働いて一定以上の収入がある高齢者の年金を減らす『在職老齢年金制度』廃止が検討されたが、廃止は年金支給額が大幅に増え財政への影響が大きいことから、当面は廃止を見送り減額対象を緩和する方向での調整となった。減額対象も現行の賃金プラス年金の月額47万円超から月額62万円超に引上げるとしていたが、批判を受け月額50万円台とすることで落ち着いた。現行制度で約1.1兆円程度抑制している支給額をこれ以上増やしたくないのが政府の本音だ。

 

廃止の議論は、高齢者の就業意欲を削ぐということにあったらしい。現在、年金の受給年齢は60歳から70歳までの間で自由に選択できるが70歳で受給する高齢者は1%程度しかいない。受給額を増やし75歳に伸ばしても75歳からの受取りを希望する人は多くはないだろう。将来への不安から年金はみんな少しでも早く多く受取りたいのだ。

 

人生100年時代というが、寿命が伸びたことで将来に不安を感じる人も増えた。支える人口は減る一方で、給付と負担のバランスは悪化の一途だ。高齢者の仕事の機会を奪わず、弱い立場の人たちも不公平を感じない思い切った改革が必要である。政治家の矜持やいかに。。。