「ネトゲ廃人」による事件が急増、韓国や中国のネット依存症の状況は? | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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さまざまな依存の中でも歴史の新しいネット依存。急速な情報環境の発展によって短期間にネットやスマホが普及した国ほど、その負の遺産としてネット依存の諸問題を抱えているようです。

お隣の国、韓国や中国の実状は、今後の日本のネット依存諸問題の解決に、たいへん参考になるでしょう。

◆ネット依存の国際比較(平成26年版情報環境白書より)
アメリカ、イギリス、フランス、韓国、シンガポール、日本の6か国を対象に実施された国際ウェブアンケート調査から、次のような傾向がわかりました。

・10~20代のネット依存傾向が高くなっている(各国共通)
・スマホ保有者の方が、依存傾向は高い(各国共通)
・日本では食事中の携帯電話やタブレット端末の使用は少ないが、各国共通で、就寝前の利用は増えている
・「コミュニケーション」を利用目的とするユーザーのネット依存傾向が高い(各国共通
・日本ではスマホを保有し、コミュニケーションを嗜好するユーザーの依存傾向が高い
・アメリカ、イギリス、韓国では「オンラインゲーム」志向のユーザーも依存傾向が高
・日本では、SNSなどコミュニケーションを嗜好するユーザーは、スマホ等の使用時間が長くなり、依存が高くなりやすい傾向がうかがえる
・ネット利用による現実生活への影響で、「運動不足」「他の時間が削られている」「常に端末を置いていないと不安」が、回答率が高い(各国共通)
・さらに日本では、「家族・友人・知人と過ごす時間を削ってネットをしている」「フィーチャーフォンやスマホでネットにアクセスできないと不安」「歩きながら使用していて人や物にぶつかりそうになった」の回答率も高かった
・日本では、休日に自宅でインターネットを楽しむことが多い層にネット依存の傾向が高い

◆ネット先進国、韓国のネット依存とその取組み
1999年に政府主導のインターネット普及政策「サイバーコリア21」が進められ、短期間でアメリカや日本をしのぐブロードバンド先進国となった韓国。

ところが、2002年10月に光州で86時間オンラインゲームを続けた24歳のネトゲ廃人が死亡したニュースに注目が集まりました。24時間営業のネットカフェの常連で、86時間、タバコとトイレ以外パソコンから離れることなく韓国版MMORPG「リネージュ」にハマり続けたこの青年は、エコノミー症候群による心不全で死亡しました。

この事件以前から、長時間プレイによる引きこもり、ゲームで使用するアイテムの購入費のために借金を抱えるなど、さまざまな問題が生じていたので、韓国政府は2005年から、NYC(国家青少年保護委員会)を設立して、ネット依存に対する対処を開始しました。

◆K-スケール、S-スケール
韓国におけるインターネット利用者のネット依存度を計る尺度K-スケールが開発され、アップデートを重ねています。
K-スケールはパソコン、S-スケールはスマホなどモバイル端末の依存度を計ります。

これによって「集中治療が必要なハイリスクユーザー」「カウンセリングが必要な潜在的リスクユーザー」「自己管理教育を

進める一般ユーザー」に層化され、それぞれに応じたケアが受けられるようになっています。
このように、韓国では、公的にネット依存への取り組みも進んでいます。

◆1300万人以上のネット依存者、中国
中国では、インターネット依存の青少年が1300万以上に上り、治療施設も400を超えているとの情報もあります。

2002年に江西省・南冒市のネットカフェで、高校生がプレイ中に極度の興奮で急死した事件、2011年にオンラインゲームをするために、ハマった夫婦が子どもを次々売りとばした事件、2014年、上海でオンラインゲーム内での武器窃盗をめぐって刺殺事件が生じたなど、ネトゲ廃人による事件が頻発しています。

◆対策が待たれる日本
日本ではまだネット依存症が突出した社会問題ではないせいか、マナーなど「情報モラル」として、教育的措置が講じられています。

しかし、久里浜医療センターには、全国からネット依存者が治療に訪れているそうです。とくに、若者のネトゲ依存は、マナーの問題では解決しないと思われますので、韓国や中国を参考に、さらなる対策が講じられる必要があるのではないでしょうか。

参考:環境省平成26年版 情報通信白書
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc143110.html

●執筆者プロフィール:山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院博士課程修了、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長