杣が往来映りし池も氷りけり   原 石鼎

 

(そまがおうらい うつりしいけも こおりけり)

 

 

「杣人」(そまびと)とは「樵」(きこり)のことである。

俳句ではよく見かける言葉だが、正直、僕はほとんど見たことがない。

「杣道」(そまみち)は「樵の歩く道」のことである。

これもあまり見たことがない。

まあ、今の日本の林業は衰退しているし、今の林業は個人ではなく、会社で行っているであろうから、伐採地は立ち入り禁止になっているのではないか、と、勝手に想像する。

 

ところで、この「杣」自体はどういう意味だろう。

私の中では、

 

杣=山

 

というイメージだったが、単なる山ではなく、

 

樹木を植え付けて材木を取る山

 

という意味なのだそうだ。

簡単に言えば、

 

植林された山

 

ということになるだろう。

で、あるから、普通の雑木山は「杣」とは言わない。

 

そのことを知って、「杣」を詠んだ句を調べてみたが、この句が一番いい。

句意は、

 

木こりが毎日行き来していた姿を映していた池も今は氷ってしまったな~。

 

というもの。

木こりは冬もこの池を往来しているのだろうか。

私は、冬になり、木こりも通らなくなった…と鑑賞したい。

木こりも通らなくなった、ということは、誰も通らなくなった、と意味であろう。

そう解釈することによって、冬の静けさが見えて来る。

 

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