HPCの性能ランキングで富岳が、アプリケーション実行とビッグデータ処理の2部門で7期連続の1位となった。計算速度は米国のフロンティアが最速で、富岳は3期連続で2位となった。

 

開発競争の激しいスパコンの世界で富岳が競争力を上位を維持できているのは、応用力や実践的指標に優れているためである。

 

スパコンは、民主党政権時代に2位じゃダメなのかと事業仕分けの槍玉に上がったが、その指摘がその後の開発の方向を変えた。

 

富岳は、新型コロナウイルス感染症への対応で21年3月に前倒しで供用が始まったが、単純な演算速度で世界一を目指したのではなく、応用演算の性能を高め汎用性の高いスパコンを目指して開発された。

 

そのため、新型コロナウイルス関連以外にも、線状降水帯予測のリアルタイムシュミレーションや創薬研究などに活用されている。また、日本語を中心とした生成AIの開発でも活用されることが明らかとなった。

 

技術競争力のある今のうちに、更に様々な形で活用してほしいと思う。ポスト富岳を見据えた検討が始まっているが、富岳の活用は、次世代の開発に間違いなくつながる。