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今回の記事は、慢性痛について書きます。

 

慢性痛とは、痛みが最初に発生してから、3か月以上、痛みが続いている状態を指します。頭痛や腰痛、他にも様々な痛みが該当します。

 

もっとも、痛みの頻度については、様々です。

 

例えば、人工関節置換術後の慢性痛について調べた海外の研究では、痛みの頻度について、「Sometimes」(時々)という回答がもっとも多かったことが報告されています。日本における、規模の大きな調査でも、慢性痛の定義の一つとして、痛みを感じる頻度が週2回以上と設定しています。

 

「時々、痛くなるんだよなあ」という状態も含めると、何らかの形で痛みが続いている人の数は多いと思います。

 

それでは、慢性痛に悩まされている人の数は、どのくらい多いのでしょうか。

 

この記事では、日本における大規模な調査(サンプル数が約4万人、一次調査と二次調査によって異なる)を参考にして書きます(矢吹 et al. 日本における慢性疼痛保有者の実態調査: Pain in Japan 2010より. 臨整外 2012; 47: 127-134.)。

 

この研究の結果、慢性痛の有病率は22.5%。人口の構成比などを参考にした推計値で、日本では2315万人に慢性痛があることが示されています。

 

このように、慢性痛がある人の数はとても多いです。5人に1人くらいの割合で、体のどこかに慢性痛を感じていることになります。

 

そして、痛みに悩む人は、治療を受けることを考える場合が多いと思います。この調査における、治療による痛みの改善の満足度は、どのくらいだったのでしょうか。

 

痛みの緩和が満足に得られていない、もしくはあまり変わらないといった回答の合計は、70.7%でした。

 

言い換えると、治療の効果に満足しているという人は、約3割しかいなかったことになります。

 

この理由は、何なのか。

 

考えられる理由の一つに、痛みの現代的な概念(身体的な要素だけでなく、心理、社会、行動、ストレス、睡眠の問題など、多様な要素の影響も考慮する)に関して、十分な知識を持った医療従事者が不足している可能性があると思います。

 

実際、上記の論文には、「しかし、わが国の慢性疼痛患者への対応に関しては、痛みと密接に関与する心理・社会的な問題への対応を含めた全般的な治療戦略としては、必ずしも十分とはいえない」ということが記されています。

 

痛みと関連する様々な要素について、知識を持った医療従事者が増えていくことを期待しています。そうなることで、長引く痛みに悩む、多くの患者さんにとって良い状況になると思います。

 

(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp