A-400 サリー作 少女胸像 | きょうの石膏像 
2012年07月20日(金) 08時10分25秒

A-400 サリー作 少女胸像

テーマ:石膏像 A-小品  



きょうの石膏像     by Gee


A-400 サリー作 少女胸像           H.42.5×W.20×D.18cm (ジャック・サリー作 1744年頃製作)







石膏像 サリー作 少女胸像 H.42.5cm/石膏像ドットコム(堀石膏制作)



¥価格不明

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「石膏像ドットコム」




新製品のお知らせです。






この少女像は、18世紀のフランスやデンマークで活躍した、フランス人彫刻家ジャック・サリー(1717~1776年)の作品です。モデルとなっているのは、ポンパドール夫人の娘のAlexandrine d’Etiollesという人物です




Wikipediaで探った限りでは、1744年頃に製作されたもののようです。ベルリン美術館にブロンズ製のものが収蔵されています












さて、ジャック・サリー(Jacques Saly)さんについて。






File:Jens Juel 002.jpg


ジャック・サリーの肖像(Jens Juel作)




・・・・・なんか、顔立ちが・・・上の少女像に似てない?・・・(笑)・・・








いかにも!って感じで”王室御用達”のオーラが出まくってますね~。お腹もポコ~ンと。






実際に、サリーさんは当時の宮廷彫刻家の王道を邁進した方で、その経歴もほぼ100%”ロココ調”に彩られています。






18世紀前半に、フランスのヴァランシエンヌ(Valenciennes フランス北部、ベルギーとの国境近く)という町の貧しい家庭に生まれたサリーは、9歳から彫刻家としての修業を開始し、15歳の頃にパリに出て、クストー(この人も宮廷彫刻家)の弟子となりました。




王立の絵画・彫刻学校にも学び、頭角を現すと、やがて1738年には”ローマ賞(Prix de Rome)を受賞し、ローマに設立されていた「ローマ・フランスアカデミー(L'Académie de France à Rome)」への留学を勝ち取ります。






これは、この時代の芸術家のほとんどの人が通った道なんです。ちょっと”ローマ賞”について解説しましょう。。。






画家にしろ、彫刻家にしろ、絶対王政がドーンと腰を下ろしていた17~18世紀のフランスでは、いわゆる”成功した芸術家”となるためには、




”ローマ賞”を勝ち取り → ローマのフランスアカデミーへ留学 → 彼の地で何年か古典・古代の名作を模写、または模刻して、それを本国フランスへ贈る → その功績を携えて帰国し、パリの”アカデミー”のメンバーになる。。。




こういうコースを通ることが、画家として成功するための必須、かつ唯一の方法と言ってもよいくらいでした。






ロココの時代にフランスで活躍した芸術家は、かなりのパーセンテージの人がこのコースを通って、一流宮廷芸術家の地位へと上り詰めてゆきました。。






前述のサリーの師匠のクストー、ブーシャルドン(石膏像の"L-626 小児レリーフ"の作者)、先日取り上げた画家の”廃墟のロベール”、さらにもうちょっと新しいと、石膏像の”モリエール”の作者のウードンなんかもこのコースからです。






File:RomaVillaMedici.JPG


現在も継続してフランス・アカデミーが設置されている、ローマの”ヴィラ・メディチ”。






以前は別の場所にあったみたいですが、ナポレオンがここへ移設してからはずっとこの場所のようです。




民主主義の時代へと移り変わるにつれ、このアカデミーも紆余曲折あって、1968年頃のアンドレ・マルローの時代に”ローマ賞”は廃止されてしまいました。




現在は希望したフランスの画学生達がここで学んでいるようです。










さて、サリーに話を戻すと、




彼は奨学金を得て、アカデミーに暮らし、ローマでは8年間の修業時代を過ごしました。




こういった”修業”の期間に、サリーのような芸術家の卵が何をしているかというと・・・




ひたすら古典・古代の名作の”模刻”、”模写”を作り続けるのです。




これは本人の芸術的な修練という意味ももちろんありましたが、実質的には本国フランスの王室が、古代ローマ~ルネッサンスへと至る偉大な芸術作品のコピー品を切望していたからなんです。




17~18世紀頃のフランスは、政治・軍事的には強力になっていましたが、芸術面ではまだまだイタリア

に学ぶことはたくさんありました。フランスの王族・貴族たちは、そういったイタリアの偉大な芸術作品をぜひとも手に入れたいと願っており、アカデミーフランスの学生達は、その要求に応えるために大量の複製品を本国へ贈り続けました。






もちろんサリーもそういった複製品を作りつつ、自身の彫刻技術を磨いてゆきました。




今回発売となった、この石膏像の少女像は、このローマでの修業時代(1744年頃)


につくられた像ではないかと考えられています。






余談ですが、このローマ滞在時代にサリーは、あの”ピラネージ(Giovanni Battista Piranesi)”とは特別親しくしていたようです(ということは、例のユベール・ロベールとも同時代か??)。




File:Piranesi Piazza San Pietro.gif


ピラネージの描いた”サン・ピエトロ寺院”。これ、版画なのだよ・・・、まるで写真だね!この奥行!






ローマでの修業時代を終えたサリーは、1749年に故郷のヴァランシエンヌへと戻ります。




そこで当時の王だったルイ15世の全身像の彫像の注文を得て、3年間かけて完成させました。


(但し1792年、フランス革命の余波によって、この像は破壊されてしまいました・・・・・残念)







1751年にパリへと戻ったサリーは、アカデミーのメンバーとなり、ポンパドール夫人の胸像などを製作します。




File:JFJ Saly Le faune au chevreau Cognacq-Jay.jpg


1751年 J.Saly作  "Le Faune au chevreau(山羊と牧神)"











1752年、一流彫刻家の仲間入りを果たしたサリーのもとに、デンマーク王室からフレデリック5世の騎馬像の制作依頼が舞い込みます。




これは当初は、上述のところに名前が出てきた”エドム・ブーシャルドン”への依頼だったのですが、ブーシャルドンがこれを断り、サリーを推薦したのです。




サリーは一族を引き連れてコペンハーゲンへと向かい、1754年からデンマークで活躍しました。






デンマークでは、フランスに比べて後進だった芸術界に於いて、フランス流の美術教育法を導入するなどして、その水準向上に貢献してゆきました。




肝心の騎馬像は、1754年にスケッチが、1758年には縮小模型が完成し、1761~3年頃に石膏の原作大モデルが完成しています(ちょっと時間かかりすぎ??たぶん他にもたくさんの仕事をこなしていたんでしょう・・・)




File:Federico V de Dinamarca (J. Saly) MRABASF 01.jpg


これが縮小サイズの騎馬像(コペンハーゲン・アマリエンボーン宮に収蔵)




なな・・・なんと!この作品、2本の足だけで支えられています!


最終形の作品も2本足??うわ~、これはもはや自立できるかどうかは”賭け”みたいなもんですね。







最終的なブロンズ製の騎馬像が鋳造され、完成したのは1768年だったそうです。




ちょっと時間かかりすぎ~~な気もするけれど、こういった壮大な彫像を作るっていうのは、本当に大変な作業なんですよね。




足を上げた状態の騎馬像はとっても難しいし、さらにこういったものをブロンズへと鋳造する作業っていうのも、本当に時間と労力のかかることなのです。。








File:Salys statue of Frederik V.jpg


これが14年の歳月をかけた、サリーの代表作「フレデリク5世騎馬像」 1771年設置








現在も、デンマーク王室の冬の王宮として使用されている、アマリエンボーン王宮の中庭に設置されています。




ちなみにサリーさんは、この彫像の鋳造・除幕式を待たずに1766年に亡くなりました。





















きょうの石膏像     by Gee



いつもの僕の作業机のそばに置いてみました(ちょっと着色してあるバージョンですが・・)。




こんな雰囲気いかがでしょう?














私共の運営するオンラインショップ「石膏像ドットコム」では、今回の記事で取り上げたA-400 サリー作少女胸像
を実際に購入していただくことが可能です。




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きょうの石膏像     by Gee-sekkouzou.com





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