整体を掲げていると、
「〇〇病なんですが、どうしたら良いでしょうか?」
「× ×病は、どこが急所ですか?」
と尋ねられることがあります。
お気持ちは、大変分かります。
しかし、整体指導者としては、答えにくいご質問です。
なせなら、
同じ病名を病院で貰って来ても、
回復のポイント、急処となる処が、
体によって全く違うことが多いからです。
病名から急処を答えられるものは、ゼロではないですが、
多く見積もっても全体の1/10以下です。
体を直に観ないと分からないことの方が多いのです。
病名からの指導は、私達はできないのです。
もちろん病気の診断は、医師法からも一切しませんし、
医学的診断の訓練は私も受けたこともないです。
整体自体が、病名から体を一切観ないので、
病名が必要ないからです。
病名をお聞かせ頂いたら参考にはしますが、
操法の根拠には絶対しないですね。
なぜ、整体では病名は、要らないのか?
具体例を示します。
実際にあった例ですが、
「インフルエンザなんです…」
と言う方がいました。
毎年何人もいらっしゃいます。
ここでは、実在される方々ですが、
仮名でAさん、Bさん、Cさん、Dさん、 Eさん
に登場して頂きます。
(流行性の感染症は移る方がいるので、時間外に来て頂くようにしていますし、
いわゆる感染力が強いものは、病院の診断を仰ぐようにお勧めしてもいます)
整体的に観ると、
Aさんは、胸椎3番の横に急処があった。
次のBさんは、胸椎10番の横が急処。
次のCさんは、下角の下が急処。
次のDさんは、腹部の肝臓の処にあった。
次のEさんは、右の脇の下に急処が、あったのです。
…
このように、その人の体、その人の体によって、
急処となる処、出ている処が違うのです。
しかし、これが西洋医学・病院にかかれば、
症状やウィルスから、
「インフルエンザ」の一言で括られてしまうのです。
これで良い場合もあれば、悪い場合もある。
さらに病院などでは、
薬という治すための材料を提供します。
適切な材料か、材料を活用できる体か、
余分な材料は排泄できる体かが、
整体的に体を観ていると気になります。
整体の場合は、直すのは整えるのは、その人の免疫力、体力ですので、
その人の治る力を邪魔しているツカエを取ることを目標とします。
このツカエは、多くの場合「急処」と整体で呼ばれる処に発生しやすいです。
急処は背中や腹部にも多くありますので、
このツカエを取ることを、整体ではするのです。
(もちろん手にも足にも頭にも急処はあります)
この急処における、溝のツカエを解除。
こうしないと、その人の治る力(体力や免疫力)が発揮されませんので、
なかなか治りにくいのです。
整体では、こう観ています。
急処🟰溝 のツカエ取り。
これが整体がやっていることです。
ツカエ取りなので、病名は関係ないのです。
インフルエンザと呼ばれる症状を出していたとしても、
Aさんの場合は胸椎3番付近のツカエを取ると体力が回復するのですが、
Bさんの場合は胸椎10番付近のツカエを取らないと体力が回復しない。
こう言うことなのです。
だから、病名で急処を分けることができないし、
病名は、ほとんど重要では無いのです。
しかし薬の場合でも、
結果的にこうした急処の溝が解消される場合もありまして、
こうした場合は、体調にほぼ問題を起こさず解決して行きます。
実際、薬を飲むことによって、その薬が効いたかどうかは保証できませんが、
ツカエ・硬結が消える事はあります。
なので、頭から薬を否定しない方がいいと、私は思っています。
例えば、
がんを解決したいと思っている方がいたとします。
今は昭和40年代ではないので、
がんの方は基本的に病院受診を前提に、当会へはお越し頂いています。
昭和40年代ではなく令和時代なので、
抗がん剤も効きやすいものを、出しているのが現在の病院です。
昭和時代以前の本だけを頼りに、現代のがんの対応を進めることは、
危険の方が高いのが実状です。
病理学の進歩ですね。
しかし、どんなに病理学で調整してみても、
今のその人の体には負担になったり、余分になってしまうことがあります。
負担が余分になることで、新たなツカエが生じたり、
元々あったツカエが強化されてしまうことがあります。
病理学というか現在の病院では、
整体の観ているツカエは認識すらしていないですからね。
このツカエが悪化すると、
治りにくくなったり、ひどく辛かったり、
はたまた帰らぬ人となってしまうことがあります。
なので、ほどほどの投薬治療をしながらでも、
こうしたツカエを取ると、結果が良い方向に行きやすいのです。
(だからと言って、どんなドクターの指示する薬の出し方でも、
いつも正しいとは限らないです。
薬の知識は最低限、自分でも持っていた方が良いです。
そうでないと、懐を潤す道具、論文を書くための材料に
使われれやすいのが現代です)
要は、
病名じゃないよ、その人その人個人個人の急処だよ。
その人独自に出てくる、その時々に出てくる急処を狙うことが大事だよ」
と言うことです。
これが、整体です。
急処を、作り出したり、観抜く職人業が、
整体業とも言えます。
(感謝)
吉田直樹 拝