いつも大変お世話になっております。

清野きわ司法書士事務所の司法書士清野紀和です。

 

改正前の法律では、遺留分減殺請求を行使すると、当然に物権的効果が生ずるとされていました。つまり、遺留分減殺請求を行使すると、遺留分を侵害している限度においてその権利が当然に遺留分権利者に帰属することになっていました。たとえば、遺留分を侵害している財産に不動産があった場合、遺留分の割合により共有状態が発生することになりました。

 

改正法により、遺留分は侵害額に相当する金銭で請求することとなったため、共有状態が当然に発生することを回避することができるようになりました。また、遺贈や贈与によって、ある特定の財産をあげたいという遺言者の意思が尊重されるようになりました。

 

また、金銭を直ちに準備できない受遺者又は受贈者は、裁判所に対して、金銭債務の全部又は一部の支払いにつき相当の期限を許与することができるようになりました。

 

遺留分の算定方法については、持ち戻される生前贈与の範囲について改正がありました。

遺留分は、相続財産に遺留分率をかけたものになります。

相続財産は、相続開始時の相続財産の価額に相続開始前に贈与された財産の価額を足して、そこから債務の全額を控除することで求められます。

相続財産に加算される贈与については、改正前は、原則として、相続開始前の1年間にした贈与に限定されていましたが、相続人に対する贈与のうち特別受益とみなされる生前贈与については、平成10年の最高裁判例で、相続開始1年より前にしたものも、減殺請求を認めることが相続人に酷であるなどの特段の事情がない限り、遺留分算定の基礎になる財産に含まれるとしていました。

改正後は、改正前と同様、原則として、相続開始前の1年間にした贈与に限定しつつも、相続人に対する贈与については、1年が10年になると明確な基準を定めました。

 

※ 施行日 2019年7月1日