美瑛の丘で
描きたくて 描きたくて 描きたくて
そんな衝動に駆られて無心に筆を動かす時が
私の至福の時である
初めてこの街の丘に立った時
我れを忘れて夢中で何枚も描き続けたのを
つい昨日の事の様に思い出す
かつて中央アジアの街で
ヒマラヤの山中で
そしてチベットの高原で受けたあの時と同じ風を感じ
描き虫がゾワゾワと私の胸の中でうごめいていた
バッグからスケッチブックを取り出すのももどかしく
純白のキャンバスの上で私の腕は勝手に動き出す
眼前の景色はどこへも逃げ出さないのは分かっていても
刻一刻と変わり行く今という時を繋ぎ止めたくて
無上の風が私の中を吹き過ぎると
私はいつしか透明になり
景色の一片と化す
榎木孝明
美瑛の風景とそれを描く魅力について
榎木さんご本人による生解説を聞きながら
絵を鑑賞できる、大変貴重な機会です!
8/21(日) 9:30~11:30
西美の杜美術館
是非、皆さまのお越しをお待ちしています!!