本日、高村正彦前自民党副総裁が語った外交秘話である。高村前副総裁は20年前の小渕内閣時代に外務大臣を引き受けている。

高村元外務大臣によると、今年は日韓パートナーシップ宣言から20年だという。1998年10月8日、小渕首相と金大中大統領は未来志向の日韓関係を構築するとの決意のもと共同宣言を行なった。当時、金大中大統領は、日本が戦争への謝罪を述べれば二度と謝罪を要求することはないと述べたそうだ。その後の日韓関係を見れば決してその言葉通りとなってはいないが、小渕首相の判断で謝罪の文言を入れたことで日韓関係が劇的に改善するきっかけとなった。日韓両国は改めてこのパートナーシップ宣言の原点に戻って未来志向の関係構築を目指すべきであろう。

中国も同時期に江沢民国家主席の中国国家元首として初の来日へ向けた調整が進んでおり、事務方の外交トップであった唐家璇外交部長は、過去にしがみついて日本に迷惑をかけることはしないと明言したそうだが、江沢民国家主席は自分たちの世代は歴史を大事にすると述べ、両者の間に見解の相違があったらしい。日中両国は当初唐家璇外交部長の考えに基づき共同宣言の原案を練っていたが、日韓宣言に謝罪の文言が入ったことで中国側が態度を硬化し、1998年11月の江沢民国家主席来日は歴史問題再燃のきっかけとなってしまった。小渕首相は口頭で謝意を述べたが、親日家であった唐家璇は中国で弱腰外交と相当な非難を受けたとのことである。韓国は一度誤れば二度と要求しない、中国は謝っても未来永劫要求されるかもしれない、ということが日本政府の両国への対応の差となったようだが、どのような対応が正しかったのかを判断するのは難しい。しかし、日中関係も今後は未来志向の関係構築を進めることを期待したい。