いつも大変お世話になっております。

清野きわ司法書士事務所の司法書士清野紀和です。

しばらく暖かい日が続いておりましたが、今日は風も強く、とても寒いですね。

 

相続人が法定相続分を超えて相続財産を取得した場合には、遺言、遺産分割によるものかどうかにかかわらず、対抗要件(不動産ですと、登記になります)を備えなければ、第三者に対抗することができないようになりました。

 

改正前は、相続財産の取得方法によって、対抗要件が必要な場合と、なくても対抗できる場合が混在していました。

遺産分割協議や遺贈によって、法定相続分を超えて取得した場合には、登記等が対抗要件になっていました。

一方、遺言により相続分の指定がされた場合(たとえば、「Aに遺産の5分の1、Bに遺産の5分の2、Cに遺産の5分の3を与える。」といった内容)や、いわゆる相続させる遺言(たとえば、「Aに甲土地、Bに乙土地を与える。)といった内容)には、登記等がなくても第三者に対抗できるとなっていました。

しかし、これでは、たとえば、相続人Aの債権者が、相続人Aの法定持分にあたる財産を差し押さえたとしても、遺言で、別の相続人Bに相続させることになっていた場合には、たとえ、その相続を受けた相続人が登記を怠っていたとしても、対抗することができませんでした。

これでは、第三者が不測の損害を受ける可能性があることから、今回の改正がなされました。

今後は、相続が発生した場合には、相続人はできるだけ早い対応が必要となるでしょう。

 

また、遺言執行者がいる場合には、相続人がその執行を妨げる行為をした場合には、無効であるとされていましたが、改正後は、原則無効としつつも、そのことを知らないで取得した第三者との関係では、対抗要件を先に備えたものが優先することになりました。

たとえば、ある不動産を第三者Bへ遺贈したとします。遺贈の登記をしないうちに、相続人Aがその不動産を第三者Cへ売買したとした場合、改正前は、遺言執行者がいた場合には、売買が無効となったため、第三者CはBに対して売買を主張することはできませんでしたが、改正後は、Cが遺言執行者の執行を妨げる行為であることを知らなかった場合には、先に登記をしたほうが優先されるようになりました。

 

※ 施行日 2019年7月1日