衆議院予算委員会での質疑内容を評価したレポートを、昨日政策リサーチにアップした。レポートでは、質問の論点構成や明確さ、実現可能性、制度設計の具体性、政府との向き合い方、答弁との対話・深掘り、高市政権への政策理解度などを総合評価した。

 

結論は、政策の⽅向性を理解し、反対一辺倒ではなく、制度設計や多⾓的な方面から議論し、提言も踏まえた質疑を行った者が高い評価となった。与党だけでなく国民民主や公明の質疑も高評価は多かった。与党内でも、政府の方針を追認するような質疑は低評価である。

 

一方で、専門性が高くても慎重論やリスクの指摘に留まるような質疑や、政府の経済政策を放漫財政や規模過大と結論先行で否定するような質疑は、低い点数となった。立憲民主は、一部に好評価の質疑もあったが、総じてレベルの低い質疑が多く落第点の質疑が多かった。

 

この結果は、立憲民主の安住幹事長の認識とはかけ離れたものであるはずだ。野党である以上、政府を批判するのはわかるが、批判に終始し具体策が見えなかったり、建設的な意見がなければ低評価にならざるを得ない。この事実は、冷静に受け止めた方が良い。

 

今日の参院予算委員会でも、相変わらずの立憲クオリティーを彷彿させる質疑が行われた。立憲議員が意気揚々と取り上げた話題は、台湾有事をめぐる首相発言である。台湾有事で首相が武力行使をすると発言したと詰め寄り、首相に発言の撤回を迫った。

 

このやり方は、誤解を招くやり方だ。前提となる台湾有事で、首相は台湾有事に際して武力行使するとは発言していない。どのようなケースでも総合的に判断すると述べ、従来の政府答弁を踏襲しているのは、議事録を確認しても明らかである。

 

指摘されたやり取りは、台湾海峡で有事が発生した場合にどう対処するのかの問いに対し、中国が武力行使し、米軍が来援し攻撃を受けた際は、存立危機事態になり得ると述べた部分であり、前提に米軍への攻撃がある。その部分を明確にしないという点でも悪質だ。

 

米軍への攻撃を前提にした質問をするべきにも関わらず、台湾有事で武力行使をすると述べたと勘違いさせるような言い方をし、テレビ放映される委員会で発言の撤回を迫るやり方は、国益を損なうものと言わざるを得ない。この質問は、採点をすれば0点である。

 

立憲議員には、このような悪質な質問や行動が多い。この問題では、まるで自分たちの質問が中国の反発を招いたという自覚があるかのように、責任逃れの証拠探しや質問をしているようにも見える。それがどれだけ国益を損なっているのかすらも気づいていない。

 

中国がこの問題で日本にイチャモンとも言えるような圧力をかけてきたのは、このような間違えたメッセージが大前提となっている。台湾有事への武力行使という部分のみが強調された取り上げ方が、中国の誤解を招いたと言って良い。

 

この問題を受け、様々なチャンネルを通じて中国側の本音を調べてみた。日本語がわかる中国人に発言内容を正しく聞いてもらうと、問題のない発言だとの反応が返ってくるが、上層部にはその意味が正確には伝わっていなかったというのが、どうも真相のようだ。

 

上層部が台湾という言葉に過剰反応し、末端の組織が上層部の憤りを忖度したことで、事態が大きくなってしまった。一方で、日本側の偏った報道や野党議員の首相批判の発言が繰り返されることで、中国側は誤った認識を正当化させてしまった。

 

中国との太いパイプがあれば、そのような誤解は即座に解消できたかもしれないが、政権が変わったばかりであり、中国とのパイプがなかったことも災いし、事態はここまで悪化してしまった。そのため、解決には相当な時間を要するかもしれない。

 

中国が一方的にエスカレーションしているだけなので、日本はこれまで通り泰然とし、誤った情報にだけ即座に反応するのが良い。中国の威圧外交は周辺国にも評判が悪く、チャイナリスクとなっている。中国経済も状況は芳しくないため、事態が沈静化する可能性は高い。

 

問題は日本国内で、騒ぐ人たちの方だ。今回のような質問は一部の支持者を喜ばすだけで、国民からは呆れられている。本日、補正予算が成立するが、予算案審議の過程で、立憲議員からはこのような質疑が多く、直接予算案にかかる前向きの質疑が少なかったのは残念だ。