HELLO ENDING

HELLO ENDING


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私と深瀬は渋谷のビルの中にいた。
練習の為に入った6階のスタジオで、深瀬が歌を歌っている時だった。

「揺れてる…?」

「ん…?」

天井に吊らされたスピーカーが
ふらりふらりと 左右に揺れている。

歌うのをやめた彼は、ぴたりと体を止めて震度を確かめる。

2人で息をひそめた。
静かに地響きを聞いていたその時 突然視界が揺れた。

「うわっ…これはっ…ヤバい。外に出よう。」

防音扉を開けると、フロアはパニックになっていた。
6階というのはこんなに揺れるものかと 思った。

瞬間的に、こんなに揺れるのだから
このとき震源地は東京なのだと思い込んでいた。

恐らく、日本中のほとんどの人たちが
震源地は自分のいる場所だ と思ったのではないだろうか。

兎にも角にも避難口を目指す。

「あ 、お金…おかねはらってない」

振り返ると 深瀬が誰もいないレジの前で
伝票を持って戸惑っていた。

「……!!!そんなの あとで良いでしょう!!!」

バカ!!と言わんばかりに階段へと急ぐ。
押さない。かけない。急ぐのは心拍数だけにして一歩ずつ降りていく。

「こわい」後ろの女の子が小さくつぶやく。
手すりに体を寄せて螺旋階段をぐるぐるとまわる。

ようやく6階分の階段を降りて地へと足をつけたが
そこは 人 人 人 ひと。


溢れ返った人たちで、埋め尽くされていた渋谷の街があった。

---

ー震源地は宮城県…マグニチュード8.8……

携帯のワンセグを見る女子高生。
何があったのか教えてくれ と女子高生にテレビを見せてもらうおじさん。

バスを待つ子供からオトナまでのたくさんの人たち。
電気屋さんのテレビコーナーに集まる人たちの会話。

そして全員が息を飲むニュース。
街全体を飲み込んだ津波。見たこともないような火災。

その瞬間 その瞬間に
待ち行く人々が全員 「仲間」 になっていた。

日本を襲った歴史的大震災が
国民中を一致団結させる。


そして国民中が 被災地を想う。


---

ー電車は全線見合わせ…

「やっぱり止まっているね。歩こう。」

ごったがえす駅構内とバス乗り場を見て
深瀬が 私の返事も待たずに 帰路へと歩いていく。

「ここから?」

「思っているより近いから。」

私たちと同じように大きな道路を歩いて帰ろうとする人たちはかなり多く
マラソン大会のように 人が列になって歩いていた。

車線を走る車はひどく渋滞していて、全く動いていなかった。
バスを覗くと 外国のバスのように見えた。乗車率250%。

帰宅まで3時間。

明るい東京の夜の街で
電気もガスも水道もないというのは どういうことか と
夜空を見上げる。

---

「中島家の内側が軽く崩壊しましたが、無事です!!」

なかじんはメールで安否を知った。
書籍とレコードとCD溢れる ナカジマ家は、色々倒れたようだ。

「え…そんなに大きな地震だったの…」

ラブの携帯は今時インターネットが使えないので
だいぶ後に ことの大きさを知ったようだけれど
すぐにガスの元栓を締めたり しっかりやっていたようだった。

たくさんメッセージが来ていました。
心配してくれてありがとう。


世界の終わりは全員無事です。

---

帰って曲を作ろうとピアノに向かう。

でも ただひたすらに 被災地の映像ばかりが 頭に浮かぶ。


ライブで行ったことのある仙台。
寒いのに 長いながい間出待ちしてくれているのが、控え室から見えた。
「もうすぐに出るから」とスタッフに急かされながらも、
ありがとうを言いに行った場所だ。あれは駐車場だった。

あの子たちは大丈夫なのかな。
元気にしているかな。ゴハン、あるのかな。

ああ ライブをするというのは こういうことなのかと 思う。

もう無関係ではないのだ。想像出来るあの街。あの子。
顔が浮かぶ。握手したときの笑顔。


心配だ。


---

被災地のみなさま

国民中があなたたちを心配して 応援したいキモチでいっぱいです。
大丈夫?眠れていますか。また笑顔が見たいよ。

この声が届くことを祈って。
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