聞いたことない?
別に解体する「不確定性原理」とはほとんど関係ない
不完全性定理
を紹介かたがた解体していこう。
1931年。今で言うチェコの数学者ゲーデルによって発表された
数学の重要な定理(証明され真とされた命題)だ。数学と聞いて読
むのを止めないでね。これがケッコウ数学だけにとどまらず、面白
いことになって来るからね。
具体的にその内容を吟味していこう。
第1不完全性定理
自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、ω無矛盾であれば、
証明も反証もできない命題が存在する。
第2不完全性定理
自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、無矛盾であれば、
自身の無矛盾性を証明できない。
簡単にすれば、
第1は、数学には正しいのにそれを証明出来ない限界があるという
こと。
第2は、数学が矛盾しないことを数学によって証明出来ないという
こと。
ふ~ん、そう。で?
そういう感じだよね。でもここからが面白いから、もうちょっと辛
抱してね。理屈を噛み砕いたら、もっとも客観的、厳密である科学
の極北である数学に、真であることが分かってるのに、原理的に証
明出来ないことがある。もっと言えば、ボクらの科学は、決してす
べてを解き明かすことが出来ないってことが分かったってことなん
だな。
楽観的に、いつかは科学がすべてを明らかにするだろうなんて、調
子にのっていた、ボクらの世界に対する姿勢を根本から改めなけれ
ばならないことになったということなんだよ。これは、数学だけに
とどまらず、ボクらには決して分からないことチームとして、様々
な分野に広がっていく。
ここで押さえておきたい重要なこと。ボクらには、
どうしても分からないことがある
それだけでいい。このことを分かってるだけで充分なんだ。
分からないことが分かる
ある意味、この洞察は、もっとも大きな転機をボクらに与えてくれ
ることになるかもしれない。もしかしたらね。