子育て中の母親の苦悩…「夫の教育が一番難しい」という深刻な現実 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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母親たちは本当に怒っている

 世の中は「イクメン」という言葉が聞かれる。イクメンとは育児をする男性のことである。そんな言葉が生み出されるほど、男性の育児は重要なのだろうか。 それでは母親たちは夫との家事・育児分担についてどう考えているのだろうか? 本当に夫の家事や育児分担が必要なのだろうか? 

 そこで、前回(保育園入園戦争…母親たちが告白「この不安をどうにかしてほしい」)も取り上げた保育所への入所申請者への調査から、夫の家事育児分担に関する母親たちの自由記述を見てみよう。父親の家事や育児についての記述でまず目立つのは、「父親・夫への憤り」である。母親たちは父親たちが育児や家事を担わないことに、本当に怒っている。

 例えば、

 「どうしても男性側は育児に関して「サポート」という意識が強く、共働きでは母親に負担が掛かる。仕事・出産・育児・家事・介護、どこに女性が輝ける余裕があるのか」  「夫(父親)は残業も夜遊びも自由、独身のときと同じ。子どもと家に居ても自分(夫)はゲームしている。そのくせ家事は一切しない」

 「男女平等と言いながら、女性は外でフルタイムで働いても家でも家事をする。男性は家事は手伝い感覚で外で働くことが大事みたいな風潮はまだ強く残っていて、それがとてもストレス」 ということで、働きながら育児や介護を一人で抱え込んでいる状態に煮詰まっている。

父親に学ぶ機会を与えてほしい

 だがそれなら「自分から夫に“やってくれ”と言えば良いではないか」と思うのかもしれないが、言っても求めていることを伝えるのは難しい、もしくは夫に頼むこと自体が負担なのだ。

 「私や私の周りの家族もそうだが、夫に家事や育児をお願いするよりも自分でやってしまった方がはやい。もしくは、頼むという行為自体がめんどくさくて、家事も育児も重い負担を担っているお母さんは多いと思う。また、私自身仕事に復帰して、夫と同じ立場になったものの、私の生活リズム(スタイル)は復帰前と比べて180度変わったが、夫も同じように変わったかと言えば、ほとんど変わっていない。共働き家庭の夫が妻と同じくらい主体的に家事や育児をこなしてくれるような社会になったら、もっと妻は働きやすいのになーと思う」

 そこで可能ならば、第三者から父親に育児や家事における父親の役割の重要性や出産後の母親の状況について父親に学ぶ機会を与えてほしいという。 なぜなら「夫は私が子育てや家事について手伝ってほしいことなどあれこれ言っても、あまり学ばない。心に届かないようで、誰か第三者の人が私の意見や気持ちを汲み取って夫に伝えてくれたら、少しは届くのかなと思ったり」するからである。

 「父親に、妊婦や産後の母親の精神状態をもっと知ってほしい。子どもの健診を平日でなく、土・日に行い、積極的に父親が育児など参加できるようにしてほしい」 ある母親は「だんなの教育が一番ムズかしくうまくいかない。だんなを育てるより子育ての方がよっぽど楽だし、楽しいと思える。もっと世の中が家事・育児は分担があたりまえという世の中になってほしい」という。ただでさえも仕事と家事や育児で大変なのに、夫との話し合いや教育にまでエネルギーを割けないというわけだ。

結局、母親の負担が大きくなる

 だが、母親たちは「夫だけが悪いわけではない」ことは理解している。もし夫が家事や育児をもっと担いたいと考えても、企業や職場状況が男性にそれを許さない。

 父親たちの働き方はどうなっているのだろうか。

 「旦那の職場のサービス残業が長すぎて子供との時間がとれない。飲み会や残業を断ると評価に影響が出るからと断われず、毎日1人で子供の世話をしているのでイライラしやすくなった」 「父親(男)側がとにかく休みがとりにくい! 育休なんてもってのほかとれないし、そういう雰囲気も職場にない。その上、残業も毎日なので98%母親が育児して「ワンオペ育児」になる。夫婦とも1日をこなすのに必死でゆっくり話す時間すらない」

 「夫の会社の勤務時間が長すぎるため、結局母親の負担が大きくなる」

 このように父親たちは仕事だけでなく飲み会や職場の付き合いと、仕事に時間を取られ、家事育児どころか、家族と過ごす時間もとれない。

子育ての制度が整うほど…

 だが、今では仕事と子育ての両立を支援する制度が充実している。「父親に期待せず、母親がそれらの制度を利用して子育てすればいいのではないか」という考え方もあるだろう。 それに対して母親たちはどう考えているのだろうか。制度の充実を歓迎し、家事や育児を自分で担うと割り切っている母親が多いことも事実だが、一方で母親たちの中に「それはおかしいのではないか」と感じている人もいる。

 むしろ、子育て支援の制度が整うほど、育児は母親の仕事という考え方を強めている側面もあるのではないか、と疑念を抱いているのだ。  例えば、「子育ての制度が整うほど、子育てと家事の負担が女性によりふりかかってくるように感じることがある。“早く帰宅できるから、家事ができて当然”など……」というようなことだ。

つぶされる母親のキャリア

 また母親ばかりが育児支援制度を利用することが、母親のキャリアをつぶしているのではないか、と考えている人もいる。

 「育児に配慮いただいていますが、母に比べ父に対する配慮が足りず、母の就労(キャリア)に影響を与えざるを得ないことが日常ほとんどです。男性に対する育児の配慮を企業に義務化するレベルで日本の風土を変えていくことはできないか、今後をそうするべきではないかと思います。子供を持つことで父母どちらかが何かをあきらめなければならない国は少子化の流れはとめることはできないのではないかと考えます」といった少子化の背景要因まで考えた意見を書いてくれた人もいる。

 一方、母親側を雇用する職場にのみ配慮が求められ、父親の職場が何もせずに済むことを不公平だと思う母親もいる。

 「育休をとるのは女性ばかり。女性を多く雇う職場にダイレクトに負担がかかっており不公平に感じます。育休の取得者のいる事業所とその配偶者を雇用する事業所とで負担を分担する方法があればいいのにと思います」といった意見だ。 それでは父親が家事や育児をするようになれば、本当に母親の精神的・肉体的負担が減り、もっと子どもを産んでもいいと思うようになるのだろうか。

 「父親が残業などや休日がきちんととれることで子育てはずいぶん楽になっていくと思います。早く子育てが本当の意味で父母分担される時が来ることを願っております」といった書き込みや「家事や育児の分担ができれば、もっと子どもに対して優しくできるんじゃないかと思う」という意見も見られる。

 やはり母親たちは一人だけで育児を担うのは苦しく、その状態ではもう一人子どもを産むことは考えられない。

 「女性(母)一人で、子育てをするワンオペ育児では、2人目、3人目が考えられないので」「夫が多忙で家事育児への参加ができない。孤独に2人育児をすることが辛いし負担。企業全体が育児に対する理解が欲しい。3人目も欲しいが育児負担を考えると無理である」と母親たちははっきりと、孤育て(孤独な子育て)では子どもをもう一人産む気にはなれないと言っている。

育児休業をとるドイツの父親たち

 かつてドイツは日本と同じように性別分業意識も強く、保育園も少なく、出生率の低い国だった。だが近年、ドイツは2007年に育児休業制度を改革し(給付のある育児休業期間は基本的に1年だが、ドイツでは父親が2ヵ月取得すると、その分の育児休業期間を延長できる。母親だけが育児休業を取得するのでは休業期間が延長できないようになっている。また休むことは権利であるという意識も強い)、男性の育児休業取得を強力に推し進め、2006年には3.3%だった男性の育児休暇取得率が2014年には34.2%、2015年には35%となっている(OECD: Family Data Base)。一方、日本の男性の育児休業取得率は2018年に6.16%である(「平成30年度雇用均等基本調査」)。

 そして育児休業の経験を通して、ドイツの男性たちは父親の役割を理解し、夫婦で子育てを一緒にすることを学ぶ。ドイツでは1995年に1.25だった出生率も、2017年に1.57と回復に向かっている。出生率が回復している背景には様々な要因があるし、そもそもの労働時間の違いもドイツと日本にはある。だが政府や社会が本気になれば社会は変えられるのだ。

 子育てしやすい社会に変わるためには、何が求められているだろうか。

 「子育て支援とは、父の帰宅時間を早められるような取り組みが必要だと思う」「男性が家事・育児に関わるのが当然の社会にする」にならないと、自分の夫が働き方を変えられず一緒に育児ができるようにならないと、母親たちは理解している。  「いつも夜は父不在ですが、週に1~2日早く帰ってきてくれるだけで母子共にもっとハッピーになれるのになあと思います」というささやかな日本の母親の願いがかなえられない状況で、どうして母親たちがもっと多くの子どもを産み育てたいと思うだろうか。

 そしてこのままいけば、2019年の日本の出生児数は90万人を切ることになる。