背骨コンディショニング スペシャリスト/作業療法士の鈴木諒です。
今回は膝の痛みについて背骨コンディショニングではどう考えてるのか?ということをお伝えしていきます。
※音声で理解したい方はこちら
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膝が痛い時に、やっぱり膝に原因があると考えると思います。
まず結論をお伝えすると
膝に原因はありません!?
もちろんこれは靭帯の損傷とか骨折とかの怪我や明らかな病気を除く場合ですね。
その可能性がないのに膝が痛い場合においては、膝に原因はないと考えられます。
じゃあ一体どんな原因で膝が痛むのかということですけれども、まず注目したいのは
坐骨神経
です。
↑骨盤のあたりを後ろから見たイラスト。黄色く太い束が坐骨神経
皆さん、坐骨神経を聞いたことはありますか?
坐骨神経というのは腰から出てきて足先まで繋がっている大きな神経ですけれども、そちらの坐骨神経の流れが悪くなることで膝の滑液(油)に異常が起きると考えます。
↑腰から出てきた坐骨神経が膝裏(赤丸部分)を通っていきます
例えば滑液が不足しますと、動かすたびに膝の関節が擦れてしまって、その結果で関節を保護してる軟骨がすり減ったりですとか炎症が起きたりですとか、もちろん痛みを生じるということですね。
よく膝が痛いと「軟骨がすり減ってるから痛い」とか「変形してしまってるから痛い」と考える方は多いかもしれません。
でも、それは原因ではなくて結果ですね。
坐骨神経の流れに異常が起きて、その異常がある状態で膝を使い続けて、その結果として軟骨がすり減ったり変形したり痛みが出ると捉えていただければと思います。
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なんで坐骨神経の異常が起きるのか?
背骨コンディショニングでは、背骨の歪みで神経が引っ張られて異常を起こし身体の不調に繋がると考えています。
先ほどお伝えしたように、坐骨神経というのは仙骨(背骨の土台)と、その上の腰椎4番・5番から出てきます。
仙骨と腰椎が歪むことで坐骨神経の流れに異常を起こし、その結果として痛みが出るというふうに考えています。
その坐骨神経が腰から出てくるんですけども、もう一つ大事なところが股関節です。
股関節は坐骨神経の通り道と考えていただければ良いかと思います。
腰の骨から出てきた神経が、股関節を通って膝に向かって、それがふくらはぎや足先まで繋がっています。
その膝に向かうまでの通過点である股関節の歪みによっても、坐骨神経の流れが異常を起こして膝の痛みにつながると考えています。
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ここでちょっと整理すると、膝に痛みが出るのは坐骨神経の
・出処の腰(仙骨と腰椎)
・通り道の股関節
これら腰と股関節の歪みによって坐骨神経の流れに異常が起きて、その結果として膝に痛みが出るという考えです。
ではどうやって膝の痛みを改善したら良いのか、もしくは予防したら良いのかということですが、膝の痛みで一番大事なのは
お尻(大殿筋)の筋力トレーニング
です。
こちらは以前、腰の痛みについての配信でもお伝えしていますが、トレーニングバンドを使用して「バックキック」という種目をお勧めしています。
こちらのバックキックをコツコツ継続することで、お尻の筋肉が少しずつ鍛えられていきます。
お尻の筋肉がしっかりついてくると、背骨の土台である仙骨の位置が安定し、股関節もしっかりと外側から支えられるようになります。
すると坐骨神経の流れが改善して本来の膝の油(滑液)の状態が維持できますので、歩いたりしゃがんだりしても膝関節への負担が軽減されて痛みは出なくなります。
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やっぱり膝に痛みがあると、どうしても痛い場所に着目しがちです。
たしかに膝が痛い時に病院でしっかり検査を受けて、骨折とか靭帯の損傷といったケガの可能性がないか、何かしらの病気がないかを確認することはとても大事です。
ただ、病院の検査では「骨に異常ありません」とか「病気はありません」ということをしっかりと確認してもらえたら、膝に原因はありません。
腰や股関節の歪みによって坐骨神経の異常が起きている状態と考えます。
それを改善していくため、もしくは予防するためにはお尻の筋力をしっかりと鍛えるということがとても重要になってきます。
先程お伝えした「バックキック」という種目ですけれども、やり方についての動画リンクを貼っておきます。
ぜひご自身でも実践していただけると嬉しいです。
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