サンシャイン!!2期感想「#8 HAKODATE」篇 | 肯定ログ

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 ラブライブ!サンシャイン!!2期「#8 HAKODATE」の感想を書いてゆきたいと思います。

 

 黒澤姉妹、高海姉妹、そして鹿角姉妹。

 

 それぞれの姉妹愛のかたちが尊く美しいお話でした。

 

 前回の記事で大見得を切って「覇道を往け」なんて書いたものの、行ったのは王道でも覇道でもなく北海道でした。

 

 

 

  • Aqoursの「if」

 #8 でスポットが当たったのは黒澤姉妹とSaintSnowの鹿角姉妹。

 

観客席から観ることでステージ上の自分たちがどう見えているか──
どうすれば楽しんでもらえるか、すごい勉強になるはずだよ。

 

 1クールアニメの8話と言えば物語も大詰め。

 

 物語的には何の進行もなく、ましてやライバルとして描かれていたキャラにスポットを当て、ここでAqoursの物語から逸れる必要はあったのか?

 

 ──大いにあり。

 

 なぜならSaintSnowは、あったかもしれないAqoursの「if」であり、境遇の似ているものだから。

 

 そんなSaintSnowを通じて自分たちを「客観視」することで意味を成す回だったと感じました。

 

 なによりも、「Aqoursのメンバー・黒澤ルビィ」にとって殻を破るきっかけとなった(であろう)お話がAqoursにとって何の意味もないはずがない。

 

 鹿角姉妹のことを「客観視」して、ルビィは自分たち姉妹のことを見つめ直すのです。

 

 

 話をいったん戻します。

 

 練習や周囲からの期待も虚しく、SaintSnowはステージでミスをしてしまい結果は予選落ち。

 

 これがラブライブなんだね
1度ミスをすると、立ち直るのは本当に難しい
1歩間違えれば私達もってこと?

 SaintSnowはAqoursと同様に、決勝へ進むためこれまでよりもずっとクオリティの高く、難しいものに挑戦していたのでしょう。

 

 Aqoursは無事に成功し決勝にも進出したが、SaintSnowは失敗し予選敗退という結果。

 

 善子が言っているように「1歩間違えれば」Aqoursにもこうなる未来があったかもしれない、ということ。

 

 「#6 Aqours WAVE」では千歌がアクロバットを出来るかどうかが最大の焦点でしたが、8人のダンスにも高いレベルが求められていました。

 

 運動が得意でないメンバーもいた。緊張しいなメンバーもいた。学校存続につながるプレッシャーや圧倒的アウェーでのステージ、ミスを誘発する要素なんていくらでもあったのです。

 もし自分がミスしていたら、もし姉の最後のステージを台無しにしてしまっていたかもしれない未来があったら──

 

 そんなSaintSnowを「客観視」し、自分たちは常に死の淵にいた、自分のミスですべてが台無しになっていたかもしれないという恐怖を突きつけられます。

 

 この「あったかもしれない」対比がバッチリ決まっていて、SaintSnowを「こう使うのか」と息を飲んだものです。 

 

 

 イベント終了後、SaintSnowの後を追おうかどうかと悶々としているAqours。

 

まだ気になる?
私達が気に病んでも仕方のないことデース


 鞠莉の言うとおり、Aqoursが気に病んでも仕方のないこと。

 

 むしろ、これはAqoursにとって何の関係もないこと。

 

 #7 で「相手なんか関係ない」と宣戦布告したように、誰であろうが・誰がいようがいまいが関係のないこと。

 

 気を取り直して函館観光でもしようという流れになります。

 

 これが普通なのです。

 

 でも、ルビィにだけは違う時間が流れ続けます。 

 

 

 

  • 宝石のような涙色した未来でも

 休憩がてら立ち寄った茶屋がなんと鹿角姉妹の実家で、図らずともSaintSnowとの再会を果たしてしまいます。気まず…。

私も理亞もここが大好きで、大人になったら2人でこの店を継いで暮らしていきたいねって。

 

 聖良も理亞も、この土地に愛着があり、家を継ぐとも言っています。

 

 ここでもまた誂えたような対比が決まっています。

 

 黒澤姉妹、というよりダイヤは家を次ぐことがほぼ決定しており、彼女たちもまた姉妹。

 

 妙な境遇の近さもあってか、ルビィの表情は晴れません。

 

 残念でしたね、と聖良を励ますAqoursたち。

 対して聖良は「ラブライブはこういうもの。後悔はしていない。」といい、理亞も次のチャンスに向かって頑張るだろうと言いかけ──

 

嫌!何度言っても同じ。私は続けない。スクールアイドルは、SaintSnowはもう終わり!

 

 既存メンバーがいなくなったあと今の名前を背負ったまま続けるのか、そもそもスクールアイドル自体を続けるのか否か。

 これはスクールアイドルにとって命題でしょう。

 Aqoursも例外ではなく、じきにこの問題と直面せざるを得ない時が来ます。

 

 「あったかもしれない」存在は、「いずれやってくる未来」に変化します。

 

 散っていた敗者をただの記号で終わらせるのではなく、こう役立たせてくれる所が#8 の凄いところだと思います。

 

 自分個人の境遇と重ねていたところにスクールアイドルとしての余生を突きつけられる追い打ち。

 表情も暗くなって耐えきれなくなったルビィが口を開こうとすると「泣いていたことをバラしたらタダじゃおかない」と釘を差されてしまいます。

 

 食べ終わったのか空気を読んだのか、場所を変え再び話題は鹿角姉妹。

 

 新メンバーを集めてまたやればいい、とおちゃらけて言う鞠莉と、そう簡単じゃないと諭す果南とダイヤ。

 3年生は自分たちがAqoursでいることに拘っていたので、このやり取りには重みがあります。

 特にダイヤは自身が生徒会長職を任されるようになってから、浦の星でのスクールアイドルの発生を許していませんでした。

 

 理亞がふさぎ込んでしまった理由を探る面々。

 「自信なくしちゃったのかな?」という言葉に、ルビィがついに、不意に口を開きます。

 

違うと思う。聖良さんがいなくなっちゃうから。

おねぇちゃんと一緒に続けられないのが嫌なんだと思う。
おねぇちゃんがいないならもう続けたくないって。

 

 発した自分すら驚くほど淡々と・自然にこぼれた言葉にメンバーも驚きます。

 的確に言い当てたことに驚いたのか、こんなにハッキリと意見をいうのが珍しかったか、それとも──

 このシーン、ハッとするメンバーの表情の変遷が非常に素晴らしいので、よければ注視してみてください。

 

 

 ルビィがハンバーガーショップから飛び出した後、#8 屈指のシーン。

 

おねぇちゃんも決勝が終わったら…
それは仕方ありませんわ。
でも、あんなにスクールアイドルに憧れていたのに、あんなに目指していたのに…
もう、終わっちゃうなんて。
私は充分満足していますわ。果南さんと鞠莉さん。2年生や1年生の皆さん。そしてなによりルビィと一緒にスクールアイドルをやることが出来た──
それでラブライブの決勝です。アキバドームです。夢のようですわ。

 

 自分はもう充分満足していると語るダイヤ。

 握った拳はおそらく最後の心残りだった「廃校阻止」。

 かねてより黒澤ダイヤの「廃校に関して不自然な達観」があると感じていたのですが、廃校を阻止できなかったマイナスより、かつて手放してしまった宝物のような時間を取り戻せていることのプラス面が大きいことによるのかもしれません。

 

 

でも、ルビィは、おねぇちゃんともっと歌いたい。
おねぇちゃんの背中を見て、おねぇちゃんの息を感じて、おねぇちゃんと一緒に汗をかいて…

 

ルビィを置いていかないで

 

 宝石のような涙とともに絞り出された「わがまま」。

 

 生まれたときから先を行き、習い事でも常に自分の先を行き、才色兼備でいつでも憧れだった姉とようやくスクールアイドルとして初めて「肩を並べられた」のに、そんな残された時間は長くてもあと3ヶ月。

 

 また置いていかれてしまう。

 

  「置いていかないで」という気持ちは、おそらくルビィが物心ついた頃から抱いていたもの。

 ルビィが中学生ながら旧Aqoursの衣装作りを手伝っていたのは、「姉に置いていかれたくないから」というルビィなりの「わがまま」でもあったのかもしれません。

 

 そんな「わがまま」をいうルビィを優しく撫でて「大きくなった。それに美人になった。」と言うダイヤ。

 

 妹としてではなく、1人の女性としてルビィへ対応します。でなければ「美人になった」なんて言いません。いつものように可愛い可愛いと頭を撫で回してやればいいのです。

 

 子供でありたいルビィと、大人として立たせたいダイヤの対比が最高にキマっています。

 

 個人的な観点ですが、黒澤姉妹の対話シーンは「海側が過去・太陽の光が射す側が未来」という観点で見ています。

 「あんなに憧れていたのに、あんなに目指していたのに」と過去を語るとき、ルビィは海側を向いています。

 

 ベンチに腰掛けてからというもの、ルビィから「もっといっしょに歌いたい」と言われるまでダイヤは一度もルビィを・過去を向いていません。

 一度ルビィへ向き直り、過去とも向き合うダイヤですが、「今はラブライブの決勝だけを考えるようにしている」と語るときは再び「未来」の方を向きます。キマリすぎか…

 

 

 ルビィは宝石のような涙を流し、いずれくる未来へ目を向けました。

 

 そしてダイヤからの言葉を受け、ある決意をします。

 

 

 

  •  黒澤ルビィという「キセキ」

 ホテルの部屋にルビィがいないことに気づく善子。

 

 ルビィのぶんだと取っておいたハンバーガーを食べる花丸が言うに、どうやら出かけるから要らないとのこと。

 

 「クリスマスシーズン」に「夕飯は要らない」という、いかにもな「リア充臭」を察知した善子と、まるで分かってない花丸の「いつも通り」さがルビィにだけ流れてる違う時間を引き立たせます。

 

 仕事中の理亞を呼び出し、話題は「姉トーク」へ。

 

 どっちがすごい、何が出来るあれが出来るの押し問答。大人ぶってる理亞も年相応って感じがして可愛らしいです。

 

 

やっぱり、聖良さんのこと大好きなんだね
当たり前でしょ!アンタのほうこそ何?普段気弱そうなくせに…

 

だって、大好きだもん。おねぇちゃんのこと。

 

 人見知りで、他人に触られただけで大声を発して姉に助けを求めていたルビィが、なんの臆面も無く自分の意志を発し、あまつさえ自分から他人に触れて「最後にしなければいい」とまで言います。

 

 

 これは間違いなく「ダイヤが望んでいたこと」のひとつ。

 

ただ。あなたがわたくしにスクールアイドルになりたいって言ってきたとき
あのとき、すごく嬉しかったのです。
わたくしの知らないところでルビィはこんなにもひとりで一生懸命考えて、自分の足で答えにたどり着いたんだ、って。

 自分で考えて、自分で答えを出す。言うなれば「自立」です。

 

 1期「#4 ふたりのキモチ」にて、「よかったね、やっと希望が叶って」と鞠莉が言うシーンが有りましたが、その答えをここで回収してくれるなんて感謝しかありません。

 

 

 

うたいませんか?いっしょに曲を
おねぇちゃんに送る曲を作って、この光の中で、もう一度!

 

 自分と同じ境遇の理亞に手を差し伸べて、自立するための歌をいっしょに歌おうと。

 

 Aqoursはラブライブの決勝には進めたが、廃校は阻止できなかった。

 SaintSnowは唯一の目的だった「優勝」すら目指せなくなった。

 

 お互いに、「一番欲しかったものに手が届かなかった」存在。

 

 失意のAqoursが全校生徒にされたように、失意のSaintSnowへ新たな目的を、輝ける道を提示する。

 

 ルビィは友人の花丸いわく「とても思いやりのある子」。

 

 自分がされて救われたことは、誰かにだってしたくなるでしょう。

 

 でも、なによりもこれは、ルビィ自身のために。

 

 

 

 「#4 ふたりのキモチ」ついでにもうひとつ。

素晴らしい夢も、キラキラした憧れも、全部胸に閉じ込めてしまう子。
その胸の扉を思い切り開いてあげたいと、ずっと思っていた。
中に詰まっているいっぱいの光を、世界の隅々まで照らせるようなその輝きを。大空に放ってあげたかった。それが、マルの夢だった。

 

 花丸が語った「ルビィに詰まっているいっぱいの光」がこうして他人を照らして、「の中でうたいませんか?」なんて言っているのです。

 

 花丸も役者冥利に尽きるでしょう。

 ともあれば花丸の「夢」は叶ったもので、花丸の憑き物が落ちたような食べっぷりにも納得がいくというものです。

 

 

 ラブライブ!サンシャイン!!は「キセキ」をめぐる物語でした。

 

 「キセキ」は奇跡になり、軌跡を遺すというものに。

 

 そして「キセキ」とはまた「貴石」でもあるのです。

 貴石(きせき、英: Precious stone)とは、宝石の取引上の分類。狭くはダイヤモンドルビー、サファイア、エメラルドの四大宝石、それ以外に希少性や硬度を基準として数種の宝石が加えられる。 (参照:Wikipedia)

 

 

 貴石から貴石へ送る愛のうた。

 

 

 次回、「#9 Awaken the power」

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