リスクは否定できないけど、萎縮せずに行きましょう! | その手は桑名の英語屋ヒロさん

リスクは否定できないけど、萎縮せずに行きましょう!

本日は、大学3年生のMちゃんが、オーストラリアへ向けて語学留学へ出発です。

仕事の関係で、私は関西空港まで見送りに行けませんが、お母様が仕事の休みをとって、空港まで同行されるようで安心しました。

Mちゃんは、中学2年生からすでに8年以上も通ってくれている受講生なので、もう今や、ある意味、わが子同然の感じで見守っているところがあります。

そんな彼女から、昨年、「留学へ行きたい」と相談されました。お父様、お母様にとっての大切な一人娘であるMちゃんですから、ご両親の了解を得るのは一苦労かと思いましたが、お母様も大賛成して頂いたようで、トントン拍子で彼女の留学の手続きが進みました。

しかし、1月の後半にホームステイ予定地のブリスベンを50年に1度の大洪水が襲いました。なんとか、ホストファミリーの家のあるエリアは難を免れたので良かったものの、もうちょっとでMちゃんの留学自体中止しなくてはいけなくなるところでした。

そして、出発を数日後に控えた今週頭、今度は、ニュージーランドで大地震です。

富山から留学している多くの学生の方々が被災され、未だに、救出されていません。ご家族の皆さんの心配は察知して余りあるものがあります。

ニュース報道がこの地震に集中しているため、海外留学を考えている学生諸君の中には、「海外へ行くのって、やっぱり恐いかも」とネガティブな気持ちになりかけてしまっている人もいるかもしれませんね。無理もないことです。

実は、今から約20年前、私自身がアメリカへの留学を予定して、出発までの日々を指折り数えていた頃に、「服部君射殺事件」と呼ばれるショッキングな事件がアメリカで起きました。

交換留学で渡米中だった高校生の服部君が、ハロウィンの日の風習に従って、近所の民家を「Trick or Treat」のために回っている最中に、不法侵入者と間違われて射殺されてしまったという何とも痛ましい事件です。

この事件で問題になったのが、服部君がその時訪ねていった民家の主が、不法侵入者と勘違いし、銃を構えて「Freeze!」と叫んだのにもかかわらず、彼は止まらずに前進を続けたために撃たれたという、「英語の理解力」のポイントでした。

「Freeze(指一本動かすな)」という言葉を、ひょっとすると彼は、「Please(どうぞお入りください)」と勘違いしたのではないか、という憶測が当時飛び交い、遊び半分で浮かれ気味に、気軽に留学をしていた当時の学生達の英語力の低さへの批判へとつながりました。

私自身は、この事件の直後に渡米する形になったので、ものすごく気持ちが引き締まったのを覚えています。当時の自分もまったく英語が話せないし聞けませんでしたが、留学を取り止めたいとは思いませんでしたが、「英語がわからないことが命取りになりかねないんだ」という危機感は強く刻み付けられたと思います。

今日、旅立つMちゃんも非常に芯の強い、そして、楽天的な性格をしているので、大洪水に、ハリケーンに、大地震と、次から次へと発生する大災害にも、恐れをなして逃げ出すようなことはありませんでした。

だけど、「何が起きても不思議ではない」、「だから気を引き締めてかからなければ」という強い警戒心や危機感は、いやでも植えつけられることになったでしょうね。

「人生、一寸先は闇」かもしれません。でも、それは、海外に出ようが、国内に留まっていようが、同じことですよね。

「人生、万事塞翁が馬。災い転じて福となす」この気持ちをもって、臨めば、恐怖感や不安を克服できるかもしれません。

皆さん、萎縮することなく、どんどん海外へと出かけてください。