2010.11.6(土) ビジネスカフェマラソン (BCM) Vol.110
「税をただす」 日経新聞社・2002
①第一章 「社会主義」卒業できず
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目次
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[1] 本日の内容
[2] 本日の感想
[3] 本日の一首
[4] 編集後記
[5] BC朝の写真館
[6] 次回の予定
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[1] 本日の内容
皆さんこんにちは!西南学院大学の中尾です
今回よりまいまいに代わって中尾が本日の内容を担当させていただきます
精一杯盛り上げていこうと思いますのでよろしくお願いします
最近急に寒くなってきましたね。FUN生御用達の赤ベロの近くにある大濠公園をよく練習で走っているのですが、紅葉がすごく綺麗になってきました
朝晩の気温の変化で風邪をひかないように、手洗いうがいを忘れないようにしていきましょう
『税をただす』いよいよ始まりましたね。
前回の『大本営』とはまた一味違う文献であり、法律や制度についてしっかりと向き合い、「この制度が~だからこのようにしていく必要があるのではないか
」など論理的に自分の考えを述べていくことが大事になってきます
そして今回より司会とブログリーダーを同じ人が務め、リーダーとしてBCを盛り上げていく形となっていますので、一つ一つの言葉をさらに深いところまで掘り下げて話し、より濃い時間を過ごしていきましょう![]()
今回の内容では税制が社会に及ぼす影響を感じさせられる章になったのではないでしょうか?
税金がなければ国にとって必要不可欠なものです
しかし制度に不透明な部分があることや、働けば働くほどお金をもらえないような制度によって活力が奪われてしまいました。
日々時代によって変化する経済の中でどのような税制が良いのか自分で考え、BCで提案していきましょう
『中尾の「今日の税用語」』vol.1
さてそれでは『まいまいの「今日の軍事用語」』に引き続き、
中尾も「税をただす」が更に深めていけるように、僕が読んでいて疑問に感じたことや、分かりにくかった語句をここで詳しく更新していきます
記念すべき第一回の語句は・・・双子の赤字です!!
みなさんは双子の赤字をご存じでしょうか![]()
今回この語句を選ばせて頂いたのは、「税金が増えると活力を奪ってしまうのなら、減税すればいいのでは?」という素朴な疑問を抱いたのですが、それだけでは上手くいかないということを一つの事例から学びました![]()
双子の赤字(Double deficit、Twin deficitとは、1880年代のアメリカ合衆国大統領
ロナルド・レガーン
の政権下、アメリカ合衆国
において莫大な貿易赤字(経常赤字)と財政赤字が並存していた状態をいいます。
)
この背景には前政権から受け継いだ不況の状況の経済回復の課題がありました。
その時に着目したのがインフレと失業。
富裕層の減税による貯蓄の増加と労働意欲の向上、企業減税と規制緩和により投資が促され供給力が向上に繋がる。そして経済成長の回復で歳入が増加し税率低下による歳入低下を補い歳入を増加させると考え、政策を打ち立てました。
しかし実際の展開は想定とはかなり異なります。1970年代末からすでに金融政策はインフレ退治に乗り出しており、政権発足時にはかなり高金利になっていた。
そこに、減税と歳出拡大をセットにした大型の財政政策が発動されることになったため、高金利はいっそう拍車がかかります![]()
この高金利は民間投資を停滞させると同時に日本などの外国資金のアメリカへの流入を促進し、その為替レートをドル高に導きました。
ドル高は、輸出減退と輸入増大をもたらし、インフレ率の低下へつながりました。財政赤字の増大はこのようにして民間投資の犠牲と経常赤字によってインフレーションへはつながりませんでした。一方で経済成長は低迷し、失業者は1000万人を越えて戦後最悪の経済状況となったのです
この例より思ったのは、ただ減税をすればよいという訳ではなく、バランスがとても大切だと言うことが大切になるわけですね。
日本だけでなく過去の政策でどのようなものがあったのか。
是非いろんな事例から学んでいきましょう![]()
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[2]本日の感想━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
班
僕達の班では、「①時代遅れの税制度」と「②官と民の『税』」について話して
いきました。
①についてです。日本の税制度が硬直的で時代遅れであることは文献からも非常に感じることができました。
実はサラリーマンの給料支給前に引かれる源泉徴収の制度の始まりは、1940年の国家総動員法に源流があるそうです。
つまり、戦時中に国家の崩壊を防ぐために国民からお金を徴収したのが始まりなんですね。
それでも、当時は10%程度に留まり、現在の40%に比べれば非常に低いものでした。
確かに戦時中は、国家の維持が最優先でありそれも納得できます。
しかし、戦争も終わり、65年が経った今でも緊急時と全く変わらない制度が残っているとは驚きではないでしょうか。
また、サラリーマンは給料の支給前に引かれ自分ではどうしようもないため、国家もサラリーマンから取りやすくなっています。
しかも、サラリーマンは何もせずに税金が引かれているため、税金に対する認識も非常に低くなりがちです。
やはり、制度は時代に最適に改革していくべきであり、それによって経済活動が停滞しているならば尚更議論の必要があります。
次に、②についてです。
官と民の税に対する根本の思想の違いについて話していきました。民は、期限までにお金をいかに残すかに重点が置かれます。
しかし、官は期限までにお金をいかに使うかに主眼が置かれます。
それは、お金を使わなければ次期の予算が削減されてしまうからです。
それにより、官のサービスも非効率的で、生産性の低いものとなっていきます。
この思想の違いは非常に大きな影響を及ぼしています。本来、「公務」とは、国家に所属する人間が生きていく上で絶対になくてはならない仕事であり、国家全体の利益に繋がるべきです。
そうであるならば、税制、税金も「公制」、「公金」と考えることができ、国家全体の利益に繋がるようなもの、つまり経済活動自体に活力を与えるようなものである必要があるのではないでしょうか。
(富田)
まいまい:①については、源泉徴収の始まりは戦時中だったということで、その徴収理由も納得いきました![]()
でも、今何のために使われているかもわからないお金をサラリーマンからお給料日の日にはすでにひかれているとなると、納得いきません
戦後65年の今に徴収するお金が何に使われているのかはっきりと知りたいですね
②については、使わないと次の予算が削減されてしまうから無理にでも使うというのにもどかしさを感じました
税金を徴収される側となると、何でもかんでもに無理にお金を使われるのは気に食いません
富田先輩の言うように、国家全体の利益につながるような使い方をしてほしいですね![]()

班
まえがきに「経済より税収が大事」病とありましたが、2班ではこの税収に重きを置いている日本の税制が与える経済への影響について話しました。
税収を確保することはもちろん大切なのですが、日本の税制は急カーブの累進課税などに代表されるように確実にとれる方法ばかりを取っているのではないかという意見が出ました。
それは不公平であると同時に国民は税負担から逃れるための対策を取り、最終的には経済の成長が妨げられることとなります。
日本全体が発展することが目標であるはずなのに、目先の税収ばかりに囚われている結果だと思います。
また、政策と矛盾する税制が存在するのも同様に目先の税収に囚われているからだと感じます。人口減少に伴い女性の社会進出が叫ばれているにもかかわらず、主婦の103万円の壁が存在するのが良い例です。
これから読み進めていくわけですが、冷静に日本の税制を見つめていきたいと感じたグループワークでした。
(中村)
まいまい:働きたい意欲を削ぐような徴収は本当にもったいないと思います
ストックオプションの話もそうだなと思いました
せっかく自社の株を買えるようにして社員の意欲UPを狙ったのに、それにも税をかけてしまうと目的であった意欲向上もできなくなってしまうと思います
主婦の103万の壁もまさに私の母にも当てはまっていて、身近でも実感するところです
せっかく意欲ある日本人の働きマンを邪魔する税制はどうにかすべきですね
班
今回のGWは、税制が経済活動の足かせになっていることを強く感じるものになりました。
日本が社会主義国家ではなく、資本主義社会である以上は、市場(マーケット)の活動が活発であることが非常に大事になると思うのですが、今の日本はその市場を形成する企業・人・商品に様々な税が課せられています。
それが市場の動きを拘束することになり、結果国の活力を奪っているのは大きな問題です。
特に今回で印象的だったのは、税徴収の根拠が無くとも税を徴収される場面で、この事実からは企業であれ人であれ、税に大きなリスクを感じずにはいられないと思います。
またVCが自社で緻密な立証を日々しなくてはいけない点からは税制が現実に追いつけていないこと。本来やらなくていいはずの場所に力をいれ、本来注力すべき箇所に、注力出来ないもどかしさも感じます。
税は国を運営していくためには必要不可欠なもので、なくしたり軽減すればいいものではありませんが、税をただ徴収することだけが目的になってしまうと、今の現実はなかなか改善されないのかもしれません。
(諌山)
まいまい:私も、税徴収の紙にその理由が書かれていない場面には驚きました
その後、理由の提示を求めても、税務署が提示することはできないというのもおかしな話です![]()
何に使うかわからないお金を自分の稼ぎから奪われるとなると、誰でも納得できなくて当然だと思います
諌山先輩の言うように、もちろん国家運営のために税の徴収は必要ですが、何に使われているのかはっきりさせて、国民が喜んで税を払えるようにすることが大切だと思いました

班
今回のGWでは、日本の税制が如何に現在の経済活動に対応しきれていないか感じました。
特に印象に残った所として、妻の年収が増えると夫の控除が消えてしまうというところで、これは経験として知っていた人もいてとても身近な問題だと感じました。
この所得税法五六条は、終戦直後に自営業夫妻の税逃れ対策のためにできた規定ですが、今では夫と妻がそれぞれ勤務するようになった時代の変化に対応しきれていないことを感じました。
「税はお金持ちからとれ」という考えによりたくさん稼いでもなくなってしまう。
また稼ごうとしても上限を超えると徴収させてしまう。税制の対応不良が社会にこんな悪循環を生みだしていること知りました。
税は国を運営していくためには必要不可欠なものですが、税をただ徴収すればいいというわけではありません。
現代の経済に合わせた税制の必要性を強く感じました。
(畑井)
まいまい:税制が今の時代に合っていないというのは、寺尾先輩の提言でも感じさせられた部分で、今回のBCでもまた考えさせられました
これから女の人も社会に進出していく時代になったのに、このような税制があると思いきって仕事に挑戦していこうという人も邪魔されてしまうと思います
せっかくの日本の活力を日本の税制が阻害してしまっているのは惜しいことですね
班
『税をただす』の初回のBCでしたが、GWのメンバーが今回の文献で、まず何を明らかにしていきたいかを確認しあいました。
税制は多くの問題に波及することを読んでみて実感したが、ただ負担が軽いというだけの理想ではなく、現実的な税制の在り方や、具体的に税制のどんな部分が活力を奪っているのかを明らかにしていきたいと意見をいただきました。
その中で今回の章では、やはり税務署の不明瞭な判断によって民間が余計な負担を負ってしまったり、根拠不明の期間や数値によって、経済活動が制限されていることに首を傾げました。
さらに具体的に簡単な数値を挙げて考えてみたのですが、もし30年働いて2000万円のお金をもらうとすると、給与として受け取ると所得税が300万円以上となるのに、退職所得として受け取ると、所得税がなんと15万円強にしかならないという計算をして、税制から一社に勤め続けるようになっていて、まさにここにも社員が会社を自由に移動できない構造があったのかと驚き、ニッセイの方の「税制のために自由に決めれない」という言葉が実感できる内容でした。
また文献にも高額納税者の話がありましたが、現在、ニュースで2000万円の所得控除をなくす動きがあり、今の税金を負担と感じてしまう納税者側においても、現在の負担が大きい高額所得者の税金を、さらに増やそうとする動きがあるのは納税者間にも、税について理解できていないんじゃないかと思います。
どの所得層の人も、活き活きと働ける税制をこれからのBCで見出していきたいと感じました。
(寺尾)
まいまい:給与として受け取るか、退職所得として受け取るかで、こんなにも差がでるのか!と驚きました
しかも、高額所得者の税金をさらに増やすと聞いて、また頑張っている人の意欲がなくなってしまうのではないかと心配になりました
寺尾先輩の班のように、今の税制の現状を知って嘆くより、これからどんな税制にしていくべきか考えていくことが大切だなぁと感じました
班
今回のBC、「税をただす」初回では、①税の用途の不透明さ②取れるところから税をとろうという徴税の無計画さを中心に進めていきました。
用途の根拠が詳細に示されず、徴税の比率の理由や、税の行き先が不透明であったら、税そのものへの不信感を拭うことは不可能だと思います。
企業や経済を健全に成長させるという長期的視点、計画性が欠けた「取れるところからならどこからでもとる」徴税の姿勢も納税者側の不信感を増長させているはずです。
まず税の行き先や明確な数字を納税者側に提示して、問答無用の徴税から、納税者側からのきちんとした納得と同意を得る徴税方法への転換が必要だと感じました。
(佐藤)
まいまい:とれる所からどんどん取ったもの、その使い道がどうなのかしっかりと定めてくれなければ、納税側としても政府に対する不信感がつのる一方です
税制から政府への不安と不信が深まってしまうのもよくないですよね
使い道をきちんと示してくれますと、これは必要だから払おうと思えます
その中で不要なものが見えたら、それは必要ないじゃないかという話もできると思いました