進撃の庶民に寄稿したもので、本ブログに転載したものを、再掲します。

自分のアメーバブログで4年前に書いた貴方の記事として表示されたものでしたが、今日書いた記事としても見間違えそうなものでしたので、思わず再掲しました。私がブログを書かなくなったのも、5年前と問題点が何も変わっていないため、改めて書くことがなくなったというのも実は背景にありまして、そういう意味でも象徴的な稿とも言えます。

 

訴えて待っているだけで、問題を誰かが解決してくれると願うのは甘えだったのかなと、反省するところです。

 

 

先日からお伝えしておりますとおり進撃の庶民というサイトで記事をあげております。 この進撃の庶民では、ポルシェ万次郎さんによりマンガ「アイドル新党なでしこ!」(第1話はこちらです。)が隔週で掲載されることになっています。他にも多くのブロガーが稿をあげており非常に質の高いコンテンツが提供されております。 必見ですよ!

 

 本日の稿は、話題になっている大阪都構想について低俗な視点で書いたものです。 本来的には大上段から議論している方が楽しいですし、自分のためにもなるのですが、とりあえず伝えるべき情報を伝えておく必要性があるだろうと、取り上げました。 正直なところ、藤井氏のように大上段から2200億円とか取り上げても、真面目に議論する気がない人には打撃にならないと思うのです。これは、はっきり申し上げると、大阪都構想を支持する人は、真面目に政治を考えている人ではないためです。だからこそ、低俗ですが、大阪の方々に、君らの財布から、政治家をもっと養ってって言われているんだよと気づいてもらうことが大事だとおもったのです。 以下、本文です。 

 

大阪都構想についての議論が盛んになっております。藤井聡氏の指摘する7つの事実は、公表されている大阪都構想、地方自治法を考慮して、現実的に起き得る問題点として正確な指摘をしており、行政法を学ぶものにとっては、非常に有意な指摘だったと思います。 

 

例えば事実1で指摘した大阪都の名称については、地方自治法の中で都道府県の名称については法律で定められると規定されていますから、地方自治法を見たことがある人にとっては、「あぁ、地自法3条にあった、あの規定だね」と、一つ学ぶことができるでしょう。 

 

事実2の大阪都構想の肝になる話にしても、事実3から語られる自治体制度と自治体の繁栄に関連する話にしても、地方自治を学ぶものには良い教材になると思います。 ただ、実はいずれも本質の話ではありません。本当に指摘するべき問題は、大阪都構想で得をするのは誰でしょう?という、とても低俗な話です。 政治体制がどのようなものが良いのかという議論は、議論が好きな人には面白くて、真面目に政治を考える人には、その視点で大阪都構想も考えてしまうでしょう。ただ、絶対王政の政治体制で目覚ましい成果をあげることもあれば、民主主義の政治体制で世界中に惨禍を及ぼすこともあり、結局は時代と運営する人によって政治体制の評価も変動します。 無論、現在の日本でもっとも適しており、最も成果が期待できる政治システムというのは、存在し得ますし、それを議論することが無駄という訳ではないのですが、大阪都構想での議論で、この話をすると、運用でどうにでもなるという部分が前面に押し出されて、議論にならなくなるだろうと思うのです。 大阪都構想を推進する人々が、真摯に現在の日本でもっとも適しており、最も成果が期待できる政治システムを議論し、その結果として大阪都構想があったなら、いくらでも議論する余地があります。

 

しかし、私には、大阪都構想を推進しているのが、そのような議論の結果とは思えず、政治システムの良し悪しを考えるような議論にならないと判断しております。 大阪都構想の推進派は、大阪府と大阪都の二重行政を解消するためなどと説明しております。 確かに大阪都と大阪市の間の二重行政はなくなるでしょうが、代わりに大阪都と各区の間に発生する二重行政については口を噤んでいます。この時点で、私には大阪都構想が真面目に議論してできたものではないと思えるのです。 

 

大阪都構想において、もっとも重要な事実、それは、大阪市の現職政治家が、現在の87名から、200名程度に倍増するということです。

 

現在の大阪市は、大阪市議会の定数86人で、それに大阪市長の橋下氏を加えた87名が現職の公選された政治家となります。この方々は、大阪都構想後、皆失職するイメージですが、実のところはそう単純なものではありません。 どうなるかと言いますと、大阪市長はいなくなる代わりに5人の区長が区長選挙で選ばれるようになり、87名の大阪市議がいなくなるかわりに各区で区議選挙が行われ、各区で区議会を開くための区議が選ばれることになります。人口50万人弱規模の東京都の特別区では、区議の定数は40名強ですから、大阪都でも5区あわせて200名程度の区議が必要になるのです。 無論、政治体制として議員数が少ない方が必ずしも良い訳ではありません。

 

議員が多いほど地元の細やかな要望を届けることができる可能性は増えるでしょう。これは先にも言いましたように、政治システムに明快で確実な評価ができず、どちらが良いとか断言することはできないためです。

 

ただ、問題なのは、議員数を増やしてきめ細やかな政治を実現するという行政や政治のスリム化とは逆のベクトルに向いているにもかかわらず、逆の宣伝を行っていることです。 これは、例えば、おから(豆腐を作る時にできる雪花菜です)ハンバーグを出しているレストランが、霜降り和牛をふんだんにつかったハンバーグと錯覚させるような宣伝をしているレストランが信頼できるかという話です。 おからハンバーグはヘルシーですし、その上、調理の仕方ではとてもおいしいです。だから良いんだというのは逆切れであって、レストランの信頼性を回復させるものにはなりません。

 

同じように、行政や政治のスリム化を訴えている大阪維新の会が、仮に議員が多いほど地元の細やかな要望を届けることができるという主張を今更しても誰も信用しないでしょう。 

 

何よりも、大阪都知事に維新の会の候補者が当選し、その対抗馬となっていたような人が区長になった場合、それが府市一体に繋がるのでしょうか? 

 

以下のは邪推です。 

「大阪維新の会が大阪都構想に執着するのは、府市一体で何かをするためではなく、維新政治塾の888人の塾生への配慮ではないか?現職の大阪市議には頑張って区長を目指させ、現在、政治家を志している人には区議という新しい枠を与えることで頑張らせることができる。」 

「大阪都構想で、大阪市の現職政治家を増やすことができれば、維新政治塾の塾生への顔が立つし、大阪維新の会の党への忠誠心も高まるなどという絵を描いて、大阪都構想を着想し、仕事のパイを増やそうと維新の会のメンバーが大阪都構想の推進を煽っているのだ。」

 

 このようなことを、少なくとも維新の会の幹部の方が考えているわけではないと信じています。橋下氏にしても、大阪で日本全体の役に立つ政治家を育てるシステムができることは大阪都構想の慮外の利益にすぎず、結果的にできた政治家を育てるシステムは、大阪のためにも日本のためにもなるんだと考えられるのかもしれません。 

 

ただ、そうであるなら、一時的には確実に大阪市民が蒙るであろう不利益である『大阪市民が雇わなければならない現職政治家の倍増』という事実をしっかりと説明してほしいと思うのです。