こんばんは。小島です。

皆さん、温かいコメントをありがとうございます。

FUNのみんなにはなじみ深いであろう戯曲風の記事で、「あの人、こう言いそう!」という雰囲気を出して作ってみましたが、たくさんの方から面白かったと聞いて安心しました。

それでは、今日は「魚」について諌山先生から説明してもらいましょう。

うお座波うお座波うお座波うお座波うお座波うお座波うお座波

とみー さかなはぼく~らを~♪

みさと おちょくってるかもよ、とみーた。

とみー えぇ、そんなぁ…。

みさと ちゃんと推理して待ち構えなきゃダメだよ。

いさっこ そう。魚にも性格があるからね。釣りの何が面白いかっていったら、魚との知恵比べなんだ。

とみー いさっこの去年の成果は?

いさっこ …一勝九敗。

ゆかり ユニクロの社長さんの本みたいだね。

いさっこ 今年は違う!

まいまい (最近の諌山先輩、ちょっとこわい…)

しおり 釣り師の諌山君が一勝九敗なんて、釣りって、就活より難しいんだね。

いさっこ 海ではいつリーマンショックが起きるか分からないから、ちゃんとリスクマネジメントをしておかないとダメなんだ。

まゆこ さすが、損保を第一志望にしてるだけのことはあるね。

まさや じゃあ、一番のリスクマネジメントって何?

いさっこ それはズバリ、僕らの相手である「魚」を知ることだよ。海釣り塾ではこれを「魚界研究・魚種研究」って言ってるよ。

なぽめ すご~い!海の就活コースみたい。

としひこ 最近料理教室に通い始めて、食べ物とか栄養にも興味が出てきたから、ぜひ、魚のことも知りたいな。

とみー おれが去年初めて釣ったのは、確かメイタだった。

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やまかな 啓太だからメイタだったね。

しおり …。

なぽめ メイタ?

いさっこ 黒鯛の幼魚のことだよ。見た感じが板目板に似てるから、博多ではメイタって言うんだ。大きくなったら「チヌ」と呼ぶけど、これはチヌのメッカ・大阪湾が日本書紀の時代には「茅渟(ちぬ)の海」って呼ばれてたことにちなむらしい。つまり、海藻が多い海ってことだね。

まゆこ すご~い!諌山君って博学。

きみのり おいおい、あんまりいいとこ見せすぎるなよ。

いさっこ いやいや、受け売りだって。

きみのり よかった。まだ少しは謙虚さが残ってた。

(二年間、「謙虚と冷静」で通ってきたおれのキャラが釣りのせいで…)

ななこ 私も去年、ちっちゃいメイタ釣ったよ。

みさと あたしはクロだったけど、山岡先輩がメイタを釣ってるの見た。縞模様できれいだった。

いさっこ 黒鯛は「十人の釣り人がいれば十通りの釣り方がある」って言われるくらいの雑食魚で、簡単に釣れることもあれば狙っても全然釣れないこともある魚なんだ。

ひでつぐ 雑食って、どれくらい雑食なんですか?

いさっこ まず、釣りの定番のエサであるエビ、虫エサは全てOK。岸壁に付着した貝も海藻もOKだし、とうもろこしやサナギ、麦、米ぬか、にんにくでも釣れる。

ゆか 雑食っていうより、悪食に近いね。

いさっこ うん、案外グルメな魚だね。近頃はスイカで釣れたなんて話もあるくらいで、きわめつけは「キャラメルコーン」でも釣れた記録があるらしい。

ななこ じゃあ、ブラックサンダ―でも釣れるかも。

やまかな 女子大の売店でも釣りのエサが変えるなんて、おもしろいね。

いさっこ あくまで「記録」だから、エサはしっかり考えないと。黒鯛は魚でありながら臼歯を持っていて、これが幅広いエサに対応するための武器なんだ。

かずや エサを選ばないとなれば、当然、季節も生息地も多様になるね。

けんじ 大自然の中にも、ポートフォリオの原理が働いていたとは…。

いさっこ 黒鯛は低温から高温まで対応できるし、沖合から沿岸まで広く生息してるから、ちょっと釣りに慣れたら、仕掛けや釣り方の練習をするにはもってこいの魚だよ。

まいまい 私も黒鯛釣ってみたい!

いさっこ それが、黒鯛は「年頃の女子高生」と言われるくらい、癖のある性格の魚でもあるんだ。

まゆこ へぇ~、興味津々。どこらへんが?

いさっこ おれが女子高生を論じるわけじゃないんだけど、「一説」では、警戒心が強い割に大胆、繊細に見えて気まぐれ、臆病そうに見えて自信家、無気力に見えて積極的って感じで、とにかく、釣れ方に一般性がないから、黒鯛を評価する言葉はいっぱいあるよ。

ゆかり じゃあ、釣りを極めれば恋愛もうまくなりそうだね。

しおり 素敵。諌山君は恋愛も釣りなんだね。

いさっこ (…なんだか、いつも話がややこしくなる人たちだな)

とみー いさっこは何釣り?

いさっこ (こいつまで…)

みさと 聞きたい、聞きたい!

とみー サビキ?

いさっこ 馬鹿言え!おれの恋は投げ釣りだ。投げてひたすら、待ち続ける。

まいまい (先輩、怒りながら乗せられてる…。なんていい人なのかしら)

いさっこ 釣り人は釣りで勝負するんだ。そこに恋愛も何も関係ない!今日は釣りの話をしよう。

ひでつぐ (ほんと、釣りになると温厚な諌山先輩が別人になるようだ…。)

まゆこ でも、釣りって恋愛にも営業にも役立ちそうなのは確かだね。

いさっこ 魚種別の勉強と対策、それに経験が必要な点では、いろんなことに役だつと思うよ。

しおり 黒鯛の他に博多湾でよく釣れる魚って、何?

とみー 去年、永井さんが釣って博多湾に帝王の雄たけびをこだまさせた時の魚って、何だっけ?

いさっこ あれはメバルだよ。目が大きくて目がいい、って言われてる魚で、煮つけにするとおいしいよ。

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ゆか じゃ、あたしメバルが釣りたい!

やまかな メバルって、近くで見たらメイタよりずいぶん体が厚くて、筋肉質だった覚えがあるよ。

とみー 永井さんの竿が90度くらい曲がってたもんな。引きも強かったって言ってたし。釣ってすごく嬉しそうだった。

いさっこ そうだね。メバルはメイタに比べれば、ちょっと太った魚かもしれないね。他の魚と比べれば分かるけど、メバルは目が本当に大きくて、とても好奇心が強い魚なんだ。ちょっと不思議なものがあれば、「つついて確かめてやれ!」って感じで近寄ってくることも多いよ。

まさや なんだか、僕みたいだ。興味があるものは何でも調べたくなる点が…。

かずや 魚も人間みたいにそれぞれ性格が違うなんて、面白いね。もしかしたら、自分に合った魚がいるかもしれないね。

けんじ 釣りとは海で体感する「論語物語」なのか…。

いさっこ 魚が釣れている時だけ、この海は美しい。

とみー 分かるなぁ…って、それ、ゲーテの「心が開いている時だけ、この世は美しい」じゃなかった?

いさっこ 釣り人にとっての世の中とは「海」だけだ。

まいまい (すっごい迫力…。)

やまかな 私が去年釣った中では、カワハギが一番引きが強かったよ。

とみー やまかな、去年一番たくさん釣ってたね。海がない岐阜の出身なのに。釣り場に包丁とまな板と小ネギと醤油まで持ってきてて、「当たり前のレベル」の違いを実感させられたよ。

いさっこ カワハギは、見て分かる通りおちょぼ口で、泳ぎは遅いけどなかなか繊細な魚だよ。あの口にひっかけるには、こちらもかなりの準備をしなきゃ。

しおり そんなに口が小さいの?

いさっこ 小さいも何も、目と同じくらいの大きさしかないから、小さな針に細いエサを付けないと釣れないんだ。

ゆかり 相手の口より大きなエサじゃ食べられないんだね。

なぽめ それって、面接とまったく同じだね。

とみー 自己満足で大きなエサを付けても、魚の口に合わなかったら意味ないね。

いさっこ そう。エサは海中で自然に見せないといけないから、エサを付けるのが気持ち悪いとか面倒くさいとかいって、「とにかく付ければいい」と雑な付け方をしたら、針が不自然に出すぎたりして、結局魚に見破られて無視されてしまうんだ。

かずや それって、「とにかく出せばいいや」と雑に仕上げたエントリーシートが、結局は通過しないのと同じだね。

けんじ 「付けやすく」ではなく「食べやすく」か。釣りって、なんて客観性を求められるスポーツなんだ!

しおり 聞けば聞くほど、釣りには就活とか営業と通じる点が多くてびっくり。

いさっこ 仕掛けもESも「相手目線」で逆算しないと結果が得られないのは同じだね。僕らが釣りやすいかどうかなんて、魚には関係ない。魚が食べたく、食べやすく、食べられるように僕らが合わせるのが釣りなんだ。

まゆこ それって「スピーチ塾」と全く同じだね。

なぽめ 小島さん、釣りを素材にレジュメ作ってるのかもね。

とみー そういえば、「レジュメは海で作るもんだ」って言ってた気がする。

ななこ 去年、白木先輩が釣ってたキスってどんな魚なんだろう。

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いさっこ キスと言えば天ぷらの魚。白くて透き通って、細長い魚だよ。サビキとか投げで釣れることが多いね。

きみのり じゃあ、キスたくさん釣ってくれ。みんなで食べよう。

まさや 新しい家では、天ぷら油たくさん買っとかないと。

まゆこ わ~い。

まいまい (私の家もそうなるのかな…。)

とみー 投げで釣れるってことは、海底に居ついてるってこと?

いさっこ そう。海底の魚といえばハゼ、ヒラメ、カレイ、マゴチなんかが代表的だよ。こういう魚は活発に泳ぐよりも、海底でのんびりしてて、エサが自分のところに近付いてくれば食べに行く、ちょっと怠け者の魚なんだ。

ゆかり なんて消極的な魚なの。説明会に自分から足を運ばなくて、ただ自宅でネットばかり見てる学生みたい。河合栄治郎が叱りそうな魚だね。

まゆこ おもしろ~い!

いさっこ 海底の魚は「底物」と呼ばれることもあるし、テトラポッドとか岩礁のそばにいる魚は「根魚」と呼ばれることもある。体力を消耗せず、エサがある場所を知ってそこでじっくり待つ性格は、消極的と言えば言えるけど、命を守るための知恵とも言えるね。

かずや あくまで魚の生き方に沿って魚の性格を見ることが魚種研究なんだね。人間の都合ばかりから眺めても、魚の本当の考えは見えてこないってことか。

みさと 釣りって、推理小説なみに面白いじゃん。あたし、今年はマイ釣り竿買おうかな。とみーた追い抜きたいし。

まいまい 私も欲しいです。

いさっこ じゃあ、今度みんなでポイントに行こう。

とみー 去年小島さんが釣ってたのは何だっけ?

けんじ 動画で見たけど、スズキだっけ?あの思い出の…。

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やまかな どんな思い出?

けんじ 聞かないでくれ…。

いさっこ セイゴはスズキの子供のことで、だいたい30センチ以下をセイゴ、40~70センチをフッコ、それ以上をスズキと呼んでるよ。最近じゃ「シーバス」って呼ばれてるけど。小島さんのはフッコになりかけたくらいの魚だったね。

みさと スズキの自己分析は?

いさっこ …スズキと言えば、おれが70センチ以上を釣った思い出の魚なんだけど、まず、何より口がでかい。カワハギの100倍くらいあって、ほぼ、体の直径と同じくらいある。

しおり そんなに?

なぽめ じゃあ、何でも食べられそうだね。

としひこ 体力もありそうだ。

いさっこ スズキは「食べる」なんてものじゃないよ。あれは「丸呑み」と言ったほうがいい。目が悪いのか運動神経が悪いのか分からないけど、エサを見つけると猛然とアタックしてきて、あまり確かめずに一気に持っていく。だから、スズキを釣りたい場合は、大げさなくらいでかいエサを付けるんだ。

きみのり じゃ、引きも強いってこと?

いさっこ うん。置き竿なんかしてたら、大物だと竿ごと海に持っていかれるくらい強いよ。しかも、左右に体を振って全力で逃げようとするから、針がかかっても安心できない。

まゆこ 針がかかっても逃げることがあるの?

いさっこ 一般的に、魚は水面に出て酸素を吸うとおとなしくなるもので、ベテランの釣り師は「いかに落ち着かせてから引き上げるか」まで考えて釣るものだけど、スズキの場合は海上に出ると「エラ洗い」って呼ばれるジャンプを繰り返す独特の癖を持ってるんだ。

とみー 去年、洋平さんがそれで何度逃げられたことか…。

ゆかり かかったからと安心したらダメなんだ…。しっかり最後まで集中しないと、一匹を釣り上げられないなんて、一次面接で安心して三次で落ちる学生みたい。

いさっこ 食いついたのは「釣れた」の始まりでしかない。安心するのはまだ早いんだ。

しおり 逆に、ちゃんと心構えを定めておかないと、最終面接でジタバタしてしまうこともあるから、これは学生の側のエラ洗いだね。

かずや FUNでも、見学者がちゃんとFUNの空気を確かめられるようにしないといけないね。

やまかな 人も魚も同じに見えてきた…。

ともこ (…やっぱり、変なサークルだ。)

とみー ビラは撒き餌に過ぎないから、HPでちゃんと付けエサを食べて確かめてもらわないとね。撒き餌だけじゃ魚は釣れないから。

みさと ねえ、あたしが去年釣った思い出の魚・クロはどうなの?

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まいまい クロってすごくきれいでかわいいですよね。

いさっこ クロ…。正式名称はメジナ。あれは石鯛と並んで釣り人の憧れの魚だよ。引きは強く、体力はあるし、肉厚でどんな食べ方でもおいしく、頭も良くて生半可な仕掛けじゃ決して釣れない。

海釣りで特定の魚のためにトーナメントが開かれるのはクロだけで、この魚をいかに釣るかだけで、釣り人のあらゆる知識と実力、経験が試されるといってもいい。

とみー おれも去年、20センチオーバーのクロを釣ったけど、竿先がぎゅんぎゅん曲がって、すごい引きだった。あの引きで釣りにハマったと言ってもいいくらい魅了されたなぁ。

みさと あたしのはもう少し小さかったけど、他の魚とは明らかに引きの強さが違ったよ。洋平さんのは大きかったね。

とみー そうそう。「富田君…岩に引っかかってしまったよ。あ~あ、また針付け直さないと…」って言ってたら、いきなりウキが沈んで、「動きよる!」って一生懸命引いたら、博多湾で初めて見たってくらい大きいクロがかかってた。

いさっこ クロは普通、防波堤じゃなくて磯で釣る魚だから、おれも去年、あのクロを見た時は、「博多湾でここまでのクロが釣れるのか!」って驚いたよ。

しおり クロってすごい魚なんだね。

いさっこ 釣具店の海釣りコーナーには、クロだけの竿、リール、ウキ、糸、針、その他小道具があるくらいで、日本の海釣り産業はこの魚に育てられたといっていいくらい、研究されてきた魚だよ。

ゆかり 魚が産業を育てるなんて、すごいね。

いさっこ もちろん、アジやタイ、ブリやハマチ、カンパチ、サバも日本人には親しまれてきたけど、ことスポーツフィッシングでは、クロほど人気がある魚はいないよ。

みさと あたしが釣った魚が、そんなにすごい魚だったなんて。

いさっこ あれくらいの魚は「コッパグロ」って呼ばれてて、「木の葉っぱくらいの子供」って言うんだ。今年は大物が釣れたらいいね。

まゆこ 今聞いてきただけでも、海にはたくさんの魚がいて、性格も全部違うんだね。私、ただ同じように海に行ってエビを付けてたら色々釣れるとばかり思ってた。

いさっこ もちろん、釣りのほとんどは偶然だから、狙って釣れないこともあれば、狙わなくても釣れることもある。今話してきたのは全て「一般的な統計」で、素人が大物を釣ることもあれば、おれみたいな玄人がT君のような素人より釣れないこともある!

まいまい (…こわい)

やまかな 運営メンバーの絆は大丈夫だから、心配しないでね。これは釣りだけの話だから。

まいまい よかった。

ななこ 去年はなんとなく行ったけど、今年は勉強して行くから、さらに面白くなりそうだね。

いさっこ そう。今年からはおれ、富田、くまさん、小島さんの四人がリーダーになって四グループを作り、各班で練習して経験を重ねていくことにしたんだ。

なぽめ …ってことは、グループワークもあったりするわけ?

いさっこ いやぁ、それはどうだか。ただ、いつかはブログでグループ別発表があるかもね。

まゆこ おもしろ~い!

かずや 経験者のノウハウが効率的に伝達されて、全体のレベルが上がりそうだね。

けんじ FUNだからこそ、できることだね。

いさっこ そう。だからみんなの一生の思い出をさらに充実させるため、おれは今週、下見に行ってくる。

まいまい なんて後輩思いの先輩なんでしょう!

しおり さすが、永井さんに運営を託された第八期リーダーだね。

とみー …ってか、下見と言いながら、実は「リハーサル」じゃないの?

いさっこ …馬鹿、それを言うな!

とみー おれも下見、手伝うよ。智子ちゃんも入部したし。

いさっこ …とか言いながら、おまえこそリハーサルするんだろ?

みさと あたしが監視しとこうか?

とみー …いや、ちゃんと下見してくるから大丈夫だよ。

やまかな 釣れたら料理するから。

いさっこ よろしく頼む。

とみー やっぱりリハーサルじゃないか。

いさっこ ち、違う!みんなの「釣れなくて楽しくなかった」という損失を回避するためのリスクマネジメントだ!

(まいまい あの諌山先輩が、完全に落ち着きを失ってる…)


うお座波うお座波うお座波うお座波うお座波うお座波うお座波

~懐かしい思い出の数々~


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