのでしょうか。もしあなたが歴史を通観すれば、ムスリムは未だかつていかなる虐殺や暴政にも関与したことがなく、誰に対しても改宗を強要したことがなく、他宗教の施設を破壊したこともないという事実を知るでしょう。
例えば、アラブはスペインを長い間統治しました。しかしアラブは誰にも改宗を強要せず、現地の人々の文化や生き方を尊重しました。私が生まれ育ったバルカン半島でも同じで、例えばオスマン・トルコ帝国支配下にあっても古い教会は昔のままの姿で残り、セルビア人やクロアチア人は500年間変わらずキリスト教を信仰しています。
イスラムとテロを結び付ける考えは強硬なキリスト教徒であるブッシュ前大統領によって特に拡張され、石油を得るためにイスラムを打倒しなければならないという名分が掲げられました。アイルランド、日本、アメリカ、イスラエルにもテロリストや危険な犯罪者はいます。しかし誰もキリストテロリスト、神道テロリスト、ユダヤテロリストとは呼びません。
私たちイスラム教徒はユダヤ教もキリスト教もかつてはイスラム教であったと考えます。モーゼやイエスは当時預言者でした。私たちムスリムはイエスが神の子であること、そして精霊なるものが存在することを信じません。神が人間の性格を持ち、神、精霊、イエスという三位一体の神格が存在することも認めません。
また、聖書が確実な典拠のある神の導きの集大成だとも信じません。聖書は歴史に沿って書き換えられ、堕落してきました。一方コーランは書かれた時のままで記憶され、その典拠に関しても疑いはありません。
⑦イスラム教を理解するために、どのような本を推薦しますか?
良書は数多くありますが、私は聖典コーランを直接読むことを薦めます。あるいは預言者ムハンマドの言行、実践、助言を記録した「ハディス」も良いでしょう。または「イスラムオンライン」のウェブサイトでも、管理者が訪問者の質問に適切に回答しています。
⑧神風特攻隊とサムライについて、どう思いますか?
神風特別攻撃は、より強い敵に対して可能な限りの戦いを挑む一つの方法であったと考えています。母なる祖国を守るという至高の目的を達成するために、少なからぬ個人が勇敢で悲劇的な攻撃を行いました。イスラエルの侵略から祖国を守るパレスチナの戦いと比較できるかはよく分かりませんが、祖国を守るために人間そのものが爆弾となるほかないという状況は、どちらもよく似ていると感じています。
しかし我々ムスリムにとって、最大のジハード(聖戦)は自分自身、つまり誘惑、個人的欲望、エゴ、悪事などとの戦いにあります。あなたたち現代のサムライが現在戦っているものと同じものかもしれません。
最後に、日本の若きサムライたちへ
考えをよく見つめて下さい。そうすれば言葉が生まれます。
言葉をよく見つめて下さい。そうすれば行いが生まれます。
行いをよく見つめて下さい。そうすれば習慣が生まれます。
習慣をよく見つめて下さい。そうすれば性格が生まれます。
性格をよく見つめて下さい。そうすれば運命が決まります。
同窓会で8期のFUNもますます活況を呈しそうで、今週からのFUNゼミが楽しみですね。
皆さん、今年もどうぞよろしくお願いします。
さて、11月に富田君、佐藤さんを中心に集めてもらったセルビアの友人への質問に回答が来たので、ここに翻訳して転載しておきます。英文を見たい方は後日個別に言って下さい。
フルーツチームのメンバー(まだまだ募集中)はぜひ英語で一緒にメッセージビデオを作りましょう。これが夏のアジア使節団につながりますよ。
では、以下ご覧下さい。
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日本の皆さん、こんばんは。皆さんが小島先生に手渡した質問のうち幾つかのものに回答してみました。本回答が皆さんの知りたい事柄についてより良い像を結ぶ手がかりとなれば幸いです。 ラシャド・メキッチ
①なぜあなたは新たな人生の舞台としてマレーシアを選んだのですか?
マレーシアを私の人生の次の舞台に選んだのには、いくつかの理由があります。世界的に、国際的に最も話されている言語である英語を学び、また、私が続けてきた英語の勉強を継続したかったことが一つ。また、文化の多様性を持ち、世界のそれ以外の地域に多大な影響を及ぼす最大の大陸であるアジアはいつも私を魅了してきました。金銭的にも都合が良く、マレーシアはイギリスやアメリカやオーストラリアといった英語圏の国で学ぶよりずっと費用が安かったこともあります。また、マレーシアではセルビアの大学で学ぶ以上に学部の選択肢が多く、特に現代的な学科についてそうでした。
②あなたにとって、イスラムとは何ですか?
イスラムとは生き方です。イスラムは人がいかに振る舞うべきかを教え導くために与えられた指針です。私たちムスリムが信じ、また歴史が私たちに証明してきたように、人間は行動において、他人との関わりにおいて、神との関わりにおいて、そして何より我々自身との付き合いにおいて、未だかつて最高の生き方を発見したことはありません。
私たちは自分たちがその中に暮らす文化や国家によって異なる法や指針を持っています。ムスリムは、完璧な指針は人類に対する慈悲としてただアッラーのみによって示されるものだと信じています。私たち人間は、その心が不完全であるために決して完璧な法や指針を生み出すことはできません。だからこそ、権力や利益の影響の中にある政府に従って日々変化する現在の法を人間は作りました。アッラーのお導きは人生のあらゆる分野を覆うものであり、私たちにどう振る舞い、そしてどうそれを実践に移すかをお示し下さるものです。
③セルビアの人たちは、日本と日本人についてどんなイメージを持っていますか?
私たちセルビア人は日本という国に対して、特に豊かで高い価値を持った文化を持つ国であるという点でとても高い評価をしています。なぜか。あなたはそう尋ねるでしょう。豊かで高い価値を持つ文化という意味で、日本人は私たちセルビア人に次のように認識されています。
◆伝統を非常に重んじる
私にとって、文化とは過去の世代が発見し、世の中に対して利益をもたらすか、日常生活のあらゆる分野において価値を発揮するかどうかを試され、未来の世代を通じて大切に守り伝えられるべき一個の生き方のことです。
◆知識を重んじ、よく働く
日本人は世界の中で最もよく働き、知識を重んじ生産的だというのはまだよく知られていない事実です。知識と勤労は個人の生き方の基礎的な価値であり、日本人はそれについて語らず、身を以て示します。
◆自己に対する規律を非常に重んじる
私はどの社会も個の規律を重んじるように訓練されるべきだと信じます。それは最も実現可能な方法の中でいかに自己を管理するかを知り、一方で他人との交際から起こりうる障害を未然に防ぐ、という意味においてです。
◆とても創造的である
創造的であるとは、この世において完璧なものは何もなく、同時に全ては発展の余地を持っているという事実です。それは特定の事柄やそれに対する考察の基礎が、物事が継続されるに当たってよく検討されたという意味でもあります。
今、あなたは自分の国をとても誇りに思っていることでしょう。そして私の国ではこう言います。「自分の文化を尊敬しえない者は、他者の文化を尊敬することもできない」と。
④大学では何を勉強しましたか?なぜその専攻を選んだのですか?
高校で人間科学を専攻していたことから、それに関する専攻を選ぶこともできましたが、大学では人生の基礎を成すものと考えるようになったコミュニケーション学を専攻すると決意しました。社会的存在である我々は、異なる国や文化の相違を学び、人間相互が影響を与え合い、受け合う上でコミュニケーションを基礎的な道具としています。私は、当時(1993-1997)最新の手法であったPRを専攻しました。
私はこの専攻を通じ、国家、人種、宗教、大衆、知的エリート、教育を受けられなかった人々など、異なる階層の人々とより適切に意思を通じさせる知識を得られたと確信しています。それに加え、仕事において、自身を異なる考えを持つ人々の集団といかに適合させ、接近するかについて学ぶところがありました。
⑤セルビアと日本がビジネスで協力するとすれば、何が可能になると思いますか?
セルビアと日本はビジネスの分野において多くの協力が可能だと信じています。しかし私が特に焦点を当てたいのは以下の二点です。
セルビアは日本に豊富な天然資源と熟練した労働力を背景として協力を行い、一方日本はセルビアにその高度な技術と知識、そして組織運営技術を提供するというものです。地理的にはセルビアはヨーロッパの一部で、もし日本の新興企業や大企業が欧州市場に戦略的な足がかりを作りたければ、セルビアは欧州市場進出の入り口としての役割を果たすでしょう。
また、セルビアの天然資源はまだほとんどといっていいほど開発されていません。私の意見では、セルビアはまだ経済制度を社会主義から資本主義に移行させる上でさらなる時間を要することと考えています。この分野において、日本企業はセルビアで主導的な役割を果たせることでしょう。
⑥ここ日本ではキリスト教徒はしばしばイスラム教は危険な宗教だと言います。しかし私たち日本人は両者の区別があまり分かりません。イスラム教とキリスト教は唯一絶対神を持つ点では同じだと思います。イスラム教とキリスト教の違いは何ですか?
キリスト教徒がイスラムを危険だと言うのは、イスラムが発展しているからです。イスラム教は現在世界で最も急速に拡大している宗教です。なぜイスラムが危険というのでしょうか。もしあなたが歴史を通観すれば、ムスリムは未だかつていかなる虐殺や暴政にも関与したことがなく、誰に対しても改宗を強要したことがなく、他宗教の施設を破壊したこともないという事実を知るでしょう。
例えば、アラブはスペインを長い間統治しました。しかしアラブは誰にも改宗を強要せず、現地の人々の文化や生き方を尊重しました。私が生まれ育ったバルカン半島でも同じで、例えばオスマン・トルコ帝国支配下にあっても古い教会は昔のままの姿で残り、セルビア人やクロアチア人は500年間変わらずキリスト教を信仰しています。
イスラムとテロを結び付ける考えは強硬なキリスト教徒であるブッシュ前大統領によって特に拡張され、石油を得るためにイスラムを打倒しなければならないという名分が掲げられました。アイルランド、日本、アメリカ、イスラエルにもテロリストや危険な犯罪者はいます。しかし誰もキリストテロリスト、神道テロリスト、ユダヤテロリストとは呼びません。
私たちイスラム教徒はユダヤ教もキリスト教もかつてはイスラム教であったと考えます。モーゼやイエスは当時預言者でした。私たちムスリムはイエスが神の子であること、そして精霊なるものが存在することを信じません。神が人間の性格を持ち、神、精霊、イエスという三位一体の神格が存在することも認めません。
また、聖書が確実な典拠のある神の導きの集大成だとも信じません。聖書は歴史に沿って書き換えられ、堕落してきました。一方コーランは書かれた時のままで記憶され、その典拠に関しても疑いはありません。
⑦イスラム教を理解するために、どのような本を推薦しますか?
良書は数多くありますが、私は聖典コーランを直接読むことを薦めます。あるいは預言者ムハンマドの言行、実践、助言を記録した「ハディス」も良いでしょう。または「イスラムオンライン」のウェブサイトでも、管理者が訪問者の質問に適切に回答しています。
⑧神風特攻隊とサムライについて、どう思いますか?
神風特別攻撃は、より強い敵に対して可能な限りの戦いを挑む一つの方法であったと考えています。母なる祖国を守るという至高の目的を達成するために、少なからぬ個人が勇敢で悲劇的な攻撃を行いました。イスラエルの侵略から祖国を守るパレスチナの戦いと比較できるかはよく分かりませんが、祖国を守るために人間そのものが爆弾となるほかないという状況は、どちらもよく似ていると感じています。
しかし我々ムスリムにとって、最大のジハード(聖戦)は自分自身、つまり誘惑、個人的欲望、エゴ、悪事などとの戦いにあります。あなたたち現代のサムライが現在戦っているものと同じものかもしれません。
最後に、日本の若きサムライたちへ
考えをよく見つめて下さい。そうすれば言葉が生まれます。
言葉をよく見つめて下さい。そうすれば行いが生まれます。
行いをよく見つめて下さい。そうすれば習慣が生まれます。
習慣をよく見つめて下さい。そうすれば性格が生まれます。
性格をよく見つめて下さい。そうすれば運命が決まります。
