経営に役立つ法律・会計知識 第33回
特許法等の改正について
児玉道一氏(弁護士法人ベリーベスト法律事務所 弁理士)
こんにちは、弁理士の児玉です。
寒さが少しずつ和らいできておりますが、日々の寒暖差が大きくなる時期でもございます。
また、敏感な方ですと、既に花粉症に悩まされているのではないでしょうか。
体調には十分お気を付けください。
さて、今年最初の弁理士コラムは、平成26年に成立した特許法等の改正法(以下、「改正法」といいます。)の主な内容について、ご説明させていただきます。
1.特許法の主な改正点
◆特許異議申立制度の創設
特許権の有効性を争う手段として、特許無効審判の制度に加えて、新たに、特許異議申立制度が創設されることとなりました。これにより、特許権の早期安定化が図られることになります。
なお、この特許異議申立制度は、特許掲載公報の発行の日から6カ月以内に利用可能であり、誰でも申立てすることができるものとなっております(施行日は平成27年4月1日です)。
2.意匠法の主な改正点
◆意匠の国際出願
複数の国への意匠登録出願(外国出願)が、一つの手続きで行えるようになりました(「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」に基づく国際出願)。
これにより、従来では煩雑だった外国への意匠登録出願手続きが、効率よく行えるようになります。なお、この制度は、平成27年5月13日から利用可能になります。
3.商標法の主な改正点
◆保護対象の拡充
商標登録ができる対象に、動きの商標、ホログラムの商標、音の商標等の新しいタイプの商標が追加されました。
これにより、様々なタイプの商標登録が可能になることから、各商品・サービスに応じた柔軟なブランド戦略が可能性となります。
なお、この改正法の施行日は平成27年4月1日となっております。
4.まとめ
今回の改正法の主な内容は以上のとおりとなりますが、これらの内容は、いずれも今後の知財戦略に大きな影響を与えるものばかりです。
よって、今回の改正によって、これまでの知財戦略を改めて見直す必要があるといえることから、是非、皆さまにおかれましては、一度、今回の改正法を踏まえた
知財戦略について、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
また、改正法の詳しい内容につきましては、お気軽に当職までお問い合わせいただければ幸いです。
弁護士法人ベリーベスト
http://www.vbest.jp/
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■児玉道一氏(弁護士法人ベリーベスト法律事務所 弁理士)
都内法律事務所にて、10年近く知的財産に関する案件を担当した経験を持ち、その後弁理士としてベリーベストに入所し、多くの実績を残している。常日頃か
らお客さま目線に立って相談を受ける丁寧な対応が、好評を得ている。また、2014年の4月からは日本弁理士会研修所の運営委員を勤め、主に弁理士向けの
研修内容の立案などに携わっている。
・経歴
1995年3月 私立PL学園高等学校卒業
2001年10月 都内法律事務所にて勤務(知的財産に関する案件を担当)
2013年3月 弁護士法人ベリーベスト法律事務所入所
2014年4月 日本弁理士会研修所運営委員