いつも大変お世話になっております。

清野きわ司法書士事務所の司法書士清野紀和です。

先週末は、子供が大好きな星野源のライブへ、付添いのつもりで行ってきましたが、なかなか楽しいライブでした。

 

それでは、相続法改正について、相続された預貯金債権について、遺産分割前でも払い戻しを受けられる制度が創設されました。

 

改正前は、平成28年の最高裁判例の変更により、預貯金債権が遺産分割の対象に含まれたため、亡くなった方の預貯金は、いわゆる「口座凍結」の状態となり、遺産分割協議が成立するか、金融機関の用意する書面に相続人全員が署名捺印し、印鑑証明書を用意しないと、自分の相続分だけを勝手に払い戻すことはできませんでした。

 

そこで、今回の改正により、口座ごとに預貯金債権額の3分の1に、払い戻しを行う相続人の法定相続分をかけた金額まで(ただし、上限は150万まで)は、単独で金融機関の窓口における払い戻しを受けられるようになりました。

具体的には、相続人が配偶者と子供2人のケースにおいて、A口座に1200万円、B口座に300万円の預貯金債権があったとします。

配偶者(法定相続分2分の1)が単独で払い戻しを受けられる額は、

A口座 1200万円 × 1/3 × 1/2 =200万円 上限150万円までなので、150万円まで払い戻しを受けられます。

B口座 300万円 × 1/3 × 1/2 =50万円 50万円まで払い戻しを受けられます。

 

また、家事事件手続法も改正され、今まで家庭裁判所の仮分割の仮処分の要件は、「急迫の危険を防止するために必要があるとき」とされていましたが、「預貯金債権を行使する必要があると認めるとき」となり、要件が緩和されました。

これにより、預貯金債権に限っては、家庭裁判所の判断による仮払いが認められやすくなりました。 

 

※ 施行日 2019年7月1日