引越しは中止しました。
私自身もまだこの教室で教えていたいのです。
玄関もこんな余裕のある作りは期待できません。
ここの廊下は鴬張りで生徒さんが来るとキュッキュッとなるように作りました。
今では底が抜ける寸前ですが、まだ一年ぐらいは大丈夫でしょう。
2階に上がる階段を昇ると待合室があります。
岳父が生きていた頃のまま保存してあります。
上の賞状は大正14年父が日本歯科専門学校を卒業したとき頂いた金杯の賞状だそうです。
金時計も記念に貰ったと自慢してましたから、優秀な成績だったのでしょう。
今でも待合室に飾ってあります。
待合室は詩吟の稽古場でもありました。
今でも神楽坂では2箇所で詩吟のお弟子さんたちがお稽古してます。
父は潮風流という詩吟の宗家でもありました。
82歳まで毎日3時間の詩吟のお稽古を欠かしませんでした。
父を負ぶってこの階段を最後は上がりました。
何とも明治生まれの父は根性の塊でした。
奥には三角の私が休める茶室も父は作ってくれました。
今では倉庫になっしまっていますが、昔は眺めがよく懐石の待合としてもつかいました。
なかなか、思い出の深い教室です。
一部だけの引越しを考えたのですが、まだしばらくはこの古い教室でお稽古することにしました。
何しろ去りがたい、教室なのです。
お稽古は来週から茶箱になりますが、教室は変わりません。