あれから2年 エイミー・ワインハウス | Get Up And Go !

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7月23日は、英国のR&B シンガー、エイミー・ワインハウスが亡くなった日です。早いものでもう2年が経ちました。今回はエイミー・ワインハウスの記憶を辿りながら・・・


このひとは大好きですね。2000年代に入ってからは新しい人を聴いたり、まして追いかけたりといったことは少なくなってしまったのですが、このひとは別です。アデル、ジョス・ストーンなど、近年イギリスでは多くの素晴らしい女性シンガーが誕生しましたが、音から匂いまでもを感じさせてくれるような強烈な個性を持った人となると、エイミー・ワインハウス以外見当たりません。

当時、エイミー・ワインハウスの死に際しては、衝撃とともに 「やはり」 といったものもありました。ポピュラー音楽の歴史の中では、彼女のような破滅的な生き方をするアーチストは珍しくはなかったので・・・。どうしても同じ27歳で亡くなったジャニス・ジョプリンと重ね合わせてしまいます。

彼女は亡くなる一か月前、泥酔してステージに上がり満足に歌い切ることが出来ず、聴衆から容赦ないブーイングを浴びたといいます。どうにかならなかったものかなぁ と今でも残念に思います。






「Rehab / リハブ」 という曲は "更生施設 には入りたくない" と歌った曲です。彼女は10代の頃から酒とクスリに溺れていたようです。そういったハチャメチャとも言える私生活までも歌にしてしまう所が魅力といえば魅力なのでしょう。好きなアーチストとして、意外とも思えるキャロル・キングやジェームス・テイラーの名前もあげていますが、私的な部分を音楽作品として昇華させてしまう、シンガー・ソングライター的な資質も持っていた人なのですね。

彼女の言動はいつもストレートで過激でした。同時に弱さも無防備に晒してしまうため、メディアには常に恰好のネタになっていました。


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彼女ほど先人たちに敬意を示し、その影響を隠そうともせず、感謝の気持ちを持って音楽を作っていた人はいないように思います。
エタ・ジェームス、グラディス・ナイト、ティナ・ターナー・・・ヴィンテージ・ソウルといわれるアーチストばかりでなく、ビリー・ホリデイ、サラ・ヴォーン、ダイナ・ワシントン、フランク・シナトラ等ジャズのアーチストたちの名前もあげて感謝の気持ちを示しています。自分の父親ほど歳のはなれたアーチストから、多くの共演を求められていたのはわかるような気がします。

セカンド・アルバム 『BACK TO BLACK』 を初めて聴いたとき、50年代のガール・グループや60年代のモータウン・ポップなどのレトロなソウルのエッセンスに溢れたサウンドに、懐かしさのようなものを感じたのは確かです。
彼女の持って生まれた声にはヴィンテージ感が漂い、それを見抜いてレトロなサウンドを作り上げたプロデューサーの力も大きいと思います。


現在まで続くニュー・レトロ・ソウル、あるいはニュー・ヴィンテージと言われる潮流は、エイミー・ワインハウスなくしてはあり得なかったことです。それはアデルも口にしていました。アメリカのヒップ・ホップにも憧憬を抱いていたという彼女は、レトロなだけでなく、現代感覚も持ち合わせているひとでした。エイミー・ワインハウスの音楽が、マニアックなソウル・ファンだけの音楽にならずに、ポピュラーな人気を獲得した要因であったといわれています。彼女のヒットによって、皆をすぐれたヴィンテージ・ソウルに目を向けさせたとしたら、それは大きな功績だと思います。






Will You Still Love Me Tomorrow
1960年にザ・シュレルズによって全米1位を獲得した、キング & ゴフィンのペンによる名曲です。キャロル・キング自身もアルバム 『つづれおり』 で取り上げています。

エイミー・ワインハウスのカヴァーによるこの曲を今 聴くと、どうしても胸に迫ってくる感情を抑えられなくなってしまいます。

.あしたも まだ愛してくれるの?
















Amy Jade Winehouse
Sep.14 1983 - July 23 2011

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