熱が下がって

薬をやめた

ばあちゃんですが

 

翌日またまた

熱が出まして

 

なんでも

左の顎が赤くなって

腫れていたやら

 

すわ

顎骨壊死や

悪性リンパ腫の再発か?

という

嫌な予感もありましたが

 

抗生剤を続けましたら

熱も綺麗に下がって

やれやれでした

 

 

とこうしていると

 

じいちゃん病院から

電話がありまして

 

水虫が

悪化していて

一向に治らない

皮膚科へ

連れて行って

ほしい

 

というので


病院間連携で

市民病院へ

予約してもらって

一週間後には

診てもらいました

 

ばあちゃんが

毎月診て貰っていた

女医さんです

 

 

 

ああ、これは

水虫の薬に

かぶれとるんよ

 

え?

 

塗り薬出しとくわ

へへへ

あの病院が

持ってなさそうな

マニアックな薬

出したろ

 

はぁ

 

 

 

ところがギッチョン

 

私が門前薬局へ

処方箋持って行って

病院受付に戻ってきたら

 

事務のお姉さんが

 

あの薬

病院の方に

あるそうです

 

と、大慌て

 

ありゃま

どうしたら

ええのかしらん

 

と言うと、

 

処方箋は、

私が薬局から

回収します

お嬢さんは

患者さんを病院へ

送って行ってから

また

戻って来てください

その間に

病院へのお返事を

作っておきますからね

 

というわけで

 

私たちは

じいちゃんを連れて

介護タクシーで

病院へ戻って


車でまた

市民病院へ行き

事務から事務への

お手紙をもらって

さらにまた

病院へ届けました

 

 

行ったり来たり

大変でしたが

 

じいちゃんは

自分が病院に

連れて行って

もらうときは

あんまりごちゃごちゃ

言わないので

助かります

 

ただ、

お迎えに来てくれた

介護タクシーの

運転手さんを

 

どういう訳だか

私の息子と勘違いして

 

(それがねぇ

運転手さんは

女の人だったのよ)

 

なんか、一人で

勝手に盛り上がっていて

市民病院に着くまで

わぁわぁ言って

やかましかったので

着いてから

 

じいちゃん、

あの運転手さん

女の人やったんよ

なんでウチの息子と

勘違いしたの?

 

と言ってやったら

ショックだったのか

やけにおとなしくなって

 

しかも、

病院間連携の影響か

待ち時間が

ほとんどないくらい

すぐに

呼んでもらったし

 

私は事務手続きに

あっち行ったり

こっち行ったり

しているだけで

終わったのでした

 

 

 

それからまた

一週間後

 

同じ運転手さんが

迎えに来てくれたのです

 

今度は

じいちゃんも勘違いなしで

 

女の人だったと

納得してました

 

 

運転手さんは新人で

支払いは

介護タクシー加算の

千円を足し忘れて

領収書が2枚になるのも

先週と同じで

 

おい

ショボーンショボーンショボーンショボーンショボーンショボーンショボーン

 

誰がボケてるのか

ようわかりません

 

 

 

 

 

結局

じいちゃんの足には

水虫がいませんでした

 

なので

 

水虫がいないのに

水虫の薬を

塗っていたから

足の皮膚がかぶれた

 

というのが真相です

 

 

 

病院が

勝手に作った病気の

治療にかかった費用は

病院が

払ってくれんかな?

 

ムキームキームキームキームキームキームキー

 

介護タクシー

結構高いんですけど

 

 

 

まあね

糖尿病もある

じいちゃんだから

足の傷が治らないのは

両足切断か?

 

って心配していたので

そうじゃなかったから

よかったんだけどもね

 

やれやれ

 

 

 

 

 

二回目の受診の後

病院に戻ってから

 

じいちゃんが

ばあちゃんのことを

尋ねました

 

わしが結婚しとった

相手の人は

どうしよるんか?

 

(ばあちゃんという

単語も

出てこないらしい)

 

 

ちょうど

前日面会に行ったから

消息はわかっていたので

 

寝てばっかり

おるけども

ご飯の時は

シャキーーーンと

起きて

全部食べてる

らしいよ

 

と伝えました

 

どこにおるのか?

 

って

訊くんです

 

面会に行ったことも

覚えてないんですね

 

ウチの近所の

老健だよ

 

と言うと

 

ワシもそこへ

入りたい

 

えらく神妙なことを

言うのでした

 

大丈夫

申し込んであるから

順番が来たら

入ろうな

 

と言うと、

喜んでいました

 

 

流石に

家に帰って

暮らせないことは

納得したのでしょうか?

 

だといいのですが